RNA切断タンパク質DROSHAとその新分析法fCLIP-seq

人体を形作っている一つ一つの細胞は、その時々の状況に応じて遺伝子の発現の有無を決定している、洗練されたメカニズムのオーケストラによって生み出されています。部分的には、この細胞発生メカニズムのためのオーケストラは、マイクロRNA(miRNAs)のような、何種類かのRNAの連携作業のおかげで可能になっています。Institute for Basic Science(韓国基礎科学研究院、IBS)にある、Center for RNA Research(RNA研究センター)の研究者達は、RNA切断タンパク質のDROSHAによって作り出されたmiRNAフラグメントを分析するfCLIP-seq(ホルムアルデヒド架橋免疫沈降シーケンシング)と呼ばれる新しい技術を開発しています。

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DROSHA (ドローシャ)

Mapping DROSHA’s cleavage sites | EurekAlert! Science News

神経発達、骨髄形成、RNAウイルス阻害などの、いくつかのプロセスは、ドローシャによって調節されています。従って、今回の研究が、そういった重要な生物学的現象でのドローシャの役割を理解するための新しい道を開いてくれることに期待が寄せられています。今回の研究結果に関する詳細な解説は、 Molecular Cell誌に掲載されています。

A vital and ancient component of gene regulation, miRNA tunes the expression of as many as 30-60% of mammalian protein-encoding genes, usually silencing them. Over 2,000 miRNAs are present in human cells, playing various crucial roles in development, cell differentiation, cell division, cell death, and cancer development. Mature miRNAs are short RNA molecules, approximately 22 nucleotides in length, derived from a multi-step process that begins with longer RNA fragments called primary miRNAs (pri-miRNAs). DROSHA function is to cut these pri-miRNAs into shorter pieces.

遺伝子調節のための不可欠かつ古来の構成要素である、マイクロRNAは、哺乳類のタンパク質コード遺伝子の30%~60%の発現を調節していて、通常はそれらを抑制しています。2000を越えるmiRNAが人の細胞に存在していて、発達、細胞分化、細胞分裂、細胞死、癌発生においてさまざまな重大な役割を果たしています。成熟したmiRNAは、長さが約22ヌクレオチドの短いRNA分子で、プライマリmiRNA(pri-miRNA)と呼ばれる長いRNA断片から始まる多段過程を経て生じています。DROSHA機能は、こういったpri-miRNAをより短い断片に切断する事です。

fCLIP-seq

This study is the first genomic scale analysis of DROSHA cleavage sites on pri-miRNA. “fCLIP-seq stands for formaldehyde crosslinking, immunoprecipitation, and sequencing. By treating the cells with formaldehyde, we manage to preserve the bond between DROSHA and its RNA binders, so that we can study what DROSHA is binding to and where it is cleaving,” explains KIM Baekgyu, first author of the study. “This result not only serves as a good database for miRNA research, but also deepens our understanding of miRNA generation.”

今回の研究は、pri-miRNAのDROSHA切断部位に関して、初のゲノム規模での分析を行っています。”fCLIP-seqは、formaldehyde crosslinking, immunoprecipitation, and sequencingの略語です。細胞をホルムアルデヒドで処理することで、DROSHAとそのRNAバインダー間の結合を維持して、我々が、何がドローシャを結合していて、それがどこを切断しているのかを研究することを可能にしています。”と、本研究の第一著者である、KIM Baekgyu氏は説明しています。”本研究結果は、miRNA研究用に最適なデータベースとしての役割を果たすだけには留まらず、miRNA発生に関する、我々の理解も深めてくれます。”

fCLIP-seq = ホルムアルデヒド架橋免疫沈降シーケンシング

研究チームは、世界最大のmiRNAデータベースであるmiRBaseにさえ載っていない新しい情報を含んだ、pri-miRNAsにおける数百のドローシャ切断部位を同定しています。

miRNA末端修飾

Interestingly, IBS biologists uncovered additional miRNA end modifications after DROSHA processing, which are expected to be important for the regulation of miRNA biogenesis, whose dysregulation is often associated with diseases, in particular with cancer.

興味深いことに、IBSの生物学者達は、ドローシャ処理後、その異常調節が、しばしば、癌を筆頭とした疾患と関連している、miRNA生合成の調節に重要であると期待されている、付加的なmiRNA末端修飾を発見しています。

さらに、彼らは、同じpri-miRNA前駆体から始まる、さまざまなmiRNA副産物を生産する、複数の代替的なドローシャ切断パターンを発見しています。非常に少数のmiRNAsにおいてのみしか報告されてはいないのですが、IBSの研究者達は、この事が、実際にいくつかのケースで発生することを見い出しています。

The research team also discovered that DROSHA cuts dozens of non-pri-miRNA targets, suggesting new possible functions of DROSHA that would be interesting to explore further.

研究チームは、DROSHAが、数十の非プライマリmiRNA標的を切断することも同時に発見していて、さらなる興味深い研究対象に成り得る、ドローシャの新潜在機能を示唆しています。

Droshaの他にもDicerというRNA切断タンパク(酵素)が存在するみたいです。名前が面白そうだったので色々調べてみると、このドローシャはかなり重要なはさみなようです。

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