バージニア・ヘルス・システム大学による新しい研究で、人の免疫システムが人の社会的相互作用に影響を与える事が分かったみたいです。免疫が人の人格形成に関与している事は意外でしたが、そうだとすれば、人の性格は生まれつき決定付けられている事を意味していて、生まれか育ちかの議論に決着がつくような気がします。とは言っても、免疫系はあくまでも人の人格形成の一部に関与しているだけであって、人格全てを決定しているわけではないらしいので、やはり教育も重要になってくるはずです。
人間の性格を良くするには道徳教育が非常に重要です。道徳心の欠如が社会に害悪を撒き散らすだけではなく、人間を醜い存在に変質させてしまいます。なので、学校教育が大切になってくるのですが、残念ながら公立学校という劣悪な教育環境、あるいはシステムが、多くの社会不適格者を作り出してしまっています。
免疫が性格の一部に影響
Shocking new role found for the immune system: Controlling social interaction
“The brain and the adaptive immune system were thought to be isolated from each other, and any immune activity in the brain was perceived as sign of a pathology. And now, not only are we showing that they are closely interacting, but some of our behavior traits might have evolved because of our immune response to pathogens,”
「脳と適応免疫システムは、互いに分離されていると考えられていて、脳内におけるどんな免疫活動は、病変の兆候と受け取られていました。そして今、我々は、脳と適応免疫システムが密接に関わり合っているだけではなく、人間の行動特徴の一部は、病原菌に対する免疫反応のために進化したのかもしれない事を明らかしています。」
その人の人格の一部は免疫系の影響を受けてしまっているようです。
インターフェロンガンマ
The UVA researchers have shown that a specific immune molecule, interferon gamma, seems to be critical for social behavior and that a variety of creatures, such as flies, zebrafish, mice and rats, activate interferon gamma responses when they are social. Normally, this molecule is produced by the immune system in response to bacteria, viruses or parasites. Blocking the molecule in mice using genetic modification made regions of the brain hyperactive, causing the mice to become less social. Restoring the molecule restored the brain connectivity and behavior to normal.
「バージニア・ヘルス・システム大学の研究者は、インターフェロンガンマという特定の免疫分子が社会的行動決定的に重大な意味を持っていて、例えば、ハエ、ゼブラフィッシュ、ネズミなどのいろいろな生物は、それらが社交的な場面でインターフェロン・ガンマを活性化させているように見えます。普通は、この分子はバクテリア、ウィルス、あるいは、寄生虫への対応において免疫システムによって生産されます。遺伝子組み換えを使ってネズミ中のその分子を阻害することは、脳の一部を異常に活性化させ、ネズミを非社交的にさせました。分子を回復することで、脳接続と正常な行動を回復しました。」
インターフェロン・ガンマという免疫分子が正常な社会行動をコントロールしているような感じです。これがないとネズミは異常な行動をとるようになり、逆にこれがあるとネズミは正常な行動をとるようになる事からもそれが分かります。
免疫システムの社会的重要性
“Immune molecules are actually defining how the brain is functioning. So, what is the overall impact of the immune system on our brain development and function?” Kipnis said. “I think the philosophical aspects of this work are very interesting, but it also has potentially very important clinical implications.”
「”免疫分子は実質的に脳がどのように機能するかを決定しています。そこで、私達の脳の発達と機能に関する免疫機構の総合的な影響は何なのか?”とキプニスは語った。”私は、この研究の哲学的な側面はとても興味深く、しかしまた、潜在的にとても重要な臨床上の意義を持っています。”」
“Using this approach we predicted a role for interferon gamma, an important cytokine secreted by T lymphocytes, in promoting social brain functions,”
「このアプローチを用いて、我々は、社交的な脳機能を促進する、Tリンパ球によって分泌される重要なサイトカインである、インターフェロン・ガンマの役割を予測しました。」
“Our findings contribute to a deeper understanding of social dysfunction in neurological disorders, such as autism and schizophrenia, and may open new avenues for therapeutic approaches.”
「我々の発見は、例えば自閉症や統合失調症のような神経学的な障害分野における社会的機能不全の深い理解に貢献し、治療手段のための新しい道を開くかもしれません。」
免疫系が神経学的疾患に及ぼす影響が分かったので、それらの障害に対する新しい治療手段が確立される可能性が将来的に約束されているっぽい感じを受けます。それ以外にも、人の性格を良くして、もっと社交的な人間に変えることも可能になるのではないでしょうか。心の健康もまた、免疫システムの力によって守られているとも言えるのかもしれません。