貧困児童 (子供の貧困)、貧困女子、シングルマザー世帯の困窮、日本がいつから女性と子供にこんなにも冷たい国になってしまったのかは定かではないが、いつの頃からか、気付いてみたら、弱い立場の人間をとことん搾取するのが日本社会の特徴になってしまっていた。日本の男は gentleman (紳士)でないと外国人女性から呆れられる事が多々ある。ジェントルマンという単語はそもそも日本男子(児)には存在しない概念ではないだろうか。紳士という言葉を聞くと真っ先に、women and children first (or ladies first)という言葉を思い浮かべる人もいるかもしれない。社会で最も弱い立場の若い女性と子供達が、貧困の中で悪い輩達に食い物にされている現在の日本社会には反吐が出る。女性と子供の深刻な貧困化、特に薄給勤労シングルマザーや、貧困女子という名の若年使い捨て非正規労働者達の悲哀は、現代版女工哀史とも言えるだろう。最も、日本国民のほとんどが貧しかった当時と比べても何の意味もないわけで、現代のように世界第三位の経済大国であると同時に世界最大の債権国家であるこの国で、絶対にあってはならない女性と子供の貧困が深刻化している異常事態は、国の怠慢以外の何物でもなく、本当に狂気の沙汰としか言えないのである。
日本の貧困に対する世界の目
Why is poverty on the rise in Japan? この記事の中で、外国人の目から見た日本の貧困化の原因が語られている。アメリカの貧困は自業自得なケースが多いが、日本の貧困は個人の力ではどうにもならない、特に子供の貧困は豊かな国のはずの日本では有ってはならないし、日本の場合は誰でも貧困に陥る危険性が潜んでいる。
Another possibility is the impact of trade competition. Even though Japan has remained more protectionist than most rich countries, protection of domestic markets is no guarantee of success in international ones. More direct competition from nations that make similar goods means smaller gains from trade, so Japanese workers could be feeling the pinch despite the government’s protecting hand. This might explain why Japan’s rich have been seeing continued income gains even as the poor get poorer.
先進国の中でも度を超えた保護貿易主義と言っていて、政府の保護で国内市場は守れても、世界市場の競争に負けている。輸出競争での負けが、労働者の賃金を圧迫、その一方で富裕層は富を積み上げている。この人の言いたいことは、日銀は異常な金融緩和を止めて円高政策に方針転換、政府は企業助成政策を廃止、自由競争によりゾンビ企業を整理、円高物価安で内需拡大、公務員人件費圧縮で貧富の差(官民格差)と財政赤字の縮小、といったところか。日本の貧困が、政府、日銀、輸出企業によって生産されているのは事実で、1ドル90円程度の社会が多くの日本人(8割以上の)には望ましいはずだ。
世界最大の債権国家
先にも述べたが、日本は世界最大の債権国家である。The real worry behind falling consumer price この記事からその事実を引用させてもらった。
Japan is one of the world’s biggest creditor nations with over US$3.3 trillion of foreign assets. Most of the debts issued by the Japanese government are snapped up by Japanese savers who are more than happy to roll them over when repayment is due because falling prices mean that they get a real positive return even when nominal interest rates are close to zero.
日本は対外純資産3.3兆ドルを有する圧倒的世界最大の債権国家で、しかも国家の借金のほとんどは日本人(機関投資家)が低利にもかかわらず喜んで保有してくれている。日本の対外資産は、2014年末時点で945兆2730億円だったので、2015年度は1000兆円を超えているはずだ(対外純資産366兆円、3年連続で最高、14年末海外企業のM&Aで)。日本は国内的には借金大国でも対外的には債権大国というわけである。家計は火の車でも外に対しては羽振りの良い振りをしている見栄っ張り親父か、家族には貧乏な思いをさせて外にはバラ撒く腐れ親父と言えなくもない。日本にはまだまだ余力が残っているし、余力のあるうちに貧困問題を何とかしないと、将来的に人が住めない国になる可能性もある。
企業の内部留保360兆円(推定)
日本企業の内部留保が増加で庶民の生活はさらに圧迫される 昨年9月末の利益剰余金は343兆円まで積み上がり、とあるので、4月末現在では360兆円は超えていると思われる。全てが現金というわけでなく、内部留保に占める cash holdings (現金保有)は250兆円だと言われている(250兆円の企業貯蓄を揺さぶる「北風と太陽」)。マイナス金利政策で日本企業が真っ先にやったことが自社株買いらしいので、やってることがアメリカ企業と全く変わらす、企業は国境を超えても行動原理が一緒というのが面白い。これは現在の国際化社会の熾烈な競争にさらされている各国企業が生き残りのために足並みを揃えるみたいな感じなのかもしれない。自社株買いも配当増額も全て株主至上主義のなせる業で、単身世帯も含めた8割を超える株式非保有世帯には何の恩恵もないのであった。8割を超える株主非保有世帯は円安・株高の恩恵を全く享受する事ができずに、それどころか、円安と消費税大増税による猛烈なインフレにより生活が疲弊しまくっている。儲かりまくって金の使い道が無い企業は、ワープア、シングルマザー (母子家庭)世帯を優先して雇い入れるとか、その世帯主の賃金を大幅アップするくらいの事はしても罰は当たらないだろう。ワープア世帯を経済的に安定させる事が、長い目で見れば企業経営に大きなプラスになるという事を、企業経営者達はよく考えるべき時に来ている。
守銭奴達が貧困を生み出している
世の中は金が全てではない。しかし、金が無ければ生きていけない。日本の経済が回らないのは金を溜め込み過ぎている守銭奴があまりにも多過ぎるからだ。金は天下の回り持ちとはよく言ったものだ。アメリカではバーニー・サンダースが、富裕層や大企業から収奪した金を若年層にバラ撒くと言って絶大な支持を集めた。まさに現代版ねずみ小僧である。日本にもサンダースのような政治家が出てきてもよさそうなものだが、所詮は腐敗した縁故社会主義のこの国で、そんな平成のカリスマみたいな政治家が輩出されるわけがない。織田信長や坂本龍馬のような時代の寵児、風雲児が誕生しない限り、この国に明るい未来などは存在しない。アメリカのミレニアル世代は、今までは貪欲な1%の資本家達が99%から搾取していたから、今度は99%が1%から搾取する番だと考えたのかもしれない。日本の強欲薄情守銭奴富裕層は、チャールズ・ディケンズのクリスマス・キャロルでも読んで、他人の幸福を犠牲にしてまで金を貯めこむ事の虚しさと、その金で皆を幸せにする事の方がいかに己の人生に有意義なのかという事を学ぶべきだ。
子供と貧困女子とワープアに優しい国作り
強くなければ生きていけない。優しくなれなければ生きるに値しない。
優しくなければ人ではない、ともよく言われるように、とにかく人は優しくなければ駄目だという事で、今の日本に足りないのは優しさなのは確かだ。貧困に喘ぎ苦しむ子供と女性を無視し続ける、その無神経な図太い神経がまず信じられないし、情けは人の為ならずという諺を勘違いしているのじゃないかと思えてきてしまう。困っている人を助けるのが人間だし、ましてそれが同胞で、本来国が守るべき国民であればなおさらだ。今の日本人の多くが畜生以下の存在と言わざるを得ない。上級国民達には一刻も早く人間性を取り戻して欲しいし、周囲の人々の助けや働きがなければ、今の自分達が安定した幸福な生活を送れていないという事を、今一度再認識してもらいたい。幸せや富を独り占めするのではなく、みんなで分かち合うべきで、誰もが自分よりも恵まれていない人々に慈しみの心を持つべきで、Help those less fortunate. (自分よりも不運な人間を助けましょう)なのである。日本の復活は、戦後復興の原動力にもなった、義理人情、助け合い精神、困った時はお互い様、という日本人の良心を取り戻さなければ不可能で、貧困をこのまま黙って手をこまねいて放置し続ければ、やがては自分達もどんなにもがいても貧困層に沈んで行くという事を、8割の国民達はいい加減に自覚しなければならない。いつまでも対岸の火事では済まされない。19歳被告が手紙「貧困児童に関心を」