神経細胞成長、解糖から酸化的リン酸化へ

脳の健康維持には継続的な酸素供給とブドウ糖供給が欠かせません。それはミトコンドリアと呼ばれる細胞小器官が酸素とブドウ糖を使って好気的呼吸を行い、細胞が活動するために必要なエネルギーに変換してくれているからです。

このミトコンドリアについてかなり詳しく解説してくれているサイトがあるので、そこからこの非常に重要な小器官の説明を引用させてもらいたいと思います。佐賀大学の医学部のサイトみたいなので、信憑性も高いのではないでしょうか。

グラム陰性陽性細菌・好気性嫌気性細菌について

ミトコンドリアのおもな働きは、好気的呼吸をおこなって細胞が活動するためのエネルギーをつくることである。この好気的呼吸では、まず、細胞質内で糖や脂肪が分解されてピルビン酸になり、できたピルビン酸がミトコンドリアにはいって、一連の反応がおこる。その一部がクエン酸回路またはクレブス回路とよばれるものである。

この一連の反応でピルビン酸は酸化され、二酸化炭素と水素原子ができる。できた水素原子は特別な運搬分子によって、内側の膜のクリスタまではこばれる。そして水素は電子伝達系(呼吸鎖)とよばれる膜に結合した1組の酵素・補酵素群にわたされる。

電子伝達系は10個の水素原子をそれぞれ電子(e)とプロトン(H+)にわける。10個の電子は電子伝達系をすすみ、最後は酸素とプロトンとが結合して水になる。

電子伝達系で電子をやりとりして酸素とプロトンから水ができるとき、大量のエネルギーが放出される。このエネルギーを電子伝達系の5番目の構成成分がつかまえる。この5番目の構成成分がATPase(アデノシントリホスファターゼ)とよばれる、ATPを合成する酵素である。このATPaseは、アデノシン二リン酸(ADP)にリン酸基をくっつけてATPを産生する。このADPからATPができる経路をリン酸化という。

できたATPは宿主細胞の細胞質へ放出される。宿主細胞は、このATPをエネルギー源としてすべての反応をおこなう。そのとき、ATPADPになり、細胞はADPをミトコンドリアにもどして、ふたたびリン酸化に利用する。

脳は酸素が必須

Power up: growing neurons undergo major metabolic shift

Our brains can survive only for a few minutes without oxygen. Salk Institute researchers have now identified the timing of a dramatic metabolic shift in developing neurons, which makes them become dependent on oxygen as a source of energy.

「我々の脳は酸素なしでは数分しか存続できません。ソーク研究所の研究者は現在、エネルギー源としてそれらを酸素依存にしている神経細胞発達における変化の劇的な代謝のタイミングを確認しています。」

酸素が無ければ脳細胞は発達できないことが、それらを酸素依存にしてしまっているみたいです。換言すれば、脳の発達には酸素が欠かせないという事になります。

神経細胞代謝

“There is relatively little understanding about how neuron metabolism is first established,”

「ニューロンメタボリズム(神経細胞代謝)がどのようにして最初に確立されるのかについては、比較的ほとんど理解されていません。」

“Aside from enabling us to understand this process during neuronal development, the work also allows us to better understand neurodegenerative disease.”

「神経発達の間のこのプロセスを我々に理解させる事に加えて、その研究は、神経変性疾患のより一層の理解を促してくれます」

神経細胞代謝のメカニズムが神経変性疾患と関係しているようです。

酸素とブドウ糖をエネルギーに変える

To send messages along neurons is energetically demanding, and the brain uses both oxygen and glucose intensely. The brain, for example, uses 20 percent of the body’s glucose supply. The cell’s energy-producing factories, called mitochondria, are scattered throughout the long, slender axons of neurons in order to provide all parts of the cell with a constant supply of energy. As the neurons get bigger, so do the number of mitochondria, according to the new study.

「ニューロン間でのメーセージのやり取りにはエネルギーが大量に要求され、脳は酸素とブドウ糖を激しく消費します。例えば、脳は人体のグルコースサプライ(ブドウ糖供給)の20%を必要とします。ミトコンドリアと呼ばれる細胞のエネルギー生産工場は、細胞の全パーツに継続的にエネルギーを供給するために、長くて細い神経細胞の軸索の至る所に散らばっています。神経細胞が増加するに連れて、ミトコンドリアの数も増えていきます、と新しい研究が言っています。」

神経細胞が増えると、当然ミトコンドリアの数も増えます。つまり成長するに連れてミトコンドリアが増えるので、活性酸素などの有害物質も増えて老化が早まるのかもしれません。

解糖から酸化的リン酸化

The cells that eventually become neurons initially use a pathway called glycolysis, which is a major energy-producing process that takes place in the cytoplasm of the cell and turns glucose into energy in the form of adenosine triphosphate (ATP). At some point, however, the cells switch to a more efficient pathway called oxidative phosphorylation, a process that uses oxygen to produce ATP and occurs inside the mitochondria.

「最終的に神経細胞になる細胞は最初のうちは、細胞質中で起こる主要なエネルギー生産工程であり、ブドウ糖をアデノシン三リン酸(ATP)の形でエネルギー変換する解糖という経路を使います。ある時点で、しかし、その細胞は、ミトコンドリア内部で起こるATP生産に酸素を使う工程で、酸化的リン酸化と呼ばれる、より効率の良い経路へ切り替えます。」

解糖から、ミトコンドリアが大量の酸素を使う酸化的リン酸化という経路に切り替わることで、神経細胞は酸素依存になってしまうようで、それが活性酸素(細胞の老化)などのさまざまな問題を引き起こして、神経変性疾患の原因になっているような事を言っています。