新しい抗生物質が人間の鼻の穴の中で見つかった!?

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人間の体には素晴らしい免疫システムが体の隅々まで構築されているので、人間の鼻の穴の中で新型抗生物質が発見されたとしても、何の不思議もないのかもしれません。よく鼻で息をしろと言われますが、鼻の穴の中に、鼻毛、鼻水、鼻糞が存在している事からも分かるように、鼻は最前線の要塞基地だからです。

鼻で息を吸う時に、酸素と一緒に取り込まれた、空気中を漂うバクテリア、ウィルス、真菌、糸状菌は、鼻の穴に構築された防衛ラインによって、気管や肺への侵入を拒まれます。鼻の穴にも地細菌(鼻腔細菌)が棲み着いているらしいので、何とも不思議な話です。

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鼻腔細菌(鼻腔常在菌)

New antibiotic found in human nose

A new antibiotic that has, quite literally, emerged from the human nose. The compound is produced by one species of nose-dwelling bacterium to kill another microbe, which kills thousands of people every year.

「新抗生物質が、まさしく文字通りに、人間の鼻の穴から出現しました。その化合物は、毎年多くの犠牲者を出している別の細菌を退治するために、鼻腔常在細菌の一種によって生産されています。」

新規抗生物質は人間の免疫システムが作り出しているわけではなく、鼻の穴の中に棲みついている鼻腔内細菌が生産しているようです。物凄い細菌もいたもんです。

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自然の力には自然の力で対抗

The study is “yet another demonstration that we should look to nature for solutions to the problems nature throws at us,”

「その研究は、人間は、自然が人間に投げつける問題への解決策のために、自然に目を向けるべきである事の、さらにもう一つの証明でもあります。」

自然によって引き起こされる問題の解決のためには、自然にその解決策を求めるのが1番という事は、まさにその通りだと思います。自然の力は偉大なので、自然の力を借りるのがベストな選択なのは当然です。

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鼻の穴は細菌達の戦場

塩気のある粘着液(鼻水)が存在する鼻腔内は細菌が生活するには、相当過酷な環境なようです。その劣悪な環境の中でも、いくつかの細菌が棲みついているらしく、鼻腔内細菌同士の抗争も激しいようです。鼻腔細菌の1つであるStaphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)は3人に1人の穴の穴の中で棲みついているそうです。抗生物質に耐性を持つMRSA (methicillin-resistant Staphylococcus aureus、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)と呼ばれる黄色ブドウ球菌の1種は、社会問題化しています。

7割の人間に黄色ブドウ球菌が存在しない理由は、Staphylococcus lugdunensis(スタフィロコッカス・ルグドゥネンシス)が、黄色ブドウ球菌を退治してくれているかららしいです。

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新抗生物質、lugdunin

The researchers found that the bacterium produced an antibiotic compound and succeeded in synthesizing it in the laboratory. The chemical, which they named lugdunin, inhibited S. aureus from growing in the petri dish, and when applied to the skin of mice infected with S. aureus, it reduced or even eradicated the infection,

「研究者達は、細菌は複合抗生物質を生産することを発見し、その抗生物質を研究室で合成する事に成功しました。lugduninと名付けられたその化学物質は、シャレーの中の黄色ブドウ球菌が増殖するのを妨げ、黄色ブドウ球菌に感染しているネズミの皮膚に塗布したところ、感染を減らすどころか、根絶さえしたのです。」

新規抗生物質には想像を絶する抗菌、殺菌作用があるようです。まさに夢の新抗生物質と言えるのではないでしょうか。細菌が作り出した抗菌物質というのが何とも興味深いです。

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耐性菌を生み出さない抗生物質

新型抗生物質lugduninは、耐性菌を生み出さないのではないかとして期待されているようですが、それに異議を唱える意見もあるようです。

Read is skeptical of claims that lugdunin may not trigger resistance, because every antibiotic developed so far has run into resistance problems. “Antibiotic use that does not drive resistance is the holy grail,” he says. “Fantastic if lugdunin turns out to be one such case. But history tells us not to hold our breath.”

「Readは、今まで作り出された全ての抗生物質が耐性問題に直面しているので、lugduninが耐性を引き起こさないかもしれないという主張には懐疑的です。”耐性を起こさない抗生物質使用は至高の目標です。”と彼は述べています。”lugduninがそういうものの1つのケースと分かれば、とても素晴らしいことです。しかし、歴史は私達に期待しないように教えてくれています。”」

耐性菌を生み出さない抗生物質の開発は、holy grail(ホーリーグレイル)なようです。この新型抗生物質がそうである事を願わずにはいられません。バクテリアが作り出した抗生物質なので、耐性菌を生み出さない可能性は非常に高いのではないでしょうか。あるいは、腸内細菌の中にも抗生物質を作り出している細菌が存在するかもしれないので、今後の研究が期待されるところです。

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