東日本大震災によるPTSD等の精神的健康被害が未だ多いようです

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ヴォルタース・クルーワーが出版しているHarvard Review of Psychiatry誌の1・2月号の包括的な研究レビューによると、日本の壊滅的な2011年の地震、津波、そして結果として起こった核災害が、被害に遭った人々の心の健康に大きな影響を与えています(いくつかの影響は5年以上経った今でも残っています)。

東日本大震災に関連した心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状は、時間とともに改善されてきていますが、根強いうつ病の問題の証拠が存在していると、東京都医学総合研究所の安藤俊太郎博士とその同僚等による詳細な調査が報告しています。彼等の調査結果は、特定地域と長期に渡るメンタルヘルスサポートに対する特別なニーズを持っているかもしれない災害犠牲者のグループに注目しています。

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3重災害による精神健康被害

High rates of PTSD and other mental health problems after great east Japan earthquake

2011年3月のマグニチュード9.0の地震が、北日本の太平洋沿岸で発生しました。その巨大地震による津波が、福島第一原子力発電所に損害を与え、他の局所的な破壊に加えて大きな核による惨事をもたらしました。この過去に前例のない、トリプル災害から4年経った今でも、80,000人を超える人々が、未だに仮設住宅に入居しています。

東日本大震災のメンタルヘルスに及ぼす影響を評価するために、安藤博士等は、災害の影響を受けたエリアにおける精神衛生問題の種類、重症度、患者数に関する42に及ぶ研究論文報告を分類して分析しました。その分析には、長期にわたる精神衛生上の問題とそういった問題を産み出している危険因子の情報と傾向を含んでいます。

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PTSD患者が1割増し

外傷後症状を調査した全ての研究で、PTSD患者数が10%かそれ以上多かったです。うつと子供の行動問題もまた高い頻度でした(推定値は、異なる基準やカットオフポイントを使うことにより大幅に変化しますが)。

長期的な健康衛生問題におけるトレンドを調査する研究において、心的外傷後ストレス症状は、改善傾向、あるいは、とにかく悪化はしない傾向にありました。対照的に、うつ症状は、フォローアップ(追跡調査)の間、しつこく残り続ける傾向にありました。

精神健康上の問題に対するリスクファクターには、日常生活の再定住、持病、小さい社会的ネットワークサイズを含みます。心的外傷後ストレス反応に関する報告されている罹患率は、破壊された原子力発電所が位置する福島県で高めでした。

スイサイドは当初上昇し、その後、地震から2年後に減少していますが、福島のスイサイド率は、隣県とは大違いで、災害前水準に比べると依然高止まりしたままです。

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長期的なサポートが必要

自然災害は、潜在的に長期にわたる影響を伴う精神健康問題のリスクを上昇させることで知られています。その規模と類のない特徴のせいで、東日本大震災は、過去の災害と比べて、より大きな精神衛生上の影響を与えている可能性さえあります。

The results add to previous studies showing a high prevalence of PTSD and other mental health problems after this unique disaster. “The prevalence and severity of mental health problems seemed to be higher in Fukushima than in other prefectures, and some specific risk factors were reported for the region,” Dr. Ando and colleagues conclude. The results suggest the need for long-term mental health support in Fukushima–perhaps especially targeting evacuees who are still living in temporary housing.

「調査結果は、この独特の災害後の高いPTSD有病率や他の健康衛生問題の蔓延を示す過去の研究を補強しています。”精神衛生問題のまん延と重篤性は、他の県と比べ、福島県で高いように思えますし、いくつかの特定危険因子がその地域で報告されています。”と安藤博士等は結論付けています。今回の調査結果が、福島県、おそらく、特に、未だに仮設住宅で暮らしている避難者たちを対象にした、長期にわたる精神衛生上のサポートが必要であることを示唆しています。」

PTSDや鬱病などの精神疾患に対する、長期にわたるケアが肝要なようです。特に福島県の避難者に対する精神的なサポートが要求されているみたいです。ネットなんかを見ていると、原発周辺に住んでいた人々は原発利益で散々潤い、災害後もこれでもかという手厚い保護を受けまくっていると批判めいた意見が目立ちますが、住み慣れた土地を追われた人々の精神的な衝撃を考えた場合、世の中には金銭的な保障だけではどうにもならない問題もあるという事を知らない人間がいることに愕然とさせられます。災害によって大切なものを全て失ってしまった人達の心情を考えると、彼等が精神的なサポートが必要な理由が分かります。東日本大震災から今年で6年経ちますが、物理的な復興は果たせても、精神的な復興の方は、多くの被災者たちにとっては、まだまだ遠い道のりのようです。もちろん、未だに仮設住宅暮らし(39000人)の人達にとっては、物理的復興も遠い道のりです。地震大国の日本はいつ自分が被災者になるか分かりません、被災者に対するケアは将来的に自分達に対するケアだと思ってこの問題を考えるべきとの意見もあります。

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