エンゲル係数急上昇 アベノミクスが庶民を襲う

その買うを、もっとハッピーに。|ハピタス

アベノミクスとは政府・日銀が、日本国民の8割に当たる1億人の貧困層と貧困予備軍から毟り取った金を、2割に当たる2500万人の富裕層へ貢ぐ経済政策のことである。トリクルダウンなどというデタラメな言い訳をしているが、庶民からの富の収奪以外の何ものでもない。国がこういう富裕層優遇・弱者虐めの異常な横暴政策を臆面もなく平然とやるようになったら、その国は先が長くない(お終い)と思ってまず間違いない。しかしその一方で、外貨を稼げる産業がなくなれば日本は終わるという主張も未だ根強いのも事実だ。天然資源と食料の大部分を輸入に頼らなければ生きていけない日本にとって、輸出企業の壊滅(破綻や海外脱出)は円の大暴落を引き起こし、それはつまり日本が貧困国家に成り下がるといった意見で、確かにこういう考え方もできるのかもしれないが、生きていくために必要な物資を輸入に頼らなければならない国の通貨が弱いのも大問題なはずだ。ましてや政府と中央銀行が、輸出企業保護、株高、旅行収支と第一次所得収支の大幅黒字を目論見、自国通貨を歴史的な大幅安に無理やり誘導するとかやってはいけない事だ。経常収支の大幅黒字は一見すれば国が豊かになっているように見えるが、実態は8割の庶民の生活を苦しめることで、2割の富裕層や一部の輸出企業を豊かにしているだけなのだ。

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庶民の生活水準は悪化の一途

何処の発展途上国の話だよ!と思うかもしれないが、これがこの国の現実なのだ。日本は擬似先進国と言ってもいいだろう。先進国なように見えてもその実態は発展途上国のようなものなのだ。アメリカで生活した人間なら分かると思うが、日本の生活水準の劣悪さは酷いものがある。確かに日本は世界一のグルメ大国で、コスパの面で日本の温泉旅館やペンションは他国に類を見ないレベルにあるが、それは裏を返せば、サービス業に従事する労働者達が搾取の限りを尽くされていることに他ならないのである。使い捨て薄給非正規雇用者達が、過酷な労働条件の下、時給800円で無茶な労働(サービス)を強いられている実態を決して忘れてはならない。さらに食べ物や旅行に全く興味の無い人間にとって、この国は何の魅力も無い国と言えてしまう。興味がないというより、経済的な余裕の無い人間にとって、この国は非常に住み難い何の魅力もない国と言った方が正解か。我が家の食事情も2013年以降の急激な円安により劣悪になる一方である。それまで普通にスーパーで売られていた、黒豚、地鶏、A3~A4の銘柄牛がいつの間にかすっかり商品棚から消え去っていた。ヒラメもほとんど見かけなくなったし、近海産未冷凍生本マグロについて言えば影も形もなくなってしまった。寂しい限りである。旅行へ行っても松阪牛が安価に食べられる店自体が無くなってしまったし、何ともやるせない。

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エンゲル係数が急上昇らしい

エンゲル係数 急上昇 食品値上げ 賃金追いつかず 酷い話である。

特に、所得が低い層(一六年三月は年収三百三十三万円以下)は上昇幅が大きい。三年前と比べて4・2ポイント高い29・9%。毎月変動するエンゲル係数が三月に30%に迫ったのは一九八五年以来で三十一年ぶりだ。

特筆すべきは、この数字は食の質が著しく下がっているにもかかわらずこの数字だということで、アベノミクス前と同じ水準の食生活を続けていたら家計がもたないからだ。年金生活者を含む低所得者層の生活苦が限界に達してきていることは確実と言える。1985年3月と言えばプラザ合意前でまだ1ドルが250円ぐらいだった事を考えれば、今の円安水準がいかに行き過ぎた水準にあるかを如実に物語っている。このまま円安が続けば、再び海外旅行が庶民の夢になる日が来たり、あるいは、A5神戸牛、松阪牛、飛騨牛は輸出に回されたりして庶民の口には入らなくなる日が来るかもしれない(但馬牛の母牛 増産作戦 神戸ビーフ人気需要高騰)。かつて貧乏人は麦を食えと言った政治家がいたらしいが(Ikeda Suffering Disease Called ‘foot-in-mouth’)、面白いのは、この発言が Marie Antoinette (マリー・アントワネット)の”Let them eat cake.” に擬えて、”Let them eat barley”と訳されていることだ(Foreign News: HARD MAN)。もっと面白いのは、revisionists (歴史修正主義者達)によれば、マリー・アントワネットはそんな発言はしていないらしいのだが、もちろん、言ったか言わなかったかは誰にも分からないわけで、言ったかもしれないし、言わなかったかもしれないとしか言えないはずなのである(10 Things You May Not Know About Marie Antoinette)。もしかしたらもっと酷いことを言っている可能性もあるわけで、歴史に絶対はないということだけは忘れないほうがいいだろう。

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アベノミクスは庶民の敵

そんな事は今さら言われなくても庶民なら誰もが痛感させられているのは承知だ。1億総貧困化政策が何故庶民に受け入れられているのか理解不能なのだ。自民以外にまともな政党がないのがその答えなのも承知だ。では何故まともな対抗政党が現れないのか?日本がアメリカから独立して以降、自民と対等に渡り合えるまともな政党が一度も現れないのはある意味異常だろう。日本人には自民以外にまともな政治家がいないのかと世界から思われても無理はない。自民の富裕層優遇、1億総貧困化政策に対抗する、ワープア優遇、1億総プチ中流化政策を打ち上げる政党が出てこないのが不思議で仕方がない。円高・物価安、ブラック企業撲滅、非正規雇用者待遇改善、二人以上世帯の世帯主の最低時給2000円、公務員人件費圧縮、累進課税強化をmanifestoにする政党が出てくることを願わずにはいられない。2割の富裕層 vs 8割の貧困層+貧困予備軍の構図を明確にさえすれば、当然8割の下層民の支持を得た政党が勝つに決っている。と思われ勝ちだが、実際は8割の下層民の半分は自分は富裕層か富裕層予備軍と大きな勘違いをしているから質が悪い。自分が見えない人間が余りにも多過ぎる。

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自民党は庶民に目を

向けるべきなのは言うまでもないが、それができないのは、既得権益の保護が自民党の唯一の存在理由だからとしか言い様がない。確かに既得権益の破壊は社会秩序や経済を破壊する危険性を孕んでいるので、誰もが及び腰になるのも無理はないのかもしれない。多くの国民が自民党を選ぶのは現状維持を求めているからに過ぎない。民主党政権があまりにも酷すぎたというのも確かにあるが、自民党以外の選択肢が無い以上、現政権がどんなに酷くても自民が勝つ。これは実は非常に危険なことで、このトレンドが続けば、自民政権の暴走を招きかねない。しかしまともな政党が出てこないことには、自民の独裁政権が永遠に続くことになり、日本の先行きが非常に懸念される。アメリカはトランプが大統領になりそうな勢いなので、既得権益にしがみつく人間達がpanicっている。アメリカ国民が一か八かの賭けに出るかは分からないが、トランプ大統領の誕生なら、有権者の既得権益に対する忌避感がいかに強いかを表している。そうなった場合、既得権益の破壊が(国際)社会と経済にどういう影響をもたらすのか、アメリカがその事を教えてくれるはずだ。

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