まさか1ドル=107円のレベルで「介入の用意がある」と介入の二文字を口に出すとは思いもしませんでした。為替監視リスト入りして為替操作国の対象監視国になったばかりなのに、よーやるわとしか言葉が出ません。介入の話は1ドル95円くらいになってからすべきで、今でも十分円安なのに介入の脅し文句を口に出すのは尋常ではない。円安で8割の下級国民(貧困庶民)の生活を苦しめて、2割の上級国民を焼け太りさせるような愚策はいい加減止めろと言いたい。円安で潤うのは1億2500万人の日本人のたった2割の2500万人だけで、その他8割の庶民である残りの1億人は生活苦に追い込まれるだけという事を理解すべき時に来ている。常軌を逸した異常な金融緩和による円安・株高金融政策は1億総貧困化政策でしかなく、消費税大増税との相乗効果により、政府・日銀の目論見通りに庶民の生活苦は限界に近づいてきている。
何処へ行くのかドル円は
今週は麻生十八番の口先介入でドル円が急騰、先週金曜日の終値107.1円から昨日の高値の109.4円まで何と一時2.3円も円が下落してしまった。G7終了までは政府は穏便に事を運ぶだろうと思っていただけに、まさかまさかの円急落劇であった。
今週円相場が見事トレンド転換を果たしたのかどうかは、来週以降にならないと分からないが、6月は確実に日銀による追加緩和があると強気予想されているだけでなく(ロンドン外為:円全面安、対ドル109円台-6月追加緩和の可能性意識)、FRB も利上げに走るのではないかと噂され始めているので(Two Fed voting members signal hawkish tone for rate hike)、少なくとも夏の参院選が終わるまでは円安トレンドなのは間違いない。自民圧勝なら1ドル130円台も視野に入ってくるだろうが、さすがにそこまで円安が進む前にアメリカが黙ってはいないはずだし、選挙前に円安・株高が行き過ぎれば、大人しい庶民の我慢も限界に達するのではないだろうか。8割の下級国民(貧困層+貧困予備軍)は、国が富んでも自分が富まなければ何の意味も無いという事を学習した方がいい。そもそも一番の問題は、下級国民の多くが自分を上級国民(上級国民予備軍)と思い込んでいて、自分が見えいていないことに尽きる。8割の貧困庶民にとって、円安政策は百害あって一利なしの亡国・売国政策でしかない。
何処へ行くのか日経平均株価は
ドル円に引きずられながら今週日経平均株価は上昇を続けた。先週の終値16106円から今日の高値の16804円(寄り値)まで、一時700円近く上昇する場面もあったが、SQ絡みの買いで吊り上げられた相場が崩壊すると、高値から392円値を下げ、結局16412円で取引を終えた。それでも今週は先週よりも306円も株価が上昇している。
今週は特段ドル円や株価が上がる材料が無いにもかかわらず、麻生財務相の介入発言で無理やり上がった感が強い。株価が16000円台をキープできているのは、政府・日銀による為替市場介入を恐れている売り方が売るに売れない状況が続いているのと、さらに来月の日銀とFRBの動き次第では、ドル円・日経平均株価共に大暴騰する可能性が強いためである。但し9月以降、いよいよトランプ大統領誕生の可能性が高まれば、ドル円・株価共にいよいよ来年からのトランプ政権による日本虐めを織り込まざるを得なくなるので、相当きつい下げが予想されるだろう。トランプ大統領誕生なら日本終了と言っても決して過言ではないのだ。
米国債の大量購入
zerohedge にFed Nemesis & Mysterious Treasury Bond Buyer Exposedという気になる記事があった。どうやら米国債の大量購入者が分かったらしいのである。
while Rosengren, Bullard, et al. bloviate that ‘investors’ should be selling bonds, it is shockingly ironic that their bond-buying nemesis is Mrs. Watanabe in the land of failed Keynesian policy piling into Treasuries at a record pace since The BoJ went NIRP.
日銀のマイナス金利政策導入以来、日本のミセス・ワタナベ(日本の投資家の総称)が米国債を記録的なペースで購入しているらしい。
Treasuries normally make up most of Japanese investors’ foreign bond purchases. This was certainly true in March, with the ¥4.8tn of net purchases of USTs (largest since at least 2005) accounting for 87% of the overall net flow
3月だけで何と、4.8兆円もの米国債を購入したらしい。これは2005年以来で最高だとか。外国債投資の87%が米国債みたいです。
Investment plans point to continued strong demand; should weigh on yields
Our take on Japanese life insurers’ and asset managers’ investment plans for FY16-17 is that a vast majority plans to boost their foreign bond holdings further, often at the expense of JGBs.
日本の生保や他の機関投資家達も今後は日本国債から外国債券へ投資先をシフト予定らしいので、今後も大量の米国債が買われるみたいです。日本が金利目当てで米国債を買えば買うほど米国債の金利は下がり、その事が円高圧力になるので、結局は金利は下がるし円もそれほど下がらないという元の木阿弥になってしまうとか。日本の機関投資家の海外投資は将来の円高圧力になるとも指摘されていますね。