誘電体ロッドを光ドープした2次元ゼロ近傍誘電率メタマテリアル

材料科学、物理学、ナノ技術、電気工学の共通集合である、メタマテリアルの分野は、尋常でない電磁的性質を持った構造体を作り出すことを目標にしています。複数材料を緻密な周期的配列に注意深く組み合わせことで、その結果として生まれたメタマテリアルは、そうすることなくしては存在しない、負の屈折率などの性質を発現します。一部のメタ材料は、自身を特定光波長に対して不可視にするように、自身の表面周りに電磁波を導くことさえ可能です。

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メタマテリアル

Penn engineers’ ‘photonic doping’ makes class of metamaterials easier to fabricate

The precision needed for arranging a metamaterial’s constitutive parts, also known as inclusions, has been a challenging step in their development and application.

介在物としても知られているメタマテリアルの構成部材を配列するために必要な精度は、それらの開発とアプリケーションにおける非常に困難なステップになっています。

しかしながら、ペンシルベニア大学のエンジニア達が、数ある便利な特徴の中で、簡単加工を提供する、単一介在物を使ってメタマテリアルを作り出す方法を明らかにしています。

Analogous to electronic “doping,” where adding a small amount of atomic impurities to a “pure” material gives it electronic properties necessary for many computational and sensing devices, this “photonic doping” would allow for new ways of sculpting and tailoring light-matter interactions, with future impact on optical technology, such as flexible photonics.

純粋な材料に微量の原子不純物を添加する事で、それに、多くの計算機や検出装置に必要な電子特性を与える電子のドーピングに類似している、この光ドーピングは、フレキシブルフォトニクスなどの光技術の将来に影響を与える、光と物質の相互作用を形成したり調整したりするための新しい方法を可能にしてくれるはずです。

Science誌に掲載された今回の研究は、電気・システム工学教授ネーダー・エンゲータ氏と彼のグループのメンバー達によって主導されました。

“Just as in electronic doping, when adding a set of foreign atoms in an otherwise pure material can significantly alter the electronic and optical properties of the host,” Engheta said, “‘photonic doping’ means adding a foreign photonic object in a specialized photonic host structure can change the optical scattering of the original structure in a major way.”

”ちょうど電子ドーピングのように、何もしなければ純粋な物質に、一連の外来原子を添加することで、ホストの電子的・光学的特性を著しく様変わりさせる事が可能です。”と、エンゲータ氏は言っています。”光ドーピングは、外来光物質を、特殊化した光ホスト構造に添加することで、元の構造の光学散乱を大きく変えることができることを意味しています。”

The phenomenon works with a specific class of materials that have permittivity, a parameter that has to do with the electric response of the material, mathematically represented by the Greek letter epsilon, that is nearly zero.

その現象は、物質の電気的応答と関係し、数学的にギリシャ文字エプシロンで表される変数である、誘電率がほぼゼロに近い、特殊なクラスの物質で起こります。

ゼロ近傍誘電率

The key quality of these epsilon-near-zero, or ENZ, materials is that the wave’s magnetic field is distributed uniformly throughout the two-dimensional ENZ hosts, regardless of their cross-sectional shape. Such ENZ materials occur either naturally or can be made by traditional metamaterial means.

こういった誘電率がゼロに近い物質、あるいは、ENZ物質の基本性質は、波の磁場が、それらの断面形状に関係なく、2次元のENZホストの全域にわたって均一に分布されているということです。そういったENZ材は、自然発生か従来のメタマテリアル法で作成可能です。

ENZ = イプシロンゼロ近傍、イプシロンほぼゼロ

Rather than engineer complicated periodic structures that significantly alter the optical and magnetic properties of such materials, Engheta and his group devised a way for a single inclusion in a 2-D ENZ structure to accomplish the same task: changing which wavelengths of light that will reflect or pass through, or altering the magnetic response of the structure.

そういった物質の光学的・磁気的性質を大きく変える複雑な周期構造を、敢えて加工するのではなく、Engheta氏と彼のグループは、2次元ENZ構造中の単一介在物が、同じタスク(その構造を反射したり通過する光の波長を変えたり、その構造の磁気応答を変えたりすること)を達成するための方法を考え出しています。

”もし、私が、材料の一部が光と相互に作用する方法を変えたい場合、通常は、その全てを変える必要があります。今回のケースは全く違います。もし、私が、このENZ材料中のどの場所に単一誘電体ロッドを取り付けても、外部波の視点から見れば、全構造が違って見えます。”

The dielectric rod is a cylindrical structure made out of an insulating material that can be polarized. When inserted in a 2-D ENZ host, it can affect the magnetic field within this host and consequently can notably change the optical properties of the host ENZ material.

この誘電体ロッドは、分極可能な絶縁体から成る円柱構造です。2次元ENZホストの中に挿入されると、それは、このホスト内部の磁場に影響を与えることができ、その結果として、そのホストENZ材料の光学的性質を著しく変えることができます。

Because the wave’s magnetic field in the 2-D ENZ host has a uniform spatial distribution, the dielectric rod can be placed anywhere within the material. Incoming waves thus behave as if the host material has a significantly different set of optical properties. Since the rod does not need to be placed at a precise location, construction of such photonically doped structures may be achieved with relative ease.

2次元ENZホストの波の磁場が、均一な空間分布を有しているので、誘電体ロッドは、その材料内の好きな場所に設置可能です。入射波は、従って、あたかも、その母材が、著しく異なる光学的性質のセットを持っているかのように振る舞います。そのロッドが、正確な場所に設置される必要がないことから、そういう光ドープされた構造は、比較的簡単に実現可能です。

光ドーピングしたメタマテリアル

光ドーピングを通じてこういったメタマテリアルコンセプトを適用する事は、電気通信の範囲内で、情報処理システムやアプリケーションに影響をもたらします。

”私達が、波を使って研究している時、この光ドーピングは、デバイス内部のAからBへ、この波が取る経路を決定するための新しい方法になり得ます。誘電体ロッドにおける比較的小さな変化により、私達は、波をこっちの方向へ行けせたり、そっちの方向には行かせないようにすることができます。私達が、母材の極めて小さな一部であるロッドに変更を加えるだけで、デバイスの速度を支援し、その断面積が固定され続けている間、任意形状を持ったENZホストに対する効果が同じ事から、この性質は、フレキシブルフォトニクスには非常に有益です。”

さらなる研究が、ENZ材料に対して、例えば、さまざまな直径を持った複数のロッドを加える等の、光ドーピングを適用するための、もっと複雑な方法を明らかにしています。

“The dielectric property of the rod can be responsive to thermal, optical or electrical changes,” Engheta said. “That means we could use the host ENZ material as the read-out of a sensor, as it would transmit or reflect light due to changes in that rod. Adding more rods would allow for even finer tuning of the material’s response.”

”ロッドの誘電特性は、温度変化、光学変化、電位変化に応答することができます。”と、エンゲータ氏は言いました。”その事は、我々が、そのホストENZ材を、それが、そのロッドにおける変化によって、光を伝達したり反射したりできることから、センサーの読み出しに使うことが可能である事を意味しています。より多くのロッドを付け足すことが、材料の応答のさらに細かなチューニングが可能になります。”

微小誘電体ロッドと、ほぼ誘電率ゼロの2次元母材の組み合わせることで、今までにない特性を持った多種多様なメタマテリアルを作り出すことができるようです。非常に面白い研究です。

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