電子ビームリソグラフィー技術が遂に1ナノメートルの世界へ!

現在主流の電子感材に集束電子ビームを露光する電子ビームリソグラフィ(EBL)を使った、材料パターン化技術がますます微細化することが、ナノテクノロジー分野における進歩を駆り立て続けています。材料のfeature size(フューチャサイズ、加工寸法)が、マイクロスケールからナノスケールへ縮小されると、一つ一つの原子と分子は、カラー、化学反応性、電気伝導度、光相互作用などの材料特性を劇的に変化させる目的で操作可能になります。

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電子ビームリソグラフィ

Scientists set record resolution for drawing at the one-nanometer length scale

In the ongoing quest to pattern materials with ever-smaller feature sizes, scientists at the Center for Functional Nanomaterials (CFN) — a U.S. Department of Energy (DOE) Office of Science User Facility at Brookhaven National Laboratory — have recently set a new record. Performing EBL with a scanning transmission electron microscope (STEM), they have patterned thin films of the polymer poly(methyl methacrylate), or PMMA, with individual features as small as one nanometer (nm), and with a spacing between features of 11 nm, yielding an areal density of nearly one trillion features per square centimeter. These record achievements are published in the April 18 online edition of Nano Letters.

微細化を続けるフィーチャサイズを使った材料パターン化の、さらなる微細化を追求する研究において、米エネルギー省ブルックヘブン国立研究所にある科学局ユーザー施設の機能性ナノ材料センター(CFN)の研究者たちが、現在までの微細化新記録を樹立しています。走査型透過電子顕微鏡(STEM)によるEBLを行い、彼らは、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA、アクリル樹脂)の薄膜に、1平方センチメートル当たり、約1兆フューチャの面密度を達成可能な、各フューチャが最小1nmで11nmのフューチャー間隔でパターン化しています。この記録的な大偉業に関する論文は、4月18日、Nano Lettersのオンライン版に掲載されました。

“Our goal at CFN is to study how the optical, electrical, thermal, and other properties of materials change as their feature sizes get smaller,” said lead author Vitor Manfrinato, a research associate in CFN’s electron microscopy group who began the project as a CFN user while completing his doctoral work at MIT. “Until now, patterning materials at a single nanometer has not been possible in a controllable and efficient way.”

”CFNでの我々のゴールは、物質の光学的・電気的・熱的性質が、微小化と共に、どのようにして変化するのかを研究することです。”と、本研究の筆頭著者で、MITで博士号研究を仕上げている間、CFNユーザーとして今回のプロジェクトを開始していた、CFNの電子顕微鏡グループの研究員ヴィトール・マンフリナット氏は言いました。これまでは、1ナノメートルで材料をパターン化することは、制御可能で効率的な方法では不可能でした。”

収差補正走査型透過電子顕微鏡

業務用EBL装置は、通常、10~20nmのサイズで材料をパターン化しています。より高精細なパターンを作り出すことができる技術は、機器の実用性を制限したり、パターン化プロセスを劇的に遅くしてしまう、特別の条件を必要とします。今回、科学者達は、パターン生成器(専用のソフトウェアを使ってデザインされたパターンをサンプル上に描画するために、電子ビームを正確に動かす電子装置)を、CFNの、原子スケールの集束電子ビームを提供する特殊化した顕微鏡の収差補正STEMに導入することによって、EBLの解像限界を押し広げています。

“We converted an imaging tool into a drawing tool that is capable of not only taking atomic-resolution images but also making atomic-resolution structures,” said coauthor Aaron Stein, a senior scientist in the electronic nanomaterials group at CFN.

”我々は、画像化ツールを、原子分解画像を結像できるだけではなく、原子分解能構造を作成することも可能な描画ツールに変換しています。”と、CFNの電子ナノマテリアルグループの研究主幹で、本研究の共著者でもあるアーロン・ステイン氏は言いました。

Their measurements with this instrument show a nearly 200 percent reduction in feature size (from 5 to 1.7 nm) and 100 percent increase in areal pattern density (from 0.4 to 0.8 trillion dots per square centimeter, or from 16 to 11 nm spacing between features) over previous scientific reports.

この装置を使った彼らの測定結果は、過去の科学的報告に比べ、フューチャーサイズを5nmから1.7nmへ、ほぼ200%も縮小させ、面積当たりのパターン密度を、1平方センチメートル当たり0.4兆ドットから0.8兆ドットへと、100%も増加させていることを明らかにしています。

パターン化アクリル樹脂フィルム

The team’s patterned PMMA films can be used as stencils for transferring the drawn single-digit nanometer feature into any other material. In this work, the scientists created structures smaller than 5 nm in both metallic (gold palladium) and semiconducting (zinc oxide) materials. Their fabricated gold palladium features were as small as six atoms wide.

チームのパターン化されたPMMAフィルムは、描画された1桁ナノメーターフューチャを、他のどんな材料にも転写可能なステンシルとして利用できます。今回の研究の中で、彼らは、金属材料(金パラジウム)と半導体材料(酸化亜鉛)の両方で5nmより小さい構造体を作り、彼らの加工した金パラジウムフューチャーは、原子6個分の幅の大きさしかありませんでした。

EBL解像度

この記録的な実証にもかかわらず、チームは、依然として解像度を制限している原因を理解することや、EBLを、究極的に本質的限界へプッシュする事に興味を持ち続けています。

“The resolution of EBL can be impacted by many parameters, including instrument limitations, interactions between the electron beam and the polymer material, molecular dimensions associated with the polymer structure, and chemical processes of lithography,”

”EBLの解像度は、機器の限界、電子ビームとポリマー材間の相互作用、ポリマー構造と関連した分子次元、リソグラフィーの化学過程を含む多くの要素によって影響されます。”

モノマー反復単位

An exciting result of this study was the realization that polymer films can be patterned at sizes much smaller than the 26 nm effective radius of the PMMA macromolecule. “The polymer chains that make up a PMMA macromolecule are a million repeating monomers (molecules) long–in a film, these macromolecules are all entangled and balled up,” said Stein. “We were surprised to find that the smallest size we could pattern is well below the size of the macromolecule and nears the size of one of the monomer repeating units, as small as a single nanometer.”

この研究のエキサイティングな結果は、ポリマーフィルムが、PMMA高分子の26nmの有効半径よりもはるかに小さいサイズにパターン化できることを具現化した事でした。”PMMA巨大分子を作り上げているポリマー鎖は、100万繰り返しモノマー(分子)長で、薄膜内では、この種の高分子は、全て絡み合ってボールのようになっています。”と、ステイン氏は言います。”私達がパターン化できた最も小さいサイズが、高分子の大きさをはるかに下回っていて、最も小さいもので1nm程度の大きさしかない、モノマー繰り返し単位(モノマー反復単位)の1つの大きさに近いことが分かって驚きました。”

Next, the team plans to use their technique to study the properties of materials patterned at one-nanometer dimensions. One early target will be the semiconducting material silicon, whose electronic and optical properties are predicted to change at the single-digit nanometer scale.

次に、チームは、彼らの開発した新技術を、1ナノメートル次元でパターン化された材料の性質を研究するのに利用する予定でいます。1つの初期標的は、その物質の電子・光学物性が、一桁ナノメートル規模で変化すことが予測されている半導体材のシリコンになる予定です。

”今回我々が開発した技術は、多くのエキサイティングな材料工学の可能性を切り開き、原子1個1個の精度とはいかないまでも、かつてない程の精度で、材料の性質を調整する事を可能にしてくれるはずです。”と、ステイン氏は言いました。”CFNは国立ユーザー施設なので、我々のこの種類では初めてのツールを、世界中のユーザーに対して、すぐに提供できるようになる予定です。この新しい機能を、他の科学者達がどのようにして活用するのかを見ることは、私たちにとって、非常に興味深いことでもあります。”

1nm精度でパターンを描画可能になれば、コンピュータの高速化や省電化にもつながり、パソコンの性能を飛躍的に向上させてくれそうです。今のパソコン業界には、安価で超高速な省エネパソコンが必要なので、これが開発されれば、パソコンは復活できる可能性があります。

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