金融機関と国の功罪、バブルで景気回復は無理、実体経済に金を回せ

過去の例から1つ確実に言えることは、バブルはいつか必ず弾けるということです。アメリカを例にした話として、銀行の本来の存在理由は、預金者から預かったお金を、人や企業に貸出すことで社会を活性化させることにありました。ところが今や銀行の貸出資産は全資産の15%ほどで、後は全て物(不動産、証券、債権など)に投資されてしまっています。これが起業が減った一番の原因とも言われていて、さらに、例え起業できたとしもすぐに結果を出さないと貸し剥がし、貸し渋りで倒産させられてしまうらしいのです。何故そういう事になってしまっているかというと、人や企業に投資した場合、投資資金の回収の問題が生じますが、物への投資ならその心配がなく、また、2008年のようにサブプライムローンへの投資で大損害を被っても政府が救済してくれるので安心だからです。つまり、物に対しては何の気兼ねもなく投資できるというわけです。今のように政府と中央銀行がバブルを積極的に作り出している状況下では、そうなるのが当然の帰結とも言えます。資産価値がリーマン前の水準を上回っているのに、経済がリーマン前のようにならないのは、金融機関が民間に金を貸し出さないのが原因と言われています。

ウォール街が経済活動を阻害している

How Wall Street Is Strangling The Economy

Eight years on from the biggest market meltdown since the Great Depression, the key lessons of the crisis of 2008 still remain unlearned — and our financial system is just as vulnerable as ever. Many of us know that our government failed to fix the banking system after the subprime mortgage crisis. But what few of us realize is how the misguided financial practices and philosophies that nearly toppled the global financial system have come to infiltrate all American businesses, putting us on a collision course for another cataclysmic meltdown.

「世界大恐慌以来の株価大暴落から8年が経ちますが、我々はそこから肝心な事は何1つ学んでいません。なので金融システムは未だ脆弱のままです。多くの人々がご承知のように、サブプライムローン危機の後でさえ、政府は金融機関を相変わらず野放しにしたままです。しかし、我々のほとんどが、国際金融制度を崩壊させかけた見当違いな金融慣習と哲学が、全てのアメリカ企業に浸透していて、我々を次の破局的金融崩壊へと追いやっていることに気付いていません。」

喉元過ぎれば熱さ忘れるで、TBTF(Too Big To Fail)理論で、金融機関を救済した事で、巨大金融機関は、破綻しかければ政府が救済してくれると思っているのでやりたい放題です。政府もそれを野放しにしているし、それどころか奨励さえしています。資産価値さえ上がれば全てが上手くいくと考えるほど、彼等は馬鹿ではありません。政府のエリート達は、金融機関のエリート達と結託して国富を収奪しています。その腐敗しきったシステムに対する国民の怒りが、サンダース革命やトランプ革命の原動力にもなっています。サンダース支持者もトランプ支持者も、腐敗した旧体制の打倒に主眼が置かれています。そういうわけで、トランプ圧勝論が一部の識者の間で囁かれています。トランプが世界大恐慌を引き起こしたとしても、それは必然であり、産みの苦しみであるとさえ言えるのです。

So we’ve got a financial sector now that creates only 4% of the jobs in this country but takes 25% of all corporate profits. That’s a lot of economic oxygen that’s being taken out of the room.

「そうして我々は、たった4%の雇用をこの国で作り出しているだけで、25%もの企業収益を独占している金融セクターを得たのです。この事が経済に悪影響を与えています。」

一部の金融機関は一般社員のボーナスが日本のサラリーマンの一生分の収入を遥かに上回っています。そういう矛盾が経済活動を阻害しているのは明らかで、お金を右から左に動かすだけで、あるいは、キーボードのキーを押すだけで、労働者がその一生を賭して命懸けで汗水垂らして働いて稼ぎ出す以上の収入を、ほんの数分で稼ぎ出すことさえ可能なのが今の現実です。本来はお金は労働の対価だったはずなのですが、中央銀行が刷った金を金融機関が世界中の株式、債権、不動産に投資して泡銭を稼ぎ出しています。これではアメリカ国民が怒るのも無理はありません。