7月18日(月)から21日(木)まで、オハイオ州クリーブランドで、共和党全国大会が開催されます。当初は波乱含みの展開が想定されていましたが、党大会自体は何の波乱もなく終了することが予想されています。ただ、反トランプデモが会場外で行われる予定なので、最悪の事態だけは何とか避けられるように、祈るしかありません。
トランプは大方の予想に反して、インディアナ州知事のMike Pence(マイク・ペンス)を副大統領候補に指名しました。トランプは副大統領候補に、絶対に女性を選ばなくてはならないと言われていたのですが、今回の選択でトランプのmisogynyが決定的となり、その事が民主党のmemeとして使われるのではといった、悲観的な意見もあるみたいです(Pro-life Mike Pence, Trump will ‘make misogyny great again’)。
Mike Penceは、Newt Gingrich(ニュート・ギングリッチ)やニュージュージー州知事のChris Christie(クリス・クリスティ)よりは遥かにましなのですが、もっとましな候補者はいなかったのかという疑問が生じます。トランプの副大統領候補になりたい共和党員は少ないというのが、もっぱらの噂になっているみたいな感じです。
Joni Ernst(ジョニ・エルンスト or アーンスト)
トランプは恐らくジョニ・アーンストを副大統領候補にしたかったのでしょうが、彼女が断ったらしいので、最終的にマイク・ペンスを選んだのではないでしょうか。
Conventional Wisdom: The Trump Veepstakes Edition
Another senator, Iowa’s Joni Ernst, also took a pass last week on being Trump’s VP. She met with the businessman, along with Republican National Committee chairman Reince Priebus, and Trump was quick to heap praise on her via Twitter after the fact. But almost as quickly as her name burst into discussions, it was out; “I made that very clear to him that I’m focused on Iowa,” Ernst said two days after meeting with Trump. “I feel that I have a lot more to do in the United States Senate.”
「別の議員であるアイオワのジョニ・アーンストもまた、トランプのVPになるのを辞退しました。彼女はトランプと会い、共和党全国委員会委員長ラインス・プリーバスも同席して、トランプは事後にすぐにツイッターでアーンストを褒めちぎりました。しかし、彼女の名前が突然議論し始められるのとほぼ同じ速さで、彼女の名前は消えました。”私は彼にアイオワに専念したいと明確に意思表示しました。”とアーンストはトランプとの会談2日後に語った。”私は上院でもっとやることがあるように感じています。”」
アイオワ州は非常に重要なswing state(パープルステート)の1つで、アーンストは女性、さらにveteran(退役軍人)でもあるので、完璧な副大統領候補と言えます。しかし、NYTは彼女を第二のサラ・ペイリンのように言っていて、トランプはラッキーだったみたいな言い方をしています(NY Times: Trump’s Grounded Plane a Lucky Break for Pence in VP Race)。
Sarah Palin(サラ・ペイリン)
ペイリンが党大会に招待されていない事が、巷で噂になっています。トランプはペイリンに断られたと言っていますが、真相は謎のままです。ペイリンが副大統領候補になれなかった事に腹を立てているとか、トランプ陣営がペイリンと距離を取り始めたとか(ペイリンの子供達の問題)、色々言われていますが、トランプにとってペイリンは既に用済みみたいに、かなり酷い言い方をする人達もいます。
ペイリンは一応は、ペンスに祝辞を述べてはいますが(Sarah Palin Congratulates Mike Pence, Calls for Unity to Win)、彼女の真意は分かりません。そもそも彼女がコンベンションに来ない理由が分からない以上、何とも言えません。トランプが招待しなかったのか、ペイリンが辞退したのか、何れにしても、非常に不可解な異常事態と言えます。
Ted Cruz(テッド・クルーズ)
クルーズはprimary終了後、low profileを貫いていますが、未だにトランプ支持を明言していません。バーニー・サンダースは既にヒラリー・クリントン支持を宣言していますが、クルーズがトランプを支持すること無しに、共和党がまとまるとはとても思えません。
クルーズは当然2020年を視野に入れたスピーチをコンベンションでするのでしょうが、そこで彼がトランプを批判するのか、あるいは、推薦するのかは今のところ未定です。クルーズとしては、2020年のためにも、トランプに負けて欲しいだろうし、彼がどう出るかは、ある意味、コンベンション最大の関心事だとも言えます(Cruz steps into spotlight for Trump)。
トランプが負ければ2020年は、テッド・クルーズ、マイク・ペンス、マルコ・ルビオ、スコット・ウォーカー、ポール・ライアンが共和党の有力候補になるのですが、やはり、テッド・クルーズが共和党予備選挙を制するような気がします。2020年はクルーズの年になることだけは、間違いないでしょう。