エンパシーにはISPTとIOPTの二通りがあってISPTは疲れる

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エンパシー(感情移入、思いやり)に関して言えば、”walking a mile in their shoes(彼らの靴で1マイル歩いてみることで、他者の立場になって物事を考える必要があるという意味)”を奨励しているイディオム(慣用句)は、かなり問題のある芳しくないアドバイスであることが、Journal of Experimental Psychologyに掲載された新しい研究によって明らかになったようです。

sympathy シンパシー empathy エンパシー compassion 意味 違い
sympathy(シンパシー), empathy(エンパシー), compassion(コンパッション)は似たような単語なので、どの単語をどの場面で使うべきかを説明したいと思います。sympathy (同情、共感、共鳴、賛成)、empathy (共感、感情移入、自己移入、自己投影)、compassion (思いやり、同情、哀れみ、慈悲)、この3つの単語は他者への労りの気持ちを表すのに用いられ、相手の気持ちになって相手のことを思いやるといった感じの意味になりますが明確な違いが存在します。
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エンパシーは2つある

Study shows ‘walking a mile in their shoes’ may be hazardous to your health

“That’s because there are two routes to empathy and one of them is more personally distressing and upsetting than the other,” says Michael Poulin, an associate professor in the University at Buffalo Department of Psychology and co-author of the study led by University of Pennsylvania psychologist Anneke E.K. Buffone, who was a PhD student at UB when the research was conducted.

”その理由は、エンパシー(自己移入、共感)には二通りあって、そのうちの1つは残りの1つに比べると、個人的により痛ましく心を動揺させます。”と、ニューヨーク州立大学バッファロー校心理学部准教授で、今回の調査が行われた時はニューヨーク州立大学バッファロー校の博士課程の学生だったペンシルベニア大学の心理学者アネケ・E・k・ブッフォーネ氏を中心とした今回の研究の共著者マイケル・ポーリン氏は語っています。

心理:人間の幸福度は周囲の幸福度に反比例、人は他人の不幸を願う
人間は自分が幸せを実感している時は、周りの人間にも幸せになってもらいたいと願う一方で、自分が不幸な境遇に置かれている時は、他人に対して自分以上のさらなる不幸を望む傾向があるようです。ネットの書き込みを見ていると、それを如実に物語っている書き込みが圧倒的に多いことに気付かされます。メシウマなんていう単語まで存在するほどで、このメシウマという言葉は他人の不幸は蜜の味を端的に表した言葉なのですが、何とも悲しい言葉でもあります。

The routes to empathy Poulin mentions diverge at the point of the helper’s perspective. The two may sound similar, but actually turn out to be quite different in terms of how they affect the person who is trying to help another.

ポーリン氏が言及しているエンパシーへの二つの道は、助け手の視点で分岐しています。その二つの道は、同じように聞こえますが、実際には、それらが、他の困っている人を助けようとする人達に対して、どのようにして影響を与えるのかという観点に立った場合、全くの別物であることが分かっています。

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IOPT(他者視点)とISPT(自己視点)

One approach observes and infers how someone feels. This is imagine-other perspective-taking (IOPT). The other way to empathize is for helpers to put themselves into someone else’s situation, the imagined “walking a mile” scenario. This is imagine-self perspective-taking (ISPT).

1つのアプローチは、人がどう感じるのかを観察して推察します。これが、他人の視点に立って物事を推測する(IOPT)です。感情移入するためのもう一方のやり方は、ヘルパーが、他の誰かが置かれている状況に自分自身を置き、想像上の”1マイル歩く”シナリオです。これが、自己の視点で物事を想像する(ISPT)です。

IOPT(他者視点取得想像)は、他人の苦境や苦痛を見て、その人がどういう心境なのかを想像することで、ISPT(自己視点取得想像)は、自分をその人(苦境や苦痛を受けいる当事者)の置かれた理不尽な状況に当てはめることによって、自分だったらどう思うかを想像することです。

“You can think about another person’s feelings without taking those feelings upon yourself (IOPT),” says Poulin. “But I begin to feel sad once I go down the mental pathway of putting myself into the place of someone who is feeling sad (ISPT).

”人はIOPTなしで、他者の感情を感じ取れます。”と、ポーリン氏は言った。”しかし、私は誰かが寂しく感じていて、その人の立場に立った場合、寂しく感じ始めます(ISPT)、”

他者の現実への理解や共感が対人関係を円滑にして人生を成功に導く
人生は対人関係が全てで、生まれてからその戦いは始まっています。赤ん坊は、親や世話をしてくれる人に気に入られなければ終わりだし、一人っ子は別として、兄弟姉妹の間でも、親の一番のお気に入りになって、経済的、精神的、その他の恩恵を独占しようと切磋琢磨します。幼稚園、保育園、学校においても、そこにいる人間達と、円滑な対人関係を構築することは至上命題です。

”私は、時々、人間全てが、他者の重荷を引き受ける(ISPT)のが嫌なので、他者の理不尽な苦しみに共感することを忌避しているように思う時があります。それに対して、忌避することなしに他者の気持ちを理解することによって、簡単に相手を思いやる(IOPT)ことができれば、そのことが、相手に共感を示すためのはるかに良いやり方なように見えます。”

いくつかの過去の研究が、人々に対して、援助行動の後で、彼らがどのように感じたかを報告するように尋ねることによって、IOPTとISPTに関わる、ストレス問題を理解しようと試みています。しかしながら、今回の研究が、誰かが援助行動に従事している間、視点取得の効果を考察することで、新天地を開拓しています。

女性と35歳未満の男女は不安神経症のリスクが高い!?
今日は心の健康について心の病気の一つでもある anxiety disorders (不安神経症)を取り上げてみたいと思います。University of Cambridge (ケンブリッジ大学)によると、女性と35歳未満の男女は不安神経症のリスクが他の世代と比べて高いそうです。不安神経症には色々な種類がありますが、その中でも特に代表的なものに次のようなものがあります。

”私は、人々が、IOPT対ISPTの感じ度合いを報告する時に、どれくらい正確にその違いを感じ取れるのかということについて、多少の疑いを持っています。”と、ポーリン氏は語る。

その疑念が、個人的に気に病むか、そうでないかの間の違いを、確実に示唆する心臓血管系反応を測定している、今回の研究のデザインの動機付けになっています。

“人は危機や不安を感じると、一部の末梢血管が収縮して、その事が、心臓が血液を体全体に送り出す事を困難にします。私達はこの事を研究室で検出でき、我々が発見した事は、ISPTを行う人々が、IOPTの人達に比べて、この危機応答の水準が大きい事を発見しています。”

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燃え尽き症候群

This conclusion could be especially useful in the context of medical professions, like doctors and nurses, especially in areas with high rates of burnout, according to Poulin.

今回の研究結果は、特に、燃え尽き症候群の率が高い仕事に従事している、医者や看護師のような医療従事者達に、特に役立つかもしれません。

”こういった医療専門家達の多くが、最終的に、彼らのキャリアに影響を及ぼす、あまりにも多くの痛みと苦しみを目の当たりにしています。その事が、習慣的なISPT行動につながっているのかもしれません。彼らは、自身を、自分の患者達の立場に置いています。私達は、医者や看護師達が、IOPTを行うように訓練することが、たぶん可能なので、そのエンパシーが重荷を作り出すことなしに、彼らは、自分の患者達に対して共感的で居続けることができます。

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IOPTが楽な道

この事は、同様に、教師と生徒、ソーシャルワーカーとクライアントにも当てはまり、”実際問題として、今や我々は、そういったサービス経済に移行している最中なので、その事は、技術支援者、苦情受付オペレーター、レストランの接客係等、ほぼ全ての人に適用可能です。”

保護者が、ある特定の状況で、子供達と話す時、今回の研究の結果を考慮に入れる可能性さえあります。”子供達に、もしおまえが同じことをされたらどう思う?、と言うより、その人がどう思うかを考えなさい、と言うべきなのかもしれません。”

相手の立場に立って物事を考えるよりも、相手がどう思っているのかを考えた方が、精神衛生的に良いみたいです。恐怖映画を見ている時に、もしこれ(犠牲者)が私だったらと想像するよりも、こいつらじゃなくて良かったと思った方がいいということなのかもしれません。聖書にも、自分がしてもらいたい事を相手にもしなさいという格言がありますが(もちろん、聖書的に正しい行いをする必要がある事は言うまでもありません)、自分が相手からされたら絶対嫌だろうなーと思うような非道な行為は、絶対に他人に対してやってはいけません。

幸せになりたかったら寛容で優しい親切な人間になればいいらしい
寛容さは、たとえ、ほんの少しだけ寛大であるだけでも、人を幸福にします。自己の利益だけを考えて行動する人々は、あまり幸せではありませ。ただ単に、もっと親切になると約束するだけのことが、私たちをより幸せに感じさせる、脳の変化を引き起こすには十分です。このことは、チューリッヒ大学の神経経済学者が、最新の研究で発見した事です。

いじめなんかはまさにこれで、自分がいじめられたらどうするか?という、いじめられっ子の立場に立って考える(ISPT行動を取る)よりも、傍観者達の、いじめられっ子が受けている悲惨な状況を見て、あの子は辛いだろうなぁと、ただ無責任に考えるだけで、いじめられっ子を助けようとはしないからです。自分がもしいじめられていたら、誰かに助を求めたいと思うはずなので、ISPTの方が援助行動に出る可能性が高いはずです。つまり、IOPTよりもISPTの方がよりエンパシーが強いとも言えます。IOPTだと、困っている人を見ても、あの人は辛いだろうけど、あの人じゃなくて良かったと思うだろうし、ISPTなら、自分が困っていたら誰かに助けてもらいたいはずだから、あの人を助けたいと思うはずだということです。とは言っても、これはあくまでも、一個人の私的見解に過ぎないということを付け加えておきます。

日本人はエンパシーに著しく欠けたサイコパスが多いと、国の内外から批判の声があります。想像力も創造力もない民族といったレッテルまで貼られてしまっています。今の日本人に著しく欠けているのが、人を思いやる心(優しさ)である事は間違いないので、利己主義から利他主義への脱皮が、多くの日本人に求められているのではないでしょうか。

日本人は陽気に振る舞っても健康には良い影響を与えないらしい
ポジティブな感情は、しばしば、健康的な生活を送るための、非常に重要な側面であると見られていますが、新しい研究が、感情と健康転帰の関係が、文化的背景によって異なる可能性があることを示唆しています。Psychological Science誌に掲載された今回の発見は、前向き感情経験が、米国民には良好な心血管健康との関連性を
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