アメリカ大統領選挙 トランプ vs クルーズ クリントン vs サンダース

巷ではパナマ文書(Panama Bernie)の話題で盛り上がっているんですが、アメリカ大統領選挙もますます面白さを増しています。共和党大統領候補指名争いが激化する中、トランプ、クルーズの両陣営は今月19日のNY Primary に向けて総力戦の様相を呈してきている。クルーズ、ケーシックとしてはトランプの得票率50%阻止が至上命題で、トランプが95全てのdelegates (代議員)を獲得する事を何としてでも防がなくてはならない。ニューヨークはトランプのお膝元 (Trump is a native son)だけあって圧勝が予想されているが、得票率50%超えは非常に大きな意味を持っている。

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ニューヨークが天王山

ニューヨーク州でトランプが95全ての代議員を獲得出来れば、トランプが共和党代表に選出されると言われている。トランプの得票率は絶対に過半数を超えないという反トランプ陣営が縋り付く神話の崩壊はそれだけ大きな意味を持っているからだ。例えば、トランプ65%、ケーシック17%、クルーズ16%という結果になれば、もはやトランプを止めることは不可能だろう。逆にトランプ45%、クルーズ30%、ケーシック23%なら、Open Convention (Brokered convention) 確実と言っても過言ではないだろう。クリントンにも同じことが言えていて、ここでサンダースに完勝すればクリントンはすんなり民主党代表に選出されるだろうが、まさかの敗北となればいよいよオバマも考えざるを得なくなるかもしれない(Hillary Clinton not ‘qualified’ to be president for several reasons, Sanders says)。クリントンがニューヨークでサンダースに敗れるような事は万が一にもないとは言われているが、勝負の世界は結果が出るまで分からないので、サンダースの大番狂わせが無いとは誰も言えないだろう。トランプがニューヨークを落とすことは120%有り得ない。

トランプの戦術ミス

トランプがここまでもたついている理由は、トランプがクルーズを本気で怒らせた事に起因している。2012年もロムニーとサントラムの間で激戦が展開されていたが、最終的にサントラムは2012年4月10日に代表戦から撤退してロムニーの代表戦勝利が事実上確定した。トランプはそのあまりにも子供じみた言動と度を越した誹謗中傷によりクルーズの態度を硬直化させてしまい、もはや修復不可能な所まで二人の関係を悪化させてしまっている。トランプに戦略があればクルーズとの仲をここまで拗らせなかっただろうし、何かしらの裏取引でクルーズをレースから撤退させて早々に代表候補の座を射止めることも出来たかもしれないのだ。それが出来ないところにトランプの人間としての限界があり、絶対に大統領になれない理由の一つにもなっている。かつて、ブッシュがトランプに “You’re not going to be able to insult your way to the presidency”と何度も言っていたが、トランプはその忠告を真摯に受け止めておくべきだった。子供じみたトランプの立ち振舞は大統領には不向きというレッテルを既に7割以上のアメリカ国民から貼られてしまっている。

クルーズはただの捨て駒

クルーズはトランプに対する怒りから本当の敵を見失っていると一部の保守派から指摘されている。共和党主流派とは犬猿の仲で敵対関係にあったはずのクルーズが、トランプ憎しの余り腐敗に塗れた主流派層と手を結んでしまったのだ。まさに敵の敵は味方の図式だ。主流派の真の狙いは Open Convention にある。一部保守派識者の間では、クルーズはトランプの代議員過半数獲得を阻止するための pawn に過ぎないと言われている。主流派にとってクルーズは捨て駒でしかない事は実際明らかだ(Ted Cruz leans on allied super PAC as GOP nomination fight rolls on)。クルーズはクルーズで保守派の資金力を利用しているに過ぎず、Open Convention でトランプから代表候補の座を掠め取る気満々である。主流派がどんな策を練ろうが、共和党代表候補はトランプ、クルーズの2択以外の選択肢は有り得ない。

トランプ vs. クルーズ 勝者は?

ニューヨークでトランプが95全ての代議員を総取りすればトランプで決まり、得票率が50%を割り込んだ場合はクルーズ勝利も現実味を帯びてくる。と言っても、確率的には現状ではトランプ90%、クルーズ10%で、クルーズにとってはかなり厳しい戦いである事だけは確かだ。ケーシックは副大統領の椅子が欲しいだけで、最終的にクルーズと手打ちをするだろうと予想されている。つまり、クルーズがケーシックとルビオが獲得した代議員の票を囲い込む事が出来るというわけだ。ルビオは既にその事を示唆している。クルーズはトランプとは次元の違う戦略家、策士なので、最後に笑うのはクルーズなのかもしれない。