新しいヒドロニウムイオン電池が持続可能エネルギーをもたらす

オレゴン州立大学の科学者達が開発した新型電池が、持続可能な高出力のエネルギー貯蔵の明るい未来を示唆しています。その新しい電池は、電荷担体としてヒドロニウム・イオンだけを使った世界で初めての電池で、特に、定置用蓄電池分野の研究者達に対して、追加の選択肢を提供しています。定置用蓄電池は、原則として、予備や緊急用の、風力タービンや太陽電池などの、持続可能な代替エネルギー源から作られた電力を含むグリッド電力を貯蔵する、常設場所に置かれた電池のことを指しています。

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ペリレンテトラカルボン酸二無水物

New hydronium-ion battery presents opportunity for more sustainable energy storage

Hydronium, also known as H3O+, is a positively charged ion produced when a proton is added to a water molecule. Researchers in the OSU College of Science have demonstrated that hydronium ions can be reversibly stored in an electrode material consisting of perylenetetracarboxylic dianhydridem, or PTCDA.

H3O+としても知られているヒドロニウムは、水分子に陽子が付加されると作り出されるプラスに帯電したイオンです。OSU理学部の研究者達は、ヒドロニウムイオンが、ペリレンテトラカルボン酸二無水物(PTCDA)から成る電極材に可逆的に貯蔵可能なことを実証しています。

PTCDA = 3, 4, 9, 10-perylenetetracarboxylic dianhydride = 3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物

電解質は希硫酸のみ

This material is an organic, crystalline, molecular solid. The battery, created in the Department of Chemistry at Oregon State, uses dilute sulfuric acid as the electrolyte.

Graduate student Xingfeng Wang was the first author on the study, which has been published in the journal Angewandte Chemie International Edition, a publication of the German Chemical Society.

この物質は有機的な結晶質の分子固体です。OSU化学科で作られた新型電池は、電解液として希硫酸を使っています。院生シンフェン・ワン氏が、ドイツ化学会の出版物である科学専門雑誌のAngewandte Chemie国際版に掲載された本研究論文の第一著者でした。

新型電池は、電荷輸送のために、リチウム、ナトリウム、カルシウムを使わず、電解質として酸だけを使っていて、酸は自然界に豊富に存在するので、極めて再生可能で持続可能と言えるみたいで、よりエコな電池用途にパラダイムシフトを引き起こす可能性があるようです。

ジ助教授は、今ままで電池に使われてきている正電荷イオンのカチオンは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウムだったと指摘しています。

”非金属カチオンが電池用途に真剣に考慮された事はなかった。”と、氏は語っています。

インターカレーション

The study observed a big dilation of the PTCDA lattice structure during intercalation – the process of its receiving ions between the layers of its structure. That meant the electrode was being charged, and the PTCDA structure expanded, by hydronium ions, rather than extremely tiny protons, which are already used in some batteries.

本研究は、インターカレーション(構造層間にイオンを受け入れるプロセス)の間、PTCDA格子構造の大きな拡張を観測しています。その事は、一部の電池で既に使われている非常に微小な陽子ではなく、ヒドロニウムイオンによって、電極が充電されてPTCDA構造が膨張したことを意味しています。”有機固体は、結晶質電極材としては通常考えられていませんが、多くは、とても結晶質で、非常に秩序化された構造に配列されています。”とジ氏は語った。”今回の研究で使われたPTCDA材は、分子構成要素間に多くの内部空間があるので、大きなイオンを貯蔵するための機会を提供し、十分な容量を与えています。”

また、ヒドロニウム・イオンは、高出力につながる、比較的低摩擦を持った電極構造を通って移動しています。”それは、電気自動車用の電源にはなりませんが、電池研究者達、特に、彼等が定置用グリッドストレージ用のエネルギー貯蔵に対する新しい代替品を探し求めていることもあり、新しい方向に目を向けるための機会を提供しています。”と、ジ助教授は言った。

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