実用可能な原子サイズのトランジスタ!?

ロバート・ウォルコー氏は、超小型・超高速を極める事には長けています。(先端が原子レベルの針に対する)ギネス世界記録のおまけつきの、原子スケール科学分野の開拓者である、ウォルコー氏率いるチームが、ハンブルグにあるマックス・プランク研究所の協力者と共に、既存のものよりも何倍も小さい電気用原子スイッチの制作方法を詳述している研究結果を公表しています。それが何を意味するのか?シリコン半導体エレクトロニクスのような実用系用途で、それは、(もしあなたがそんなに強く目を細めて見ることができるなら)まさに我々の目前で徐々に明らかになっていく技術革命のほんの一例として、より小さく高効率でエネルギー節約型である事を意味しています。

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超極小トランジスタ

Electrical currents can be now be switched on and off at the smallest conceivable scale

“This is the first time anyone’s seen a switching of a single-atom channel,” explains Wolkow, a physics professor at the University of Alberta and the Principal Research Officer at Canada’s National Institute for Nanotechnology. “You’ve heard of a transistor—a switch for electricity—well, our switches are almost a hundred times smaller than the smallest on the market today.”

「”これが、誰もが単一原子チャネルのスイッチングを目にする初めての機会です。”と、アルバータ大学物理学教授でカナダの国立ナノテクノロジー研究所(NINT)の第一研究責任者のウォルコー氏は説明しています。”トランジスタの事は聞いたことがあると思います、電気のためのスイッチのです、それで、我々のスイッチは、今現在市場に出回っている最小の既存製品よりも、おおよそ100倍の小ささです。”」

既存の最小のトランジスタの100倍小さいという事は、単純計算で、同じ面積のダイに、100倍のトランジスタを集積できるということで、100億トランジスタが1兆トランジスタに跳ね上がる計算になります。性能が100倍になるというわけではないですが、コア数を100倍増やせれば、処理能力は飛躍的に上がります。

Today’s tiniest transistors operate at the 14 nanometer level, which still represents thousands of atoms. Wolkow’s and his team at the University of Alberta, NINT, and his spinoff QSi, have worked the technology down to just a few atoms. Since computers are simply a composition of many on/off switches, the findings point the way not only to ultra-efficient general purpose computing but also to a new path to quantum computing.

「現在の最も微小なトランジスタは、14ナノメートル水準で動作していて、それは未だに数千個の原子に相当します。ウォルコー教授の彼のアルバータ大学とNINTと彼のスピオンオフQSiのチームは、たった数個の原子まで減らせる技術を研究していました。コンピュータは単に、多数のオン・オフスイッチの構成物なので、その発見は、超高効率汎用計算の道順だけではなくて量子コンピュータへの方向性をも指し示しています。」

量子コンピューターに応用できるなら、かなり将来有望です。

超省電力

“We’re using this technology to make ultra-green, energy-conserving general purpose computers but also to further the development of quantum computers. We are building the most energy conserving electronics ever, consuming about a thousand times less power than today’s electronics.”

「”我々は、この技術を、超エコ、超省エネ汎用コンピューター作成と、量子コンピュターの開発を進めるために利用しています。我々は、既存の電子機器よりも約1000倍以下の電力しか消費しない、史上最も省エネな機器を作っています。”」

太陽光、大気熱、人体熱、振動などから電気を作り出す自家発電電子機器の登場も近いと言われていますし、1000倍省エネなら、少なくともこのトランジスタで作られたパーツは、電力はほぼ消費しないと見なせます。

While the new tech is small, the potential societal, economic, and environmental impact of Wolkow’s discovery is very large. Today, our electronics consume several percent of the world’s electricity. As the size of the energy footprint of the digital economy increases, material and energy conservation is becoming increasingly important.

「新技術は小さいですが、ウォルコー氏の発見の潜在的な社会的、経済的、環境的インパクトは非常に大きいです。今日、我々の電子機器は、世界の電気の数%を消費しています。デジタル経済のエネルギーフットプリントの大きさが増すに連れ、材料とエネルギー節約はますます重要になってきています。」

サムスン社のバッテリー問題を見れば分かるように、バッテリーが必要ない機器が理想なのですが、今後はそういう方向に進んでいくはずです。うざい充電とかバッテリーが逝って機器も使えなくなるような事はなくなります。

量子計算機にも転用可能

Wolkow says there are surprising benefits to being smaller, both for normal computers, and, for quantum computers too. “Quantum systems are characterized by their delicate hold on information. They’re ever so easily perturbed. Interestingly though, the smaller the system gets, the fewer upsets.” Therefore, Wolkow explains, you can create a system that is simultaneously amazingly small, using less material and churning through less energy, while holding onto information just right.

「ウォルコー氏は、普通のコンピュータと量子コンピューター双方にとって、より小さくなることへの意外な効果が存在すると言っています。”量子系は、それらの脆弱な情報持続性を特徴としています。それらは非常に簡単に混乱されます。面白いことですが、系が小さくなればなれほど、混乱がどんどん少なくなります。”、従って、しっかり情報を保持する一方で、同時に少ない材料を使い、少ないエネルギーでよく動く、驚くほど小さな系を作ることができますとウォルコー氏は説明しています。」

When the new technology is fully developed, it will lead to not only a smaller energy footprint but also more affordable systems for consumers. “It’s kind of amazing when everything comes together,” says Wolkow.

「新技術が完成した暁には、エネルギーフットプリントがもっと少なくなるだけではなく、消費者にとって、もっと価格的に手頃なシステムをもたらします。”全てが良い方向に進むので、一種の驚きです。”とウォルコー氏は語る」

Wolkow is one of the few people in the world talking about atom-scale manufacturing and believes we are witnessing the beginning of the revolution to come. He and his team have been working with large-scale industry leader Lockheed Martin as the entry point to the market.

「ウォルコー氏は、原子スケール加工について話す世界でも数少ない1人で、人間が来るべき革命の始まりを目撃すると信じています。彼と彼のチームは、市場参入への入り口点として大規模産業リーダーのロッキード・マーティン社と協働しています。」

ロッキード・マーチン社と言えば、田中角栄ではなく、D-WAVE社とも協力関係を結んでいるので、量子計算機にかなり執着があるみたいです。

“It’s something you don’t even hear about yet, but atom-scale manufacturing is going to be world-changing. People think it’s not quite doable but, but we’re already making things out of atoms routinely. We aren’t doing it just because. We are doing it because the things we can make have ever more desirable properties. They’re not just smaller. They’re different and better. This is just the beginning of what will be at least a century of developments in atom-scale manufacturing, and it will be transformational.”

「”それについて、あなたはまだ耳にさえしていませんが、原子スケール加工は、世界を変えるようになります。人々はそれは無理だと思っていますが、しかし、私達はすでに日常的に原子から物を作り出しています。私達は、ただ単にできるという理由だけでそれをしているのではありません。私達は、私達が作り出す物が、これまで以上の価値ある性質を持つためにそれをしています。それらはただ小さいだけではありません。それらは、他とは異なりより優れています。この事は少なくとも、原子スケール加工における開発の世紀になるだろうことのほんの始まりにしか過ぎず、転換点になるでしょう。”」

物凄い自身ですが、原子スケール加工はまだまだ始まったばかりらしいので、今すぐどうにかなるような技術ではないようです。なので、トランジスタを数兆個積んだCPUやGPUが登場するのはまだまだ先の話みたいです。原子レベル加工に使うための、リソグラフィ技術も進歩する必要があるので、この辺の兼ね合いで、開発はかなり遅れそうな気がしますが、全くの門外漢なのでよく分かりません。

原子サイズ、原子1個分のトランジスタは過去にも何度か伝えられていますが、実用性がない理論レベルの話だったのですが、今回は実用性があるような感じなので、相当期待できるのではないでしょうか。原子スケールでの加工は相当難しそうですが、微細化技術のギネス記録を持つ教授なら何とかしてくれそうな気がします。

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