DVD100万枚分の夢の記録媒体が試作されるかも!?

DVD100枚分の記憶容量の、この夢の記憶媒体は3年以上前に、日本でもかなり話題になりましたが、その後、いつまで経っても実用化のニュースが聞かれず、結局はホログラフィックメモリの二の舞いかと思っていましたが、今回いよいよ試作段階に漕ぎ着けたというニュースが入ってきました。試作品を作る計画が持ち上がっているようです。

研究室で生まれた技術が実用化されるのは非常に稀で、ほとんどが机上の空論で終わってしまうのですが、今回の技術だけは何とか実用化に持っていってもたいたいものです。それだけパソコンの未来を大きく変える可能性のある素晴らしい技術だからです。

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1ゼタバイトはDVD2500億枚分

New technology of ultrahigh density optical storage researched at Kazan University 「カザン大学で研究中の超高密度光ストレージ新技術」

現段階での概算見積もりによると、2020年までに、何と、数十ゼタバイト(1ゼタバイトは270、1021、10垓バイト)の情報をどこかに保存する必要があるらしいです。これはDVD10兆枚分になるらしく、世界の10億人の人々が毎日10枚DVD(あるいは、ブルーレイディスク1枚)を焼いていったとしても、1000日もかかる計算になります。もちろん、焼いている間にも情報量は指数関数的に増えていくので、とても追い付きません。そのうちのどの程度の情報が、本当に保存する価値のある情報なのかは分かりませんが、これだけの量の情報を記憶するための、新しい記憶媒体が必要みたいです。

回折限界

単一原子・分子を基本的なメモリー素子として利用することを容易にする、新しい物理的原理を発見する必要があります。この事はレーザーの力を借りることで達成可能なのですが、既存の光学式記憶法では、回折限界(~500 nm)の制限があるので、個別の記憶容量は、大雑把に言って、最大でも、10平方センチメートルにつき1Gバイト程度です。

その制限は、単一分子の空間的配向を操作できる、高度に局在化したレーザーを利用することで回避可能です。このケースでの予測される記憶容量は最大で10平方センチメートルにつき1ペタバイトで、標準的なDVD約100万枚に匹敵します。光ナノアンテナと光ナノ共振器の助けを借りて、回折限界を超える放射を制御することは、3つの直近の研究分野(耐熱性プラズモン、有機太陽電池、近接場光メモリ)の土台になっています。それら全てが、ロシアのカザン連邦大学で、現在開発されています。

サブ回折局在化と光場増強のおかげで、単分子検出技術が、猛烈な勢いで現在開発されています。この技術を、近接場光記録に利用する研究チームも出てきています。彼らの研究論文が、2016年11月のNanoscale誌に掲載されています。その論文の著書達は、先端増強ラマン散乱効果を用いた、光ストレージの新しい原理を提案しています。

アゾ染料

レーザー光線の局在化は、(ラジアル偏光・アジマス偏光)径偏光・方位角偏光を持つ集光レーザービームによって照射された光学アンテナによって達成されています。今回の研究で使われている手法は、アゾ染料の高分子薄膜の光学異方性(ACS Photonics誌に掲載された)を利用して開発されました。このアゾ染料は、偏光下で、偏光方向と垂直に配向されています。この事には、近接場偏光が、光アンテナの形状と材質に左右されるので、達成するのにちょっとしたコツが必要なことが分かっています(Physical Review誌参照)。

Switching between radial and azimuthal polarization capacitates the recording of optical information in the azo-dye absorption band and reading beyond that band. The switching speed depends on the local mobility of the dyes in glassy environment – a parameter that for polymer films is critically dependent on their thickness.

「ラジアルとアジマス間の切り替えが、アゾ染料吸収バンドでの光情報の記録とそのバンド域を越えて読み出しを行うことを可能にしています。その切り替え速度は、ガラス状環境における、その染料の局所移動度(ポリマーフィルムが自身の厚さに決定的に依存しているパラメーター)に依存しています。」

軌道角運動量

The team plans to create a prototype of organic near-field optical memory of up 1 Pb/dm2 density. The following advances in subdiffraction technology will be linked to laser beams with orbital momentum — such research may further down the road help additionally increase storage density.

「チームは、最大1ペタバイト/デシ平方メートル密度の有機近接場光メモリーの試作品を製造する計画を立案しています。サブ回折技術分野で次に起こる進歩は、レーザー光線と軌道角運動量を関連付けることになるのでしょうが、そういった研究が、この先、さらに記憶密度を増加させるのに一役買うかもしれません。」

軌道角運動量について調べてみました。光渦とは?

光渦とは,軌道角運動量をもつ新しい光です。従来のレーザービームは軌道角運動量がゼロの状態であると考えることができますが,理論的にはレーザービームはマイナス無限大からプラス無限大までの任意の整数次の軌道角運動量(nℏ:nは整数)を持つことができます。今まで私たちは,レーザービームが取れる無限個の可能性の中のたった一つの状態(軌道角運動量がゼロの状態)にしか注目してきませんでした。

つまり、いろいろな軌道角運動量を持つレーザーを開発する事で、今までのレーザー技術では想像すらできなかった事が可能になるということなのかもしれません。

超高速大容量メモリの未来

Optical disks with petabit capacity will majorly change the efficiency and productivity of cloud services and data centers and disrupt the global storage market. The development of big storage is linked with energy-independent high-speed memory technologies that aim to unite the advantages of random access memory and archive memory. Alternative memory types, such as quantum memory, spin-transfer torque memory, memristors, and ferroelectrical memory, are all still far from practical use.

「ペタビット容量を持った光ディスクは、クラウドサービスとデータセンターの効率性と生産性を大きく変え、地球規模でストレージ市場を大混乱させるでしょう。大容量記憶装置の開発は、RAM(ランダムアクセスメモリ)とアーカイブメモリの長所を一体化することを目標とした、エネルギー独立・高速メモリー技術に関連しています。量子メモリ、スピン注入磁化反転メモリ(STT-RAM)かスピン注入RAM(SPRAM)、あるいは、スピン転送トルクメモリ、メモリスタ(メモリスター)、強誘電体メモリ(FeRAM)などの、代替えメモリ型式は、その全てがまだ実用化には程遠い存在です。」

DVD100万倍分の大容量メモリの試作品の開発に着手するみたいですが、試作品が完成して、それが量産されるまで後どれくらいかかるのかは未知数です。ホログラフィックメモリの時も試作品は完成していて、後は量産みたいな感じだったのが、結局未だに実現されていないので、この技術も立ち枯れする可能性は大です。ホログラフィックメモリーの方が先に量産される可能性が高いので、そっちに期待した方が良さそうです。

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