トランプ勝利→世界大恐慌→第三次世界大戦 歴史は繰り返す?

多くの民主党員達がトランプを共和党大統領候補にするために、open primary statesで挙ってトランプに投票した。ドナルド・トランプという、ほとんどのアメリカ人女性が生理的に受け付けない欠陥人間を大統領候補に祭り上げることで、11月の大統領選挙でのヒラリー勝利を確実なものにするためであった。しかし、彼らの思惑とは裏腹に、トランプ勝利を予測する声が徐々に高まりつつあるのだ。何故こんな事になってしまったのだろうか?トランプという誰もがclown, joke, carnival barker と罵り、マルコ・ルビオから”con man (詐欺師)”呼ばわりまでされた犯罪者もどきが、自由主義の擁護者であり世界の警察官でもある、唯一無二の超大国アメリカの大統領になるなんてことが実際に起こり得るのだろうか?

何故トランプが勝てるのか?

Ignore the sneering elites – Donald Trump can win

No wonder traditional politicians are so distressed. A peasants’ revolt is under way in America – as, indeed, it is in Britain and in much of Europe – and they are the target of the revolutionaries’ anger. It threatens nothing less than the end of an old order – an order that has failed because of its contempt for the feelings of voters who believed they lived in a democracy.

Perhaps Donald Trump has alienated too many Americans to win. But in the present climate, only a fool would say he won’t.

A peasants’ revolt のpeasantは小作農や田舎者という意味ではなく、proletariat (無産階級)やprecariat(ワーキングプア)を指していると思われる。今の時代、全ての労働者階級(社畜)が必ずしも無教養な低スキル労働者とは言えないが、ことトランプ支持者に関してはその傾向が強いように思えるという識者が多い。つまり、トランプは無学な無産階級に支持されているという意味で、トランプ支持者は、uneducated (無学な)、uninformed (無知な)、clueless (頭が鈍い)、bunch (連中)扱いされている。トランプ革命は労働者階級の現体制(旧体制)に対する怒りと絶望が原動力になっていると言われている。今現在の政治体制が本当に民主主義なのかと問われれば、必ずしもそうであるとは答えられないだろう。crony capitalism, crony socialism と言った方が正解かもしれないからだ。しかし、ここで問題なのは、トランプ支持者達(25%の白人至上主義者と25%の民主党工作員は別として)が、トランプ政権に甘い期待をし過ぎている事だ。トランプが現体制を打破したとして、新体制がどうなるのか?という、その先の事など全くおかまい無しで、ancien regime 憎しの余りに我を忘れてしまっている感が強い。トランプなら何とかうまくやるはずだ、という何の根拠もない楽観論がトランプ支持者の間に蔓延している。トランプが成功以上に失敗を重ねている事や、経営破綻の度に自身の負債を全て社会的弱者に押し付けている事も全て無視して(知らないだけなのかもしれないが)、トランプを神格化してしまっている。労働者階級の反乱が成功するかどうかは、トランプという資産5000億円の one percenter (超富裕層)が、いつまで庶民派を売りにできるかにかかっている。トランプが獲得を狙っているサンダース支持者(白人)は、反超富裕層 (= 反トランプ)をスローガンにサンダースを全面バックアップしているので、彼等がトランプ支持に回るとはとても考え難い。もちろん、ヒラリー憎しからトランプに投票するサンダース支持者もいるかもしれないが、トランプ憎しからヒラリーに投票する共和党員も相当数いるので、最終的には無党派票が大勢を決することになると思われ、無党派層がトランプを大統領に押し上げる可能性があるという事になる(Who Are The Independent Voters?)。面白いことに、ミット・ロムニーが反トランプ候補としてサード・パーティーから出馬する可能性まで噂され始めている(Third-party anti-Trump push turns its attention to Romney)。

トランプは世界大恐慌を引き起こす

History lesson for Paul Ryan: The Republicans have always been Donald Trump’s party このニュース記事は、トランプが目指す政治は新しい政治などではなく、共和党が過去に葬り去った古い政治の掘り起こしに過ぎないと言っている。

And of course, Herbert Hoover was one of the most protectionist presidents in history—and after the Great Depression hit, his signing into law a Republican-backed protectionist bill, the Smoot-Hawley Tariff, only exacerbated the Depression.

トランプをフーバーに擬える識者が多い。トランプがアメリカ史上最も保護主義な大統領になる可能性があるからだ。フーバーが大統領になった9ヶ月後の1929年10月24日、Black Thursda (暗黒の木曜日)が起き、そこから雪崩の如く世界大恐慌へと事態は急展開を迎えることになる。ハーディング、クーリッジ、フーバーの共和党政権下でのlaissez-faireは、そもそもはビジネス(個人)が規制無しで好き放題やる代わりに、政府は何か問題が生じてもビジネス(個人)を助けないという前提だった(少なくともフーバーはそう考えていた)。株価大暴落直後のフーバーの無策とその後の保護貿易主義・孤立主義への傾倒が批判されているが、利益は個人が独占する一方での損失は政府が被るみたいなやり方は本来許されるべきではない。富裕層は高い税金を払っているので政府が富裕層を救済するのは当然という考え方もあるが、貧富の差が拡大する局面でそんな理屈が通用するはずがない。フーバーも再選のために遂に重い腰を上げ、1932年からビジネス救済策をあれこれ施行するのだが(After the stock market crash, how did President Hoover try to help the economy?)、時すでに遅しで、1933年以降のルーズベルト政権によるやりたい放題が許される素地を作ってしまった。トランプはフーバであると同時にルーズベルトでもある。保護主義と孤立主義はフーバーに近いが、大きな政府や政府によるビジネスへの介入はルーズベルトに近いからだ。トランプ大統領が本当に時代遅れの保護主義・孤立主義を目指せば、世界大恐慌への道へ世界経済は向かうことになる。歴史は繰り返すというが、アメリカ国民は今一度冷静になって、ドナルド・トランプという、opportunist (日和見主義者)、egomaniac  (病的自己中)、narcissist (自己陶酔者)、pathological liar (病的虚言者)、demagogue (大衆扇動家)が本当にアメリカ大統領として適任なのかどうかをよく考える必要があるだろう。

参考サイトThe rise and fall of the American economy, 1910-29