トポロジカル絶縁体に電子専用道路を作り出す

ビュルツブルク大学の物理学者が、特異型のトポロジカル絶縁体において驚くべき発見をしたみたいです。その作用は、研究に使われた物質の構造によるとの事です。彼等の研究は、現在、サイエンス誌に掲載されています。ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング紙によると、トポロジカル絶縁体は、現在、物理学の熱い話題らしいです。

ほんの数週間前にも、それらの重要性が、ストックホルムのスウェーデン王立科学アカデミーが、今年のノーベル物理学賞を3人のイギリス人物理学者に、彼等の所謂トポロジカル相移転と呼ばれるやつと物質のトポロジカル相に関する研究に対して授与した事で、再び脚光を浴びるようになりました。また、トポロジカル絶縁体は、ビュルツブルク大学の実験物理学Ⅱ・理論物理学Ⅰ学科でも研究されていますが、彼等は、トポロジカル結晶絶縁体(TCIs)と呼ばれる特殊なバージョンの絶縁体に焦点を当てています。

ワルシャワにあるポーランド科学アカデミーとチューリッヒ大学と共同で、ビュルツブルク大の研究者達は、現在、超重要な新発見を見事に達成しています。彼等は、この種の絶縁体において、物質の新しい電子状態を検出することに成功しています。

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電子を方向づけるステップエッジ

重要な成果:結晶質が割れると、小さな原子レベルで平坦なテラスが、ステップエッジによって左右に分けられている分離面に出現します。これらの構造体の内部には、たったの10ナノメートルくらいの極狭で、驚くほど外部擾乱に対して頑強な、電流専用伝導路を形成しています。電子は、両方向用に別々の車線を持つ自動車道路によく似た、相対する方向に、異なるスピンで、この導電路を移動します。この特殊なエフェクトが、この物質を、超高速でエネルギー効率に非常に優れたコンピューター等、未来の電子部品分野における技術的応用のための、とても興味深い存在にしています。

“TCIs are relatively simple to produce and they are already different from conventional materials because of their special crystalline structure,”

「トポロジカル結晶絶縁体は、作り出すのが比較的簡単で、それらの特殊な結晶構造のおかげで、従来の物質とは既に異なっています。」

Moreover, these materials owe their special quality to their electronic properties: In topological materials, the direction of spin determines the direction in which the electrons travel. Simply put, the “spin” can be interpreted as a magnetic dipole that can point in two directions (“up” and “down”). Accordingly, up-spin electrons in TCIs move in one and down-spin electrons in the other direction.

「加えて、この物質固有の性質は、自身の電子物性のおかげでもあります。位相材料(トポロジカル物質)では、スピンの方向は、電子が移動する方向に左右されます。簡単に言えば、スピンは、二方向(上向き・下向き)を指す磁気双極子として解釈できます。というわけで、TCI中の上向きスピン電子と下向きスピン電子は別方向に動いているのです。」

全ては原子層の数次第

“But previously scientists didn’t know how to produce the conductive channels required to this end,”

「しかし、過去においては、科学者たちは、この目的を達成するためにはなくてはならない、この導電路を作り出すための方法を知らなかったのです。」

研究者が、現在、正しい方向に向かっているのは幸運でした。彼等は、結晶絶縁体、セレン化鉛すず(PbSnSe)を割ると、非常に狭い電導路が自然発生する事を発見しました。

Step edges on the fragments’ surfaces cause this phenomenon. They can be imaged using a high-resolution scanning tunnelling microscopy, or more precisely, the height of the corresponding step edges. “Edges that bridge an even number of atomic layers are totally inconspicuous. But if the edges span an odd number of atomic layers, a small area about 10 nm in width is created that has the electronic conductive channels properties we were looking for,”

「破片の表面のステップエッジが、この現象を引き起こしています。高分解能走査トンネル顕微鏡を用いて、それらを、あるいはもっと正確に言えば、対応するステップエッジの高さを画像化することができます。”偶数の原子層を橋渡しするエッジは、全く注意を引きませんが、もし、エッジが、奇数の原子層を橋渡しする場合、我々が探し求める、電子伝導路性質を持つ、幅にして約10ナノメートルの狭いエリアが作り出されます。”」

パターンはエッジで途切れる

理論物理学Ⅰ学部とチューリッヒ大の同僚達の支援を受けて、実験物理学者達は、この新しい電子状態の起源を明らかにする事ができました。その原理を理解するために、ちょっとした空間感覚が必要です。こういった結晶構造は、チェスボード上の黒と白の正方形のように、異なる元素が交互に入れ替わる原子層をもたらします。この交互の黒・白パターンは、隣接した正方形と互いに下と上に位置している正方形の双方に適用されています。

So if the crack of this crystal runs through different atomic layers, more than one edge is created there. Seen from above, white squares may also abut to other white squares along this edge and black squares to other black squares – or identical atoms to identical atoms. However, this only works if an odd number of atomic layers is responsible for the difference in height of the two surfaces.

「なので、もし、この結晶の割れ目が、相違する原子層に広がっている場合、1個以上のエッジがそこでは作り出されています。上から見ると、白い枡は、このエッジ沿いの別の白枡とも境を接していて、黒い枡は、別の黒枡、または、同質原子が同質原子と、境を接しているように見えるかもしれません。しかし、こういった事象は、奇数の原子層が、2つの表面の高さにおける差異を引き起こしている場合にのみ起こり得ます。」

計算による裏付け

計算が、表面におけるこのオフセットが、実際に、こういった今までにない電子状態の原因になっていることを証明しています。さらに、それらは、トポロジカル物質(位相物質)の特性である、スピンに依存した導電路の現象が、同じようにここで起こっていることも証明しています。科学者によると、この特性は、こういった導電路が、一方では低伝導損失をもたらし、他方ではスピントロニクス分野で、情報を伝送したり処理したりするのにそのまま使えるので、特に今回の発見を、潜在用途に対して適切にしているようです。

However, several questions need to be answered and challenges to be overcome before this will become reality. For instance, the scientists are not yet sure over which distances the currents in the newly discovered conductive channels can be transported. Also, in order to be implemented in circuits, methods would have to be developed that allow creating step edges of a defined height along specified directions.

「とは言っても、こういった可能性を実現するには、いくつかの問題を解決する必要があり、乗り越えなければならないチャレンジが存在しています。例えば、科学者達は、今回新たに発見された伝導路内の電流の輸送可能距離を、まだ完全には把握できていません。また、回路内に実装するためには、決められた方向に沿って、予め規定された一定の高さのステップエッジを作り出せる手法を開発する必要があります。」

一方通行の道だと、電子が衝突したり、車線が分かれていても、逆走してくる電子があれば衝突したりしますが、電子が流れる方向を厳格に規定できれば、衝突事故はなくなります。なので、電気抵抗が減り、発熱も減り、超高速でエネルギー効率の高い電子部品を作れるようになるみたいです。トポロジカル結晶絶縁体を使うことで、電池の持ちが良い、高速なパソコンが開発されるようになり、消費者が幸せになることができます。

引用サイトElectron highway inside crystal

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