量子情報の寿命を伸ばすことに成功したらしい

量子コンピューター関連のニュースがここ最近慌ただしいですが、実用化に向かって確実に技術革新が続いているようです。今回はエール大学の研究者たちが、量子情報の永続性と信頼性を延長する事に成功したようです。これはとにかく物凄い快挙らしく、本物の量子コンピュータ実用化への人類の大きな第一歩になるらしいです。

量子コンピュータには非常に興味があるのですが、イマイチ良く分からない部分があるので、先ず、quantum information(量子情報)とは何なのか?という疑問について調べてみることにしました。量子情報とは?

量子情報とは、0と1からなる2進数の「ビット」を基本単位とするような古典力学的な状態で表される従来の情報(古典的情報)に対して、0と1のみならず0と1の任意の重ね合わせ状態を取ることができるような量子力学的な状態で表される情報を指し、量子2準位系の状態で記述される「量子ビット(qubit)」を基本単位とする。

キュービットで表される情報を量子情報と呼ぶみたいです。量子情報を処理するのには量子コンピュータが不可欠なように思われます。量子情報理論とその難しさ

(量子情報処理)≠(量子コンピュータ上の情報処理)

しかし、必ずしもそうではないようです。

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Quantum Error Correction (QEC)

New Yale-developed device lengthens the life of quantum information

For the first time, researchers at Yale have crossed the “break even” point in preserving a bit of quantum information for longer than the lifetime of its constituent parts. They have created a novel system to encode, spot errors, decode, and correct errors in a quantum bit, also known as a “qubit.” The development of such a robust method of Quantum Error Correction (QEC) has been one of the biggest remaining hurdles in quantum computation.

「初めて、エールの研究者達は、一片の量子情報をそれの構成要素の寿命より長く維持する状態の損益分岐点を渡りました。彼等は、キュービットの別名で知られる量子ビットのエンコード、エラー検知、デコード、エラー修正するための新しいシステムを創り出しました。量子エラー修正のそのようなしっかりとした手法の開発は、量子コンピュータにおける最大の残存するハードルの1つになっていました。」

量子エラー修正については最大の課題になっていましたが、どうやら今回量子エラー修正システムが新たに開発されたようです。金字塔と言われるだけの価値がある研究成果です。

“This is the first error correction to actually detect and correct naturally occurring errors,”

「これが実際に自然発生するエラーを検知して修正するための最初のエラー修正です。」

“It is just the beginning of using QEC for real computing. Now we need to combine QEC with actual computations.”

「QECを実際の計算に使う始まりに過ぎず、これから我々は、実際の演算処理とQECを組み合わせる必要があります。」

今回新たに開発されたQECシステムを、実際の量子コンピュータにどう組み合わせるのかが、たぶん最大の難関なのかもしれません。ここを乗り越えられれば、いよいよ本物の量子コンピュータを実現させることができるようになるのかもしれません。

量子エラー修正は超困難

Error correction for quantum data bits is exceptionally difficult because of the nature of the quantum state. Unlike the “classical” state of either zero or one, the quantum state can be a zero, a one, or a superposition of both zero and one. Furthermore, the quantum state is so fragile that the act of observing it will cause a qubit to revert back to a classical state.

「量子データビットのエラー修正は、量子状態の性質のために、とにかく困難です。0か1どちらかの古典状態とは違い、量子状態は、0, 1, あるいは、0と1両方の重ね合わせが可能なのです。さらに、量子状態はあまりにも壊れやすいので、それを監視する行為が、キュービットがもとの古典状態へ戻る原因になってしまいます。」

エラー修正は物理的には不可能っぽいような気がします。エラーを起こしている量子状態を監視する行為自体が、量子状態を破壊する原因になり、キュービットをただのビットに戻してしまう可能性があるためです。じゃー、どうやってエラーと判定するの?っていう話です。

エラー判定の方法

“In our experiment we show that we can protect an actual superposition and the QEC doesn’t learn whether the qubit is a zero or a one, but can still compensate for the errors.”

「実験の中で、我々は実際のスーパーポジションを保護でき、量子エラー修正がキュービットが0か1かどうかを学ばず、しかし、それでもエラーを補正することができることを明らかにしています。」

量子エラー修正システムは、キュービットのステートを知ることなしに、エラー修正をできるらしいのですが、そんな事が可能なのでしょうか?

The team accomplished it, in part, by finding a less complicated way to encode and correct the information. The Yale researchers devised a microwave cavity in which they created an even number of photons in a quantum state that stores the qubit. Rather than disturbing the photons by measuring them — or even counting them — the researchers simply determined whether there were an odd or even number of photons. The process relied on a kind of symmetry, via a technique the team developed previously.

「チームは、部分的に、より複雑でない方法で情報を符号化して修正する事で、それを達成しました。エールの研究者は、キュービットに格納する量子状態において、偶数の光子を創出するマイクロ波空洞共振器を考案しました。計測することで光子を混乱させるのではなく、あるいは、光子の数を数える事で、研究者は単純に、光子が奇数か偶数かどうかを決めました。そのプロセスは、チームが過去に開発したテクニックによる、対称の一種に頼りました。」

光子の状態や数を数えるのではなく、予め偶数の光子を用意して、光子が偶数か奇数かを基にしてエラー修正を加えていく方法みたいです。

“If a photon is lost, there will now be an odd number,”

「もし1個の光子が失われれば、現在は奇数になります。」

“We can measure the parity, and thus detect error events without perturbing or learning what the encoded quantum bit’s value actually is.”

「我々は、偶奇性を判定することができ、従って、符号化された量子ビットの実際の値を、掻き乱したり知ること無しに、エラーイベントを検知できます。」

なるほど、偶奇性の判定のみで、エラー修正を達成しているようです。

量子状態が長続き

The cavity developed by Yale is able to prolong the life of a quantum bit more than three times longer than typical superconducting qubits today. It builds upon more than a decade of development in circuit QED architecture.

「エールによって開発された空洞共振器は量子ビットの寿命を、今日の典型的な超伝導キュービットの3倍超、長引かせる事ができます。空洞共振器は、回路量子電磁力学アーキテクチャの10年を越える開発に基づいています。」

空洞共振器が凄いみたいです。10年を超える年月を費やして作られただけの事はあります。ただ、この研究成果が実用化されるかどうかは、まだまだ未知数なので、現段階でとやかく言うことはできませんが、量子コンピュータ実現の大きな一歩である事は間違いないのではないでしょうか。

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