機械学習で2次元材料の予測モデリング構築

機械学習は、データ中のパターンをコンピュータに学習をさせて、新しい予測をさせる事に焦点を当てた分野で、医者がより正確に病気を診断したり、株式アナリストが金融市場の浮き沈みを予測する手助けをしています。今回、材料科学者達が、新材料の発見・開発を加速させる、機械学習用の有力な活用法を新たに開拓しています。

共に、米エネルギー省アルゴンヌ国立研究所のエネルギー省科学局ユーザー施設である、ナノスケール材料研究センターと先進フォトンソース(先進放射光施設)の研究者達が、ナノ材料の物理的、化学的、力学的な性質を正確に予測するための、機械学習ツールの活用術を公表しました。The Journal of Physical Chemistry Letters  に掲載された研究論文の中で、アルゴンヌの計算科学者サンカラナラヤナン氏率いる研究者チームが、錫の1原子厚シートで構成されている2次元材料、stanene(スタネン)の熱的性質を正確に予測している、初の原子レベルの模型を作り出すための、彼らの機械学習ツールの活用法を説明しています。その研究は、機械学習を応用した、過去のモデルと比べ、材料特性をより正確に予測する、材料モデリングへのアプローチを、初めて明らかにしています。

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予測モデリング

Machine learning enables predictive modeling of 2-D materials

“Predictive modeling is particularly important for newly discovered materials, to learn what they’re good for, how they respond to different stimuli and also how to effectively grow the material for commercial applications — all before you invest in costly manufacturing,”

「予測モデリングは、それらが何に効果的なのか、それらがどのように色々な刺激に反応するのか、または、商用アプリ用にその材料を効率的に成長させる方法を、コストのかかる製造に投資する前に知る事が、新たに発見された材料にとっては特に重要です。」

モデル構築

従来、原子スケールの材料モデルは開発するのに数年を要し、研究者は、モデル構築の基礎となるパラメーターを特定するために、主に自身の直感に頼る必要がありました。しかし、機械学習アプローチを利用することで、研究者等は、正確なモデルを巧妙に作るための時間を数ヶ月まで短縮する一方、人のインプットの必要性を減らす事ができました。

“We input data obtained from experimental or expensive theory-based calculations, and then ask the machine, ‘Can you give me a model that describes all of these properties?'”

「我々は、実験や高価な理論に基づいた計算から得たデータを入力した後で、機械に対して、’これらの’性質の全てを説明するモデルを構築できますか?’と尋ねます。”」

コンピュータの速度次第では、数ヶ月どころか、数時間、あるいは、数分、数秒で処理が完了するのかもしれません。全てはマシンパワーに依存しているっぽいです。

“We can also ask questions like, ‘Can we optimize the structure, induce defects or tailor the material to get specific desired properties?'”

「”我々は、同様に、’特定の所望する特性を得るために、構造を最適化したり、欠陥を誘発したり、材料を調整することができますか?’と質問することができます。”」

機械学習モデル

ほとんどの過去のモデルとは違って、機械学習モデルは、結合生成と結合破壊過程を正確に捉えることが可能です。この事は、より信頼性の高い材料特性(例えば、熱伝導など)の予測をもたらすだけではなく、研究者に化学反応を正確に把握させ、彼らが、特定材料の合成方法をもっと効率良く理解することを可能にしてくれています。

Another advantage of building models using machine learning is the process is not material-dependent, meaning researchers can look at many different classes of materials and apply machine learning to various other elements and their combinations.

「機械学習を利用してモデルを構築するためのもう一つの利点は、そのプロセスが、材料依存ではないという事で、研究者が、色々なクラスの材料に注目することができ、機械学習が、さまざまな元素やそれらの組み合わせに適用可能なことを意味しています。」

通常のモデルはある特定の材料用に構築されますが、機械学習モデルは、機械に必要な性質を持った材料を要求することができるので、色々なモデルが構築可能なようです。

今回研究者達が開発した計算モデルは、近年、研究者達の目を引いている、スズでできた構造体のスタネンについて説明しています。スタネンへの関心は、魅力的な、電子的・熱的・機械的(力学的)性質を持った炭素の単層配列、グラフェンの2004年の発見に端を発している、2次元材料への関心の高まりを映し出しています。スタテンは今のところ商品化とは無縁の存在ですが、研究者は、それが、一部のナノスケールデバイスに対する温度管理(熱の制御)用途に、将来的に使えそうだと考えています。

スタテンとかゲルマネン、シリセンなどの、Ⅳ族元素2次元材料が近年注目を浴びているみたいです。今後もこの機械学習を使ったモデリングを利用することで、新しい2次元材料がどんどん開発されていくことが期待されています。機械学習を使えば、モデリング化が10分の1の時間で可能なので、作業が10倍効率化されます。量子計算機を搭載した人工知能が開発されれば、現在世界最高速のスパコンを使って1兆年かかる、シミュレーション、モデリングなどの演算が、1秒足らずで完了するらしいので、将来的に人工知能が、癌の特効薬、室温超電導体などを発見することが、一部で期待されています。

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