ナノフーリエ変換赤外分光法 ハイパースペクトル赤外ナノイメージング

物性科学、生物医学、ナノ技術の最終目標は、ナノ規模空間分解能での、物質の非侵襲性組成マッピングにあります。多種多様な高分解能イメージング技術(例えば、電子プローブ分光法や走査プローブ分光法)が存在しますが、それらは、最上級の化学物質感受性をを提供すると同時に非侵襲性を求める、研究・開発・産業分野の増え続ける要求に応じることが出来ません。

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ナノFTIR分光法/ナノフーリエ変換赤外分光法

A new dimension in chemical nanoimaging

Nanoscale chemical analysis has recently become possible with nano-FTIR spectroscopy, an optical technique that combines scattering-type scanning near-field optical microscopy (s-SNOM) and Fourier transform infrared (FTIR) spectroscopy. By illuminating the metalized tip of an atomic force microscope (AFM) with a broadband infrared laser or a synchrotron, and analyzing the backscattered light with a specially designed Fourier Transform spectrometer, local infrared spectroscopy with a spatial resolution of less than 20 nm has been demonstrated. However, only point spectra or spectroscopic line scans comprising not more than a few tens of nano-FTIR spectra could be achieved on organic samples, owing to the long acquisition times.

ナノスケールケミカルアナリシスは、現在、散乱型近接場光学顕微鏡法 (s-SNOM)とフーリエ変換赤外分光法を組み合わせた光学技術であるナノFTIR分光法で可能になっています。広帯域赤外レーザーやシンクロトロンを使って原子間力顕微鏡の金属先端を照らし、特別にデザインしたフーリエ変換分光計を使って後方散乱光を分析することで、20nm未満の空間分解能を持つ局所赤外分光法が実証されています。しかし、数十以下のナノFTIRスペクトルから成る、点スペクトル走査か分光ライン走査だけが、長捕捉時間のおかげで有機試料用に利用可能です。

ハイパースペクトル赤外ナノイメージング

現在、国際的な研究チームが、hyperspectral infrared nanoimaging(ハイパースペクトル赤外ナノイメージング)の開発に成功しています。その技術は、数時間のうちに30nmより優れた空間分解能と精度で、通常、hyperspectral data cubes (ハイパースペクトルデータキューブ)と称されている、数千のナノFTIRスペクトルの2次元アレイを記録することを可能にします。

その卓越したデータ品質が、各ピクセルで入手可能な完全な分光情報を利用している、統計的手法(multivariate data analysis:多変量データ解析)の助けを借りて、ナノスケールで分解された化学物質と構造情報の抽出を可能にしています。たとえ試料とその成分に関する事前情報が何もなくても、類似の赤外スペクトルを持つピクセルが、hierarchical cluster analysis(階層的クラスター分析)を用いて、自動的にグループ化されます。三成分ポリマーブレンドのイメージングと分析により、研究者達は、各成分の空間分布だけでなく local chemical interaction (局所化学的相互作用)によって説明されるスペクトル異常も明らかにしている、ナノスケール化学マップを獲得しています。研究者達は、人毛に含まれる天然メラニンの in situ hyperspectral infrared nanoimaging (原位置ハイパースペクトル赤外ナノイメージング)も明示してます。

新技術の応用法

“With the rapid development of high-performance mid-infrared lasers and by applying advanced noise reduction strategies, we envision high-quality hyperspectral infrared nanoimaging in few minutes”, concludes Rainer Hillenbrand who led the work. “We see a large application potential in various fields of science and technology, including the chemical mapping of polymer composites, pharmaceutical products, organic and inorganic nanocomposite materials or biomedical tissue imaging “, he adds.

高性能中赤外線レーザーの急速現像を用い、最先端ノイズ低減技術を適用する事で、数分以内の高品質ハイパースペクトル赤外ナノイメージングを想像していると、本研究を主導したライナー・ヒレンブランド氏は結論付けています。私たちは、ポリマー組成の化学マッピング、医薬品、有機・無機ナノ複合材料、生体組織イメージングを含む、科学技術のさまざまな分野での多くの応用可能性を見込んでいる、と彼は付け加えました。

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