磁気単極子(モノポール)が遂に作り出された!?

磁気モノポール生成のための新たな材料コンビネーションが見つかったらしいです。単極子は地球上で生成する(観測する)のは不可能と一部で言われているので、さすがにそれはないだろうという感じですが、モノポールを作り出すことができたんでしょうか。できたらもっと大騒ぎになっているんでしょうけど、大騒ぎになっていないので、実際に単極子が観測されたわけではないことだけは確かです。ただ、気になるニュース記事ではあります。

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パーマロイ

Future information technologies: New combinations of materials for producing magnetic monopoles

The new materials system consists of regular arrays of superconducting YBaCuO-dots covered with an extremely thin permalloy film. A shortly applied external magnetic field leads to the creation of supercurrents within the superconducting dots. These currents produce a complex magnetic field pattern, which is inscribed into the permalloy film above. The results are published in Advanced Science.

「その新しい材料系は、極薄のパーマロイ膜で覆われたイットリウム・バリウム・酸化銅ドットの規則的配列で構成されています。短時間印加された外部磁場が、超伝導ドット内部に超電導電流を発生させます。この電流が、上部パーマロイ被膜に刻まれる複雑な磁場パターンを産み出します。その研究結果はAdvanced Science誌に掲載中です。」

supercurrentはスーパーカレント、超伝導電流、permalloy = パーマロイはイミフだったので調べてみました。パーマロイの性質

パーマロイは軟質磁性合金です。透磁性が非常に高く磁気を通し易い性質を有しています。磁気に対して敏感に反応する物質を強磁性材と云います。その感度 (=反応の割合)を透磁性(=permeability)といい、磁気の通り易さを表しています。透磁性の高いところには磁気が集まってきます。強磁性材である鉄ニッケル合金は、透磁的(=permeable)な合金(=alloy)という意味からパーマロイ(=Permalloy)と呼ばれるようになりました。

強磁性材である透磁的合金という意味のようです。

スカーミオン

Magnetic patterns such as monopoles or skyrmions (stable vortices) are promising options for fast and energy efficient data storage. However obtaining and manipulating such magnetic structures is not easy. Now, Dr. Sergio Valencia and his colleagues at HZB, in collaboration with the materials science institute of Barcelona, have discovered an interesting new materials system which could do the trick.

「モノポール、またはスカーミオン(安定渦)などの磁気パターンは、高速で省エネなデータストレージにとって将来有望な選択肢です。しかし、そのような磁気構造を獲得して操作することは簡単ではありません。現在、ベルリン・ヘルムホルツ資源エネルギーセンターの研究者はバルセロナの材料科学研究所と共同で、そのトリックを可能にする、興味深い新しい材料系を発見しました。」

スカーミオンを調べました。スカーミオンとは何ですか?

もともとは英国の素粒子物理学者のトニー・スカーム博士が、中間子の振る舞い、陽子など重粒子を理解しようと提唱したアイデアです。空間的に一様な秩序の ある物質の局所的な領域に、一様な秩序とは異なる、連続的に変化する構造があるというものです。2009年頃ドイツの研究グループが磁性体の中にスカーミオンが安定的に存在することを確認し、次いで理化学研究所のグループが電子顕微鏡でスカーミオンを可視化するなど、急激に磁気スカーミオンが注目され、研究が世界に広がっています。

スカーミオンは渦構造を持っているようです。

The samples consisted of regular arrays of superconducting YBaCuO-dots, approximately 20 micrometer in diameter and coming in different geometries. Valencia and his team covered these microstructures with an extremely thin film of ferromagnetic iron-nickel-alloy, a so called permalloy.

「その試料は、直径20μm程で様々な形状の超伝導イットリウム・バリウム・酸化銅ドットの規則的配列構造によって構成されています。チームは、パーマロイと呼ばれる、強磁性の・ニッケル合金極薄膜でこの微細構造を覆いました。

複雑な磁気パターン

The experiments were done at low temperatures (50 K), allowing the YBaCuO-dots to be superconducting. To change the magnetic domains inside the permalloy, an external magnetic field, perpendicular to the sample plane, was shortly applied. This external field, not enough to reorient the magnetic domains of permalloy, lead to the creation of a so-called supercurrent within the superconducting dots. Such superconducting currents do persist even after the removal of the external magnetic field and produce themselves a complex magnetic field pattern.

「実験は、イットリウム・バリウム・酸化銅が超電導になるように、極低温(50ケルビン・摂氏マイナス223度)で行われました。パーマロイ内部の磁区を変えるために、試料平面と垂直な外部磁界が手短に印加されました。パーマロイの磁区を再設定するには不十分であるこの外部場は、超電導ドット内部のいわゆる超伝導電流を発生させます。そのような超電導電流は、外部磁場の除去後も続き、複雑な磁場パターンを作ります。」

超低温下や超高圧、あるいは超高温下のような実用的でない条件下では、あまり魅力も旨味もないような気がしますが、どうなんでしょう。

It is this magnetic pattern, which does rearrange the magnetic domains of the permalloy film on top. It was possible, to reorient all domains pointing toward or away from a common centre, similar to magnetic monopoles. Valencia and his colleagues were able to map the magnetic domains of the permalloy by means of X-ray photoelectron emissions microscopy (X-PEEM and XMCD) at BESSY II.

「表面パーマロイ膜の磁区の位置を変えているのが、この磁気パターンです。磁気モノポールのように、全ての磁区を共通の中心へ向くか、離れるように向くかに方向を再設定することができます。研究チームは、BESSY IIで、X線光電子放出顕微鏡法を用いて、パーマロイの磁区をマッピングすることができました。」

pointing toward or away from a common centre = pointing toward a common center or pointing away from a common center

XMCD = X-ray magnetic circular dichroism (X線磁気円二色性)

Computer simulations reaffirm how such magnetic patterns are created in the permalloy film via the interaction with the superconducting dots. Choosing different geometries and arrangements of dots can produce and control a multitude of exotic magnetic patterns similar to monopoles as well as skyrmions, a type of stable vortex. “I am quite optimistic that it is possible to miniaturise such patterns to facilitate their implementation in magnetic memories, for example. What is more, we even have some ideas on how to stabilise such magnetic structures at room temperature”

「コンピューターシミュレーションは、そのような磁気パターンがどのようにして超伝導ドットとの相互作用によってパーマロイ膜で作られるのかを再確認しています。異なったドットの形状と配列を選ぶことが、安定渦の一種のスカーミオンはもちろん、モノポールと似た多数のエキゾチックな磁気パターンを作り出して制御することを可能にします。”私は、例えば、磁気メモリにそれらの実装を容易にするために、そのようなパターンを縮小化することが可能であると非常に楽観しています。さらに、我々は室温でそのような磁気構造を安定させる方法についてのいくつかのアイデアを持ってさえいます。”」

何と室温でもこの現象を実現できるかもしれないようです。室温超伝導ができない限りは不可能な気もしますが、もしかしたら室温超電導体まで視野に入れているなんて事はないとは思いますが、どのようにして、室温でこのようなエキゾチックな磁気パターンを作り出すことができるのか、非常に興味があります。単極子の生成や観測ではなく、磁気単極子に似た磁気構造を作り出すことを可能にした今回の研究は、今後の進展が非常に楽しみです。超高速磁気メモリーや高速デバイスの開発に期待したいです。

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