CMOSを凌駕するスピン波多数決ゲート

磁性と磁性材料に関する年次会議で、ナノエレクトロニクスとデジタル技術において世界トップレベルの研究・技術革新センターのimec(大学間マイクロエレクトロニクスセンター)が、スピン波に基づく多数決ゲート関連技術の構築を後押しする画期的な研究成果を提示しました。超低電力のCMOS(相補型金属酸化膜半導体)を超える技術に欠かせない2つの業界初の偉業の報告で、imecは、サブミクロンサイズの磁気導波管で、500ナノメートル幅の導波路中を10マイクロメートル以上進む、350ナノメートルより小さい波長を持つスピン波の生成と検波を実証し、ナノスケールスピン波構造における、多数決演算のためのモデルを提案しました。

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多数決ゲート

Imec reports breakthrough work that advances path for nanoscale spin-wave majority gates

Spintronic majority gate devices are promising alternatives to CMOS technology for certain applications, for example for arithmetic circuits. Majority gates are devices where the state of the output is determined by the majority of the inputs: if for example more than 50 percent of the inputs are true, the output has to return true.

「スピントロニクス多数決ゲート装置は、特定用途用、例えば演算回路用のCMOS技術の有望な代替です。多数決ゲートは出力状態が過半数入力によって決定される装置です。例えばもし50%を上回る入力が真なら、出力も真である必要があります。」

入力が過半数になるまで結果を返さないのか、入力されたデータのうち一番多い結果を出力するのか、よく分かりませんが、多数決なので、多数なものが返されると思われます。

スピン波多数決ゲート

The output of the spin-wave majority gate is then based on the interference of multiple that propagate in a so-called spin-wave bus, or waveguide. When miniaturized down to the nanoscale, spin-wave majority gates could enable arithmetic circuits that are much more compact and energy-efficient than CMOS-based circuits.

「スピン波多数決ゲート出力は、そういうわけで、世間で言うところのスピン波バス、または導波管内を伝播する複数スピン波の干渉に基いています。ナノスケールまで縮小された場合、スピン波多数決ゲートは、CMOS系回路よりはるかに小型でエネルギー効率が良い演算回路を可能にするかもしれません。」

spin-wave busはデータバス(data bus)のバスの事です。

Imec, in collaboration with the University of Kaiserslautern and Paris-Sud University, studied spin-wave propagation in a 10nm thick magnetic waveguide. Importantly, they found that spin waves, excited by an RF-driven antenna, can travel more than 10 micrometers in a 500nm wide waveguide. In a second experiment, they developed an all-electrical detection method for characterizing propagating spin waves in a magnetic bus. Spin waves with wavelengths as miniscule as 340nm could be detected—more than two times smaller than previously achieved industry results—paving the way towards scaled spin-wave conduits.

「Imecは、カイザースラウテルン大学とパリ第11大学と共同で、10ナノメーター厚の磁気導波管でスピン波伝播を研究しました。重要なのは、彼等が、高周波駆動アンテナによって励起されたスピン波が、500ナノメートル幅の導波路内を、10マイクロメートル以上も進めることを発見したことです。2番目の実験で、彼等は、磁気バス内を伝播するスピン波を特徴付けるために、全電気的検出法を開発しました。340ナノメートル程度の非常に短い波長を持つスピン波は検知可能で、これは過去に達成された工業的結果の2倍以上小さく、スケーリングされたスピン波コンジットへの道を開きます。」

spin-wave conduit = スピン波管、スピン波導管、スピン波路

Through micromagnetic simulations, the operation of a nanoscaled fork-like spin-wave majority structure was successfully demonstrated. At these small dimensions, magneto-electric cells are used instead of antennas to excite and detect the spin waves. The proposed detection scheme allowed imec to capture the majority phase result of the spin-wave interference in a very short time frame, which was less than three nanoseconds.

「マイクロマグネティックシミュレーションを通して、ナノスケールのフォーク状スピン波多数決構造は、成功裏に実証されました。こういった小サイズでは、磁気電気電池が、スピン波を励起させて検出するために、アンテナの代わりに利用可能です。提案されている検知スキームは、imecが、3ナノ秒未満の非常に短い時間枠で、スピン波干渉の多数決位相結果を得ることを可能にしています。」

3ナノ秒とかピコ秒とか、どうやって計測するんでしょう。

CMOSを超える

“Spin-wave majority gates with micro-sized dimensions have previously been reported, however, for them to be CMOS-competitive, they must be scaled and handle waves with nanometer-sized wavelengths,” stated Iuliana Radu, distinguished member of technical staff coordinating Beyond CMOS at imec. “We propose here a method to scale these spin-wave devices into nanometer dimensions. Today’s exceptional results will open routes towards building spin-wave majority gates that promise to outperform CMOS-based logic technology in terms of power and area reduction.”

「”マイクロサイズ次元を持つスピン波多数決ゲートは、過去にも報告されていますが、それらがCMOSと競合するには、スケーリングされて、ナノメートルサイズの波長で波を扱う必要があります。”と、ラドゥは述べた。”我々は、ここで、こういったスピン波装置を、ナノメートルの次元へ縮小する方法を提示しています。今日の卓越した研究成果は、能力と断面収縮に関して、CMOS系論理技術をしのぐ見込みがある、スピン波多数決ゲート構築への道を切り開いてくれるはずです。”」

エレクトロニクスからスピントロニクスへの転換点となる、革命的な技術革新がなされたようです。スピン波多数決ゲートを演算回路として利用することで、CMOS系演算回路をはるかに上回る、電力効率、計算速度、小型化が可能になり、恐らく、今より数倍、あるいは数十倍高性能で、バッテリーレスで、折り畳めるスマホやノーパソやタブレットが、近い将来、破格の値段で入手できるようになり、しかも、人工知能を搭載した、今とは比べ物にならない、超絶ユーザーフレンドリーなものになります。

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