ヘリコプターマネー、日銀はワープア世帯に金をばら撒くべき

今の異常の金融緩和を金融破綻まで頑迷に続けたとしても、インフレ目標の達成も、景気拡大も永久に起こり得ないでしょう。理由は簡単で、今の日本は底が崩壊し始めているからです。勤労世帯の3割は貧困世帯か貧困予備軍世帯と言っても決して過言ではなく、さらにその割合は年々増加の一途をたどっています。勤労世帯の半数以上が貧困世帯か貧困予備軍世帯になる日も、そう遠い未来の話ではないかもしれません。今の日本に必要なのは労働のインセンティブとセーフティーネットの拡充で、低賃金労働者が安心して働ける環境を整える事が急務となっています。とにかく働いたら負けという若年層の間に漂っている絶望感を払拭する必要があります。低賃金労働者に対して働くインセンティブを全く与えていない先進国は日本ぐらいなものです。ワーキングプア世帯が生活保護世帯よりも生活水準が低いなどという正気の沙汰とは思えない事が平然とまかり通っている国なので、こんな国が果たして先進国と言えるのかという声もあります。働けるのに働かないで生活保護を受給している人間が相当数いるわけですから、働くよりも生活保護を受けた方がましな世帯全てが生活保護を受給すべきとも言えます。そうなれば受給世帯数が今の4倍に膨れ上がり、保護費も15兆円まで一気に跳ね上がります。国と地方の税収、年金収入が減るだけでなく、数百万人の低賃金労働者が一斉にいなくなるので、経済活動自体が破綻します。今の日本社会が生活保護以下の生活を強いられている低賃金労働者の多大なる犠牲の上に成り立っていることを、その他の全ての日本国民は知らなければならないし、彼等がいなければ自分達の生活が成り立たないことも自覚すべきです。

エンパシーが必要

エンパシーを持たない日本人が多いのでしょうか?何故こんな事を疑問に思うのかと言うと、日本人にエンパシーがあれば、生活保護を受けずに健気に働いているワーキングプア世帯への何らかのアクションが国政レベルで起こっていてもおかしくないからです。エンパシーの無い人間はsociopath, psychopathとも言われていますが、そういう人間が日本には多いとは思えません。ネットの書き込みを見ているとそういう人間がやたら多いのが気になりますが、掲示板やコメント欄にわざわざそのような書き込みをする人間は何らかのsocial disordersを抱えているのかもしれません。そういう人達は置いておくとして、empathyのある日本人がもっと貧困問題に声を上げていく必要があります。日本に千万単位で存在する、貧困女子、貧困児童、若者の貧困、working poor (ワーキングプア)、precariat (プレカリアート)に対するエンパシーが今の日本には一番足りていないだけでなく、今最も必要とされているものでもあるのです。

ヘリコプターマネーは日銀の責務

ワープア世帯に金をばら撒くことは日銀の義務・責務でもあります。今まで散々円安・株高という形で富裕世帯に恩恵を与えまくってきたわけですから、今度は貧困世帯に恩恵を与える番でもあります。ワーキングプア世帯は、日銀の異常な金融緩和による超円安・超物価高と、政府による消費税大増税のせいで生活が疲弊しまくっています。完全に働いたら負けの状態に陥ってしまっています。世帯主がフルタイムで働いているワーキングプア世帯で、世帯主の年収が、1人世帯で200万円未満(年60万円)、2人以上世帯で300万円未満(年120万円)かつ、世帯の総収入が400万円未満の世帯に対し、カッコ内の額を非課税で毎年支給すれば、低賃金労働者に対するインセンティブになるだけでなく、景気拡大にもつながるはずです。世帯収入400万円未満でかなりの世帯が該当しなくなると思われるので、年5~6兆円程度のヘリコプターマネーといった感じではないでしょうか。セーフティーネットの拡充だけではなく、生活保護受給者との間の不公平/不公正感も解消され、一石二鳥の優れた金融政策でもあるのです。EFFやREITの購入よりは余程まともな金融政策だし、日本経済の根底を支える層が崩壊すれば日本が終わるので、本気でこのような政策を考える時期に来ていることも確かです。移民政策よりは遥かに実現可能な現実的政策であるとも言えます。貧困問題に対する答えにもなるかと思います。

ワープア保護無くして日本に未来は無い

このままワーキングプアの保護が無ければ、日本は底から瓦解していくのも時間の問題です。いつまでもこの問題に手をこまねいていたおかげで、超々少子化は待った無しになってしまいましたが、働いたら負けという空気をこのまま放置し続ければ、誰も低賃金労働はしなくなり、やがては国そのものが崩壊します。未婚・少子化社会は、日本政府がバブル崩壊以降、ワープア世帯を無視し続けた無策の結果でもあります。アメリカで起こったサンダース革命はワープア世帯の逆襲とも言えます。アメリカのワープア世帯に対する政府援助は日本の比ではないにもかかわらず、それでもアメリカのワープア世帯は富裕層とのあまりの経済格差に怒り心頭なのです。アメリカのワープアは基本的に無税(payroll taxのみ)で、医療費も基本的に無料です(Medicaid)。それどころか、Earned Income Tax Credit (給付付き勤労所得税額控除)という形で、政府から金銭的インセンティブを支給されてさえいます。アメリカ政府がこれだけワープア世帯を保護しても、ワープア世帯は現状には満足していません。それは富裕層との経済格差が拡大し続ける一方だからです。一方の日本はと言えば、生活保護以下のワープア世帯でも、所得税、住民税、厚生年金、社会保険全て支払わされます。生活保護世帯は税金も、国民健康保険税も国民年金も全て免除なのにです。医療費も生活保護世帯とは違って、全て自己負担です。もうメチャクチャです。こんな状況下でまじめに働いているワープア達はまさに、正直者が馬鹿を見るを地で行っています。こんなことがいつまでも許され続けるわけはないと思っています。何故なら、酷い社会的矛盾を抱える社会は、その矛盾が限界に達すればその反動が大きく跳ね返ってくるからです。日本はあらゆる意味で臨界点にあると言ってもいいかもしれません。超々少子化、未婚社会、超絶高齢化、人口減少、低成長、1000兆円を超える借金、これら全ては日銀による異常な金融緩和によって覆い隠されていますが、それがいつまで持続可能であるのかは誰にも分かりません。