何故人は超常現象や非合理な物を信じてしまうのか?

その買うを、もっとハッピーに。|ハピタス

予知・予言の類の超常現象、超能力、超心理学を信じるかどうかは、人間の能力をどこまで過信できるかにかかっています。人間の脳のパワーが凄いというのは多くの人が認めるところでしょうが、かと言って、全ての人間が凄いわけではありません。本当に脳力が凄い人間は全体の0.0001%程度です。99.9999%の人間は猿に毛の生えた程度の脳力です。サル並みの人間というわけではなく、ノーベル賞級の卓越した創造性や革新性を持つ人間は、ほとんど存在しないという意味です。ほんの一握りの超天才達が人類の文明をここまで進歩させ、ほぼ全ての人間はそれにタダ乗りしてきているだけに過ぎません。

post-truth(嘘も真実)な世界では真実は意味を持たない
”alternative facts、alt-facts(もう1つの事実)やalternative-truth、alt-truth(もう1つの真実)”は、昨今、政治的な意味合いでニュースになってきていますが、精神科医達は、既にそのコンセプトを熟知しています。というのも、ほぼ毎日のように患者達によって発言されているさまざまな形態のもう一つの事実を耳にしているからです。全ての人間が、ほぼ毎日のように日々の生活の中で、実際の現実なのか思い込みの現実なのかを区別する必要があり、ほとんどの人が全くの妄想と見なす主張や意見にどう対処すべきかが課題になっています。
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ビジネスにオカルトは厳禁

Modern day Rasputins

In 2010, the Sydney-based firm BBY was ranked fourth largest stockbroker in Australia. On average, it traded $150 million per day. Five years later, the company went into voluntary liquidation, owing clients about $61 million. An investigation into BBY has discovered that its insolvency went back years.

「2010年、シドニーに本拠を置く企業BBYは、オーストラリアで4番目に大きい証券会社でした。平均して、その会社は1日に150億円の取引をしていました。5年後、その会社は任意解散し、顧客に約62億円の負債を抱えていました。BBYへの調査が、その会社が何年も前から破産状態だったことを暴露しています。」

The investigation also discovered that Glenn Rosewall, the company’s executive chairman and majority owner, had been relying on the advice of professional psychic, astrologist and feng shui consultant Nevine Rottinger.

「また、調査の結果、その会社の経営執行役会長で大株主だったGlenn Rosewallがプロサイキックで占星術師で風水師であるNevine Rottingerの助言に頼っていたことが分かっています。」

astrologerが占星家、占星学者、占星術師、astrologistは星学家、星占い師、占星術者といったような訳になっていますが、全て同じ意味です。風水占い、星占いは日本でも人気がありますが、占いも一種の宗教のようなもんです。個人が信じる分には問題ありませんが、それを企業経営に持ち出すのは以ての外です。占いだとか、神の啓示だとか、そういったオカルト的な話は電波板でやってろといいたくなります。

Rottinger describes herself as “a professional intuitive and an energy healer”. She made predictions about stock prices “purely intuitively”. Sometimes she also looked out a window. “I just get an image in my mind that tells me what a price may be”, she said.

「Rottingerは、直感力のあるプロのエナジーヒーラーと自身を表現しています。彼女は、純粋に直感で株価予測を立てていました。彼女は窓の外を眺めることがありました。”株価が今後どうなるかを私に教えてくれるイメージが心の中に浮かぶだけなんです。”と彼女は語りました。」

もし本当にプロ級の直感力があれば、宝くじも当てられるだろうし、宝くじで儲けた原資で株・FXでもやってれば、あっという間に資産が世界一になります。なので、私は未来が予言できるとか言って、占い師やアドバイザーの類なんかには絶対になりません。

自分の超能力をそういう事に使いたくない・使えない、人助けに使うためにあるとか何とか言って、結局それを金儲けの道具にしていたり、ちょっと考えればおかしいだろ!となるのですが、信じてしまう人間が後を絶ちません。悲しいことです。

儲け話に注意!人は絶対に儲かる方法を他人には教えません
近所の公園のスピーカーから詐欺に注意の喚起情報がよく流されますが、世の中それだけ詐欺に騙されてしまう人が多いということでしょうね。オレ詐欺、投資詐欺、儲かる詐欺(私はこれで儲けた詐欺)、結婚詐欺、寸借詐欺、クレクレ詐欺、来る来る詐欺、オークション詐欺、誰か買ってくれないと困る詐欺等、さまざまな詐欺が存在しますが、詐欺に
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合理的資本主義

Rottinger met Rosewall on 9 June 2009, at about 9am, later noting, “There’s a lot of nines in that”. In an email to Rosewall, she told him, “When I met you, [the] spirit asked me to hold you in the light”.

「人類史上で最も合理主義的なシステムである資本主義は、深刻な不合理をはらんでいます。Rottingerは2009年6月9日の午前9時頃にRosewallに出会いました。”その中には多くの9が存在しています。”彼女は、RosewallへのEメールの中で、”私があなたに会った時、精霊が、あなたを光の中に留めるように私に言ったのです。”と彼に言っています。」

hold you in the lightは光の中で抱きしめるとか明るい所に引き留めるとか、色々訳せますが、言っていることはみな同じで、要は、暗闇から救い出すことです。キリスト教でいうところの、神を信じず暗闇の中を彷徨う人間を、明るいところへ導き出すと言った意味合いがあります。

伝統に盲従する前に、その裏に隠された真実を知る
社会的な伝統というか習慣というか、そう言った類のものは言い出しっぺが必ずいて、その言い出しっぺの真の狙いを知る必要があるらしいです。企業や学...

According to court testimony, Rottinger also assisted Rosewall with his chakras, giving him incantations to recite. Rosewall, for his part, hoped that Rottinger would practise “mind over matter” in order to help the firm escape insolvency.

「法廷証言によると、Rottingerは彼のチャクラでRosewallを支援し、復唱するための呪文を彼に授けていました。Rosewallとしては、彼女が会社を破綻から救ってくれるように、精神力で乗り切ってくれることを期待していました。」

mind over matter = 気力(精神力)で困難や恐怖、不安を克服する[乗り切る]

物理的な苦境を精神力で克服するといのは、戦前・戦中の大日本帝国の指導層の思考に似ています。日本人の強靭の超精神力がアメリカの圧倒的な物量を打ち砕くという精神論は、当時としては、多くの日本人に受け入れられていました。この場合は、溺れる者は藁をも掴むの心理だと思われます。

We might well ask how a character from Game of Thrones came to influence such large sums of money. But this question misses the point.

「我々が、ゲーム・オブ・スローンズの登場人物が、どのようにしてそのような大金を操るようになったのかを尋ねるのももっともなのですが、しかしながら、この質問は的外れです。」

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歴史と階級意識

In his 1923 masterpiece, History and Class Consciousness, Hungarian Marxist Georg Lukács explained that capitalism is a rationalistic and calculable economic system produced by humans, but which is divorced from our control and understanding. He called this reification.

「彼の1923年の最高傑作、歴史と階級意識において、ハンガリーのマルクス主義者ジョルジュ・ルカーチは、資本主義が人間によって作り出された合理主義的で計算可能な経済システムだと説明していますが、それは、我々のコントロールと理解と無縁になっています。彼はこれを物象化と呼んでいます。

物象化については、このサイト→疎外/物象化で説明されています。

自分が絶対に正しいと信念を曲げない人達はなぜそんなに頑ななのか?
独善的な人間というのは、自分達の信念を、例え、その道の専門家達が、その信念は誤っていますと優しく諭し、さらに、確たる証拠が、彼等の信念とは相反していたとしても、決して自分達の信念を曲げようとはしません。ケースウエスタンリザーブ大学による新しい研究が、社会にますます蔓延してきているように思える、宗教や政治などの個人的な信条に関する、極端な物の見方(捉え方)を説明するのに役立つかもしれません。

If you think about it, the market is really a series of (exploitative) human relationships. Yet, because it is out of our control, it dominates us. Lukács argued that economists try to comprehend rationally the laws of these institutions in the same way that scientists try to comprehend the laws of nature. However, because no individual capitalist, group of capitalists, or even nation can control the market, ultimately these attempts are doomed to failure.

「もし、あなたがそのことについて考えた場合、市場は実際にはひと続きの(搾取的な)人間関係だと気付くはずです。にもかかわらず、それは人間の支配が及ばないために、逆に人間を支配してしまっています。ルカーチは、科学者が自然法則の理解を試みるのと同じやり方で、経済家がこれらの制度の法則を合理的に理解しようとしていると主張しました。しかし、個々の資本家や資本家グループ、あるいは国家でさえ、市場をコントロールできないし、最終的にこれらの試みは失敗する運命にあります。」

自然の法則には当然人間のコントロールが及びませんが、経済システムは人間が作り出したものなので支配が当然及ぶはずです。とは言っても、親は子の製造主ですが、親は子供をコントロールできないし、時としてフランケンシュタインのように製造主に反逆します。人間が生産したからと言って必ずしも人間が支配できるとは限りません。それは金を作り出した人間が、金に完全に支配されているのと全く同じ原理です。金の集合体が資本主義だとすれば、結局は欲が人間を支配していることになり、人間の欲には際限がないので、とことん人を支配しようとするわけです。あらゆる社会システムが搾取的なのは、欲に支配される人々が富を蓄積する一方で、その富を生み出す人々に平等に分配しないからです。

This is why economists are powerless to prevent (or even predict) economic crisis. Capitalism – the most rationalistic system in human history – harbours deep irrationality. Wherever reason breaks down, irrational, mystical and magical world views can get a hearing.

「この事が、経済学者が経済危機を未然に防ぐことを(または予測することさえも)不可能にしている理由になっています。資本主義(人類史上最も合理主義的制度)は、重大な不合理を内在しています。どこであれ道理が崩壊すれば、不合理、超常的、魔法的な世界観が発言権を得るようになります。」

get a hearing in courtで裁判に持ち込む、みたいな意味合いになります。裁判で自分の言い分を述べる、みたいな感じです。get a hearingで言い分を聞いてもらう、発言の機会を得る、発言権を得るといった意味になります。

気候変動のような科学的事実を懐疑論者達に受け入れさせる方法
温暖化は今や多くの国々で科学的真実になっていて、パリ協定がそれを如実に物語っているわけですが、それにもかかわらず、世界中で未だに多くの人々が...
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怪僧ラスプーチン

This isn’t uncommon in history. As revolution approached and as he ran out of options, Tsar Nicholas II famously turned to the advice of Rasputin – an alcoholic, womanising monk. Irrationalism can also coexist comfortably with cold rationalism. In addition to presidents Nixon and Reagan (who weren’t famed for their solid grasp on reality – Reagan believed in astrology), Henry Kissinger is one of the highest profile members of the “Bohemian Club”, a secretive and highly selective club that organises regular country escapes that are reported to include bacchanals and bizarre rituals.

「この事は歴史上珍しい事ではありません。革命が近付いて、他に選択肢がなくなってしまったので、皇帝ニコラス二世は、周知のように、酒と女にだらしない僧であるラスプーチンのアドバイスに耳を傾けてしまいました。非合理主義もまた、非情な合理主義と快適に共存することができるのです。ニクソン、レーガン両大統領に加えて(確固たる現実主義者としては有名ではなかった、レーガンは占星術を信じていた)、ヘンリー・キッシンジャーは、バッカス信仰と奇妙な儀式を含むと報告されている定期的な田舎への逃避を開催している、秘密主義で非常に選択的なクラブであるボヘミアンクラブの最も著名なメンバーの1人です。」

regular country escapesで定期的な田舎への逃避と言った意味合いになります。都会の喧騒から離れ、閑静な田舎で命の洗濯をするみたいな感じなのではないでしょうか。bacchanalsはどんちゃん騒ぎ(乱痴気騒ぎ)、バッカス信者と言った意味のようです。

プーチン大統領がラスプーチンの末裔という噂があるので、本当だったとしたら、歴史の皮肉としか言えません。怪僧と言えば、日本にも道鏡がいますが、女帝であった孝謙天皇(称徳天皇)からの信任が非常に厚かったらしいです。

ジョージ・H・W・ブッシュがレーガノミクスをブードゥーエコノミー(呪術経済政策)と称したことはあまりにも有名ですが、背景にそういう事があったからなのでしょう。その息子のジョージ・W・ブッシュがアル・ゴア副大統領の経済政策(超有名な将来の社会保障のためのlockbox)をfussy math(曖昧な数学)と揶揄しましたが、ゴア大統領が誕生していたら歴史はどうなっていたのかと思わざるを得ません。

Today, the Burning Man festival has become a Mecca for ultra-wealthy Silicon Valley entrepreneurs who want to discover the joys of “radical self-expression” (read: get off their tits and dress like extras from Mad Max III).

「現在、バーニングマン祭が、過激な自己表現の喜びを発見したいシリコンバレー起業家の超富裕層達のメッカになっています。(ハメを外してマッドマックス3のエキストラ達のような格好をするという意味)」

バーニングマンフェスティバルはネバダ州で毎年行われている祭りのようです。

孤独感が人を自己中にし、身勝手さが人を孤独にする負のループ
10年以上にわたって行われた研究が、孤独感が身勝手さを増し、程度はそれよりは低いのですが、その身勝手さが同時に孤独感を増していることを示唆しています。シカゴ大学の研究者等によるこの発見が、そういった資質が、この2つの習性の間に正のフィードバック・ループを作り出していることを示しています。つまり、孤独感が増すと身勝手さが増し、その事が翻って孤独感をさらに増してしまうという、悪循環を形成してしまうことになります。

A little while ago, a visiting academic at La Trobe University gave a lecture describing a system of supercomputers owned by the biggest financial firms in the US. These computers make millions of automated trades per day, transacting hundreds of billions of dollars in tiny spaces of time. The algorithms that govern these computers are so complex and performed so rapidly that each company employs someone to keep an eye on things. This person’s job isn’t to guide the computers, but to pull the plug whenever they spiral out of control.

「少し前、ラ・トローブ大学で客員講師がアメリカで最も大きい金融機関に所有されているスーパーコンピュータシステムを説明しました。これらのコンピューターは1日に何百万という自動取引を行い、ほんの僅かな時間で、数10兆円の取引を行っています。これらの計算機を統率しているアルゴリズムはあまりにも複雑で、非常に高速で実行されているので、それぞれの企業は取引状況を監視するための人間を雇っています。この人の仕事はコンピュータをガイドするのではなく、それらが手に負えない状況に陥った時即座に電源を切ることです。」

HFT(高速取引)、algo trade(アルゴ取引)と言われるやつで、高速コンピュータ(スパコン)に複雑なアルゴを瞬時に計算させて、超高速で取引を完遂する、究極の取引形態とも言えます。素人はこれに対し、堅実に取引していくしかありません。

フェイクニュース、ポストトゥルース、我々は何を信じればいいのか?
最近やたらと、ある関係筋・情報筋、あるいは、あるトランプ政権担当官等、ソース不明の情報を使った出所不明のニュースが頻繁にネット上を飛び交っていますが、ほとんどがデタラメのフェイクニュースと言っても過言ではありません。実際、ほとんどの場合、トランプ政権は、こういった報道をフェイクニュースとして一蹴しています。

This is probably the purest embodiment of reification I have ever heard of. Explaining why her psychic approach works, Nevine Rottinger said: “We’re made up of electromagnetic energy. We can manipulate that field … to create better outcomes”.

「これは、たぶん、私が知る限り最もピュアな物象化の具体例だと言えます。彼女のサイキックアプローチが働く理由を説明する中で、Nevine Rottingerは、”私達は電磁エネルギーで構成されていて、より良い結果を生み出すようにそのフィールドを操作できるのです。”と言っています。」

purest embodiment of reificationは、物象化を最も純粋に体現しているとも訳せます。

She wasn’t too far off the truth. She just wasn’t as good at manipulating electromagnetic fields as a supercomputer. So, the fact that BBY traded stocks based on psychic advice isn’t an anomaly. Rather, it demonstrates that irrationalism is the truth of capitalist rationality.

「彼女は真実からそんなに逸脱してはいませんでした。彼女はただスーパーコンピューターのように電磁場を操ることが得意ではなかっただけです。なので、BBYが、サイキックアドバイスを基にして株売買をしていた事は異常な事ではありません。むしろ、それは非合理主義が資本家の合理性の真実であることを実証しています。」

人間の直感やサイキックパワーがアルゴ取引に負けたのではなく、そう言った非現実的なものを盲信した投資家の非合理性が、スパコンを駆使したアルゴ取引という超合理性に負けただけのことで、この事件は、人間の愚かさを具現化してくれています。

何故理系と無縁な人が脳内妄想だけで科学を全否定してしまうのか?
専門家でも何でもない理系とは無縁の存在の人が、自説を支持する科学的根拠を一切提出することなく、自身の脳内妄想だけで科学的に立証されている学説...
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