鼻から脳や脊髄に侵入して悪さをするという、かなり危険な細菌がいるみたいです。聞いただけで、あまりにもヤバ過ぎるバクテリアです。鼻からたった一回息をしたばかりに、そんな恐ろしい細菌に脳や脊髄が侵されてしまうとか、考えただけでも鳥肌が立ちますが、日本では今のところはそんなに馴染みがない細菌なので一応は安心です。ただ、このまま地球の温暖化が進行して行けば、日本の亜熱帯化が進み、その結果どうなるかは分かりません。
その忌まわしい病原菌は、Burkholderia pseudomallei(グラム陰性桿菌)と呼ばれ、それにより、類鼻疽(メリオイドーシス)というとても厄介な病気が引き起こされます。
国立感染症研究所によると、”類鼻疽に特徴的な症状はなく、急性症状を呈することも慢性症状を呈することもある。肺炎や関節、軟組織、内臓に膿瘍を形成する”ということなので、かなり厄介な病原菌のような気がします。
これまでに日本では、戦後約10例の感染報告がなされている。いずれも流行地域への渡航歴があり、現地で感染したと考えられる輸入症例である。また、これらの症例では糖尿病の基礎疾患を持つ患者が多い。日本国内ではB.pseudomalleiは環境中に存在しないとされている。このため、類鼻疽疑い患者に対しては流行地域への渡航歴を確認することが重要である。
このバクテリアは、日本には今のところは存在が確認されていないようです。
鼻から脳へ
eurekalert!のニュース記事から引用させてもらいます。
“Imagine walking around and you sniff it up from the soil and the next day you’ve got this bacteria in your brain and damaging the spinal cord,”
「散歩中に土壌から菌を吸い込んでしまい、次の日、脳にこの菌が侵入していて、脊髄に損害を与えることを想像してみてください。」
鼻から吸い込んだだけで、ちょっと信じたくない現実です。
“It can be at a very low level, the body doesn’t even know it’s there. You could have it and don’t know it, that’s scary.
「菌は目立たずにいる事ができるので、体は脳に菌がいることさえ知りません。感染していても、感染に気づかないので、それが怖くもあるのです。」
感染しても自覚症状が無ければ、感染に気付かないので、確かに怖いですね。
徐々にダメージを与える
“It could just be sitting there waiting for an opportune moment, or it could just be doing small incremental damage over a lifetime. You could lose the function in your brain incrementally.”
「好機を狙って脳でただ待機するか、あるいは、一生涯にわたり徐々に小さいダメージを与え続けることもできます。徐々に脳の機能を失っていく可能性があるのです。」
チャンスを窺うというのが嫌らしいですが、ジワジワと脳にダメージを与え続けられるのも嫌な感じです。どっちにしても、関わりたくない最近ではあります。
どうやって鼻から脳へ侵入するのか?
“Our latest results represent the first direct demonstration of transit of a bacterium from the olfactory mucosa to the central nervous system (CNS) via the trigeminal nerve; bacteria were found a considerable distance from the olfactory mucosa, in the brain stem, and even more remarkably in the spinal cord,”
「我々の最新の研究結果は、嗅粘膜から三叉神経経由で中枢神経系へのバクテリアの通過の初めての直接論証である事を示しています。バクテリアは、嗅粘膜からかなり離れている脳幹内や、さらに驚くべきことに脊髄内で発見されました。」
鼻の粘膜から脳の中へそんなに簡単に侵入されてしまうとか、人間の防御機能はどうなってんでしょうかね。アメーバ(Naegleria fowleri、ネグレリア・フォーレリ)も侵入できるらしいので、あまりにもざる過ぎのような気がします。
温暖化で日本が亜熱帯化すれば、こういう恐ろしいバクテリアも繁殖する可能性があるので、地球の温暖化は決して他人事ではありません。