トランプワールド:自分だけの真実というのは成り立つのか?

トランプ氏は自分だけの真実が真実と信じ切っていると、多くの人々が氏を批判しています。トランプ氏が本気でそれが真実と信じているのか、嘘も百回言えば真実になるを実践しているのかどうかは分かりませんが、自分が真実と見なしたものだけが真実と思い込むことは、トランプ氏が体現したpost-truth politics (大衆迎合政治)において、氏の勝利によって市民権を得たとも言われています。大衆を扇動するためには真実は必要なく、誇張と虚言を繰り返す事で、それがmeme(ミーム)になって、大衆の心を掴むという訳です。

スポンサーリンク

自分だけの真実

自分の過去は自分だけしか知らないとは言っても、実際には、本人さえもほとんど正確には覚えていません。なので、人の過去における真実は、ほとんどのケースで、その人の都合のいいように書き換えられていると言っていいでしょう。その人の過去を知る人間が出てきたとしても、その人間が言っていることが真実だという保証も証拠も何もないのが現実です。ビデオテープがあれば話は別ですが、トランプ氏のように、例えビデオテープがあったとしても、ビデオは真実を伝えていないと否定することができてしまいます。

何が真実かは誰にも分かりません。今真実だと思われていることも、明日には真実ではなかったと判明することもあるし、真実とは、結局は、人の信仰でしかないのかもしれません。何を信じるかは、自由主義社会においては、その本人の自由だということです。真実はいつも1つと、眼鏡をかけた小僧が言っていますが、必ずしもそうとも限りません。

真実はどうでもいい

裁判は勝てばいいと良く言われます。つまり、真実なんかどうでもいいという事です。その人が実際にその犯罪を起こしたかどうかは、その人にしか分からないので、裁判は真実を暴くために存在するのではなく、何が真実かを決めるために存在しています。冤罪が存在することが、その最たる証拠と言えるかもしれません。冤罪とは逆に、有罪なのに無罪放免になる人もいるかもしれません。冤罪のヒーローがそのいい例かもしれません。

トランプ氏も真実はどうでもいいと思っている節があります。メディアは確かに平気で嘘のニュース(fake news)をトランプ氏を叩くために垂れ流していますが、全てが嘘報道ではなく、真実も混じっています。しかし、トランプ氏がメディアは嘘しか言わないと喧伝し続ける事で、トランプ支持者達の多くは、メディアのトランプ批判は全て嘘八百のでっちあげで、トランプ氏が言う事が100%正しいと思いこんでいると言われています。

その逆に、反トランプ陣営は、トランプ氏をsociopathic liar (病的虚言者)と言い切っていて、さらにメディアがトランプ氏の嘘を全く追求しないと、かなり苛立っています。

真実なんかどうでもいいというのは、何が真実かは人によって違うし、地球の温暖化を信じている人間にとっては、温暖化は科学的な真実であり、全く信じていない人間にとっては、ゴミ科学か再生可能エネルギービジネス絡みの詐欺みたいなもんになっています。

真実は過大評価され過ぎで、真実なんかに拘るのは馬鹿と言う人達もいます。昨今流行りの Fake News を見れば、真実は都合のいいように作り上げることができるし、それは科学的な研究にも当てはまることで、研究をしている人間の政治思想、信仰、その研究を資金援助している個人や団体の思惑、そういった要素が、研究結果を大きく左右しているとも批判されています。人間がやる事に真実はないとも言えてしまうかもしれませんが、世の中には、柵や物欲金銭欲、俗物根性に汚染されることなく、真実のみを追求する人達も存在しているので、そういったtruth seekerにとっては、住みにくい世の中でしょう。

真実は1つとは限らない

結論としては真実は1つとは限らないということです。そして、何が真実かを知る人間は少ないか、全くいないということです。個人的な真実なら、真実を知る人間は、あくまでも本人か、それを目の当たりにした人間だけです。しかし、それですら、本当に真実かどうかは、本人や当事者にさえ曖昧な場合があります。脳が勝手に記憶を書き換えてしまうことさえ指摘されています。おっさんや年寄りが、やたら昔を懐かしがって、昔は良かったとやたら宣うのは、そのせいだとも言われています。脳が勝手に個人の都合の良い過去を作り上げているということみたいです。実際は昔の方が面白かったんですけどね。

トランプ氏のように、メディアは嘘しか伝えない、自分だけが真実を語っていると言い続ける手法を使えば、例えば、実社会において適当な事を言い続けたとして、その事を誰かに批判されたとしても、お前はそれが100%真実だと言えるの?証拠を見せろや!貴様に俺の何が分かる!!お前が嘘つきだ!俺だけが正直者と、常に逆ギレし続ければ、周囲の人間たちには、何が真実かはかなり曖昧になるかもです。実際にそういう人がいましたが、その人にとっての真実と周囲の人間の真実は明らかに違っていて、ただ、自信を持って俺が真実だ!みたいに言われ続けると、自分に自信がなくなってくるのも確かです。

自分に都合の良い真実を作り出す事は、学歴ロンダ、思い出ロンダ、職歴ロンダ、武勇伝ロンダのように、昔から行われていますが、post-truth worldでは、そういうことをする人達が増える可能性があると危惧されています。真実に縛られるよりは、真実から開放されて、新しい自分に生まれ変わることも、人生時として必要なのかもしれませんが、あくまでも合法的な範囲内で行う必要があり、違法行為は絶対に許されません。

スポンサーリンク

フォローする