マクロファージとかいう大食いが体内に住んでるらしい

シェアする

その買うを、もっとハッピーに。|ハピタス

macrophage(マクロファージ)は白血球の一種で、免疫に関係しているそうです。

何でもガツガツ貪り食べるから大食細胞、貪食球とも呼ばれているみたいです。

人間の体内に侵入した悪いウィルスや細菌だけではなく、死んだ細胞や人体に有害な老廃物まで食べてしまうらしいです。サバンナの掃除屋の異名を持つハイエナのように、マクロファージは体内の掃除屋とも言えるのかもしれません。

マクロファージは人間の健康維持のために日夜懸命に働いてくれています。

そんな素晴らしい働きをして我々を外敵から守ってくれているマクロファージなのですが、外敵を補食する時に、活性酸素や他の炎症誘発物質(サイトカイン)を出して、それが痛みの原因になってしまっているらしいです(炎症メディエーター)。

スポンサーリンク

itaconate (イタコン酸)

しかし、その一方でマクロファージはitaconateと呼ばれる抗酸化物質で抗炎症物質を大量に算出するらしいです。

Natural metabolite can suppress inflammation

An international group of scientists from US, Canada, Germany and Russia has revealed a substance produced in humans that can suppress the pro-inflammatory activity of macrophages – specific cells of immune system. The substance known as itaconate is released in large quantities by macrophages themselves, but until now its role remained poorly studied. Now scientists have found evidence that itaconate acts as an antioxidant and anti-inflammatory agent. These properties make itaconate promising for the treatment of pathologies caused by excessive inflammation or oxidative stress. Such conditions may be associated with cardiac ischemia, metabolic disorders and perhaps autoimmune diseases. The findings were published in Cell Metabolism.

「アメリカ、カナダ、ドイツ、ロシアの国際的な科学者グループは、免疫系の特異細胞のマクロファージの炎症誘発行動を抑える人体内で生産される物質を明らかにしました。イタコン酸として知られているその物質は、大量にマクロファージ自身によって放出されているのですが、これまでその役割はほとんど研究されていませんでした。現在科学者は、イタコン酸が抗酸化・抗炎症物質として働く証拠を発見しました。これらの特性は、イタコン酸を過剰な炎症、あるいは、酸化ストレスによって引き起こされる病状の治療に対し前途有望にしています。そのような症状は心虚血、代謝障害、そして恐らく、自己免疫疾患に関連しているかもしれません。この発見はCell Metabolism誌上で発表されました。」

マクロファージは炎症誘発物質や活性酸素を放出する一方で、それを抑える物質も同時に放出しているみたいです。そうでないととんでもない事になってしまうんでしょうね。

An important feature of macrophages is their ability to switch between different states depending on the concentration of various substances in the body. In total, there are three such states: M0 – neutral, M1 – pro-inflammatory and M2 anti-inflammatory.

「マクロファージの重要な特性は、体内のさまざまな物質の濃度次第で違った形態に自由に切り替えられる能力です。全体で、3つのそのような形態が存在します。M0(中立)、M1(炎症誘発)、M2(抗炎症)」

なるほど、3形態を自由に切り替えることで、臨機応変に対応しているわけですね。普段は中立で外敵を捕食中はM1で、外敵殲滅後はM2で、また中立に戻るみたいな。

スポンサーリンク

免疫システムを司るマクロファージ

M1 macrophages are the first who arrive to fight the infection. As they begin to swallow viruses and bacteria, an intense inflammatory process kicks in. This process may adversely affect the entire organism if the macrophages become overly diligent. Inflammation consumes energy resources of the organism and can lead to numerous complications or even death. That is why in order to mitigate the negative consequences of immune response, it is important to understand how we can reduce the excessive proinflammatory effect of macrophages.

「M1マクロファージは感染と戦うために最初にやって来ます。彼等がウィルスと細菌を補食し始めると、激しい炎症過程が始まります。このプロセスは、もしマクロファージが過度に活発になれば、全ての生命体に悪影響を与えます。炎症は生命体のエネルギー資源を消費し、数多の厄介な問題を引き起こします。こういうわけで、免疫反応のマイナスな影響を緩和するために、我々がどのようにして、マクロファージの過剰な炎症誘発を減らせるのかを理解することが重要になってくるのです。」

ウィルスや細菌感染の際、M1マクロファージが真っ先に火消しに駆け付けて来るようです。免疫機構の切り込み隊長的存在で、免疫系の守護神、司令塔とも言えますが、頑張り過ぎると、逆に人体にマイナスな影響を与えてしまいます。マクロファージを過剰に活性化させない事が炎症抑制には重要になってくるようです。M1マクロファージが活発になり過ぎると、炎症が酷いことになってやばいみたいです。

スポンサーリンク

Krebs cycle (クレブス回路)

To understand how itaconate reduces the activity of immune cells, the researchers examined the so-called Krebs cycle, or tricarboxylic acid cycle and cellular respiration (processes of producing of vital substances and energy from the oxidation of glucose in cells).

「イタコン酸がどう免疫細胞の活動を低減しているのかを理解するために、研究者は、いわゆるクレブスサイクル、または、トリカルボン酸サイクルと細胞呼吸(細胞内のグルコース/ブドウ糖の酸化から生命維持に必須の物質とエネルギーの生産工程)を調べました。」

クレブス回路、トリカルボン酸回路はクエン酸回路とも呼ばれています。クエン酸回路について少し調べてみました。クエン酸回路(Citric Acid Cycle)

クエン酸回路(citric acid cycle)はクレブス回路(Krebs cycle)、トリカルボン酸回路(TriCarboxylic Acid cycle、TCAサイクル)とも呼ばれている反応経路群で、細胞代謝の中心的存在であり、エネルギー産生と生合成の両過程において主たる役割を果たして いる。この回路で解糖系酵素(glycolytic enzyme )から始まった糖分解作業は終わり、この過程からATPをつくる燃料が供給される。また生合成反応においても中心的な存在となっており、アミノ酸などの分子を作るのに使われる中間体を供給している。クエン酸回路を司る酵素は、酸素を使う全ての細胞だけでなく、酸素を使わない細胞の一部でもみられる。

ATP (adenosine triphosphate)はアデノシン三リン酸の事みたいです。

生き物のエネルギー通貨を生み出すナノモーター

ATP(アデノシン三リン酸)とは、生物に必要不可欠なエネルギーの供給源です。植物もバクテリアも、全ての生物はこのATPという小さな分子をADP(アデノシン二リン酸)とリン酸に加水分解することで生まれるエネルギーによって活動しています。運動はもちろん、細胞の中のいろいろな化学反応を進行させる、嗅いや味を感じる、あるいはDNA(遺伝子)の複製まで、あらゆることにATPは用いられます。いわばエネルギーと交換できるお金のようなもので、エネルギー通貨と呼ばれることもあります。

ATPが分解されて出来たADPとリン酸は、食べ物を燃焼して得られるエネルギーによって再びATPに合成されます。人間の体内にはわずか数10グラ ム、約3分間分のATPしか存在しませんが、常時使っては合成しているので、一日に作られるATPは体重に相当する量になります。

クエン酸サイクルとアデノシン三リン酸の重要性がよく分かります。

The Krebs cycle is preceded by signal transmission between cells through oxygen-sensitive pathways. Itaconate blocks the enzyme called Sdh (succinate dehydrogenase), which not only ensures the functioning of the tricarboxylic acid cycle but also links the cycle to cellular respiration and signaling pathways.

「クレブスサイクルは、酸素感受性経路を介した細胞間での信号伝送によって先行されます。イタコン酸は、トリカルボン酸サイクルの機能確保だけではなく、そのサイクルを細胞呼吸とシグナル経路にリンクさせるSdh(コハク酸デヒドロゲナーゼ)と呼ばれる酵素をブロックします。」

イタコン酸を使えば、マクロファージの活性化を制限する事ができ、炎症活動を抑え込む事が可能になるようです。そういう意味で、抗酸化・抗炎症物質と言われているみたいな感じです。まだネズミを使った実験の段階なので、人間に対する有効性のテストのためにはまだまだ多くの課題が残されているらしいです。

スポンサーリンク

シェアする

フォローする