毎年の採血検査を嫌う日本人は多いはずです。太い針を腕にぶっ刺すわけですが、痛いなんてもんじゃありません。私が子供の頃に、私が大人になる頃には、無痛採血が主流になっているなんて言われていたもんですが、全くのデタラメで世迷い言だった事が証明済みです。
そもそも1970年代には、40年後には癌は一昔前の結核のような存在になっているなんて言われていましたが、まだまだ、癌は恐ろしい病のままです。1970年代以降、科学の進歩が止まってしまったかのように遅くなったのが原因と言われていますが、量子コンピュータが、がん根絶の切り札になるかもしれないと言われているので、2~30年後にはガンはただの病気に成り下がっている可能性もあります。
無痛、無血のモニタリングシステム
Scientists develop painless and inexpensive microneedle system to monitor drugs
The new system consists of a small, thin patch that is pressed against a patient’s arm during medical treatment and measures drugs in their bloodstream painlessly without drawing any blood. The tiny needle-like projection, less than half a milimetre long, resembles a hollow cone and doesn’t pierce the skin like a standard hypodermic needle.
「新しいシステムは、治療中に患者の腕に押し付ける小さな薄いパッチで構成されていて、血を一滴も抜くことなしに無痛で患者の血流内の薬の分量を測定します。その極めて小さな針のような突起は、0.5mmより短く、中空円錐に似ていて、標準的な皮下注射針のように、皮膚に突き刺しません。」
一般的な採血検査というよりも、血管内の薬の監視システムのための針のようです。採血無しなので、当然痛みも感じないし、患者に優しい新システムみたいです。
マイクロニードル(極小針)
Microneedles are designed to puncture the outer layer of skin, which acts as a protective shield, but not the next layers of epidermis and the dermis, which house nerves, blood vessels and active immune cells.
「極小針は、防御用の縦の役目を果している皮膚の外層を刺し通すためにデザインされていますが、神経、血管、アクティブな免疫細胞を収容している、表皮と真皮の次の層は刺し通しません。」
針がとにかくあまりにも小さいため、痛みを感じる神経や、血管を傷付けないので、無痛・無血で薬のモニタリングを行い得るようです。もちろん血管を傷付けないで採血なんて不可能なので、無痛採血は物理的に不可能なのかもしれません。
薬剤のモニタリング
Patients taking the antibiotic undergo three to four blood draws per day and need to be closely monitored because vancomycin can cause life-threatening toxic side effects.
「抗生物質を摂取している患者は、バンコマイシンが命にかかわる中毒性の副作用を引き起こすので、1日3~4回の採血を受け、厳重に監視される必要があります。」
1日3~4回の採血はかなりきついです。点滴も受けているだろうしで、まさに針のむしろ状態であると言えます。無痛無血薬剤モニタリングシステムは救世主になり得ます。
The researchers discovered that they could use the fluid found just below the outer layer of skin, instead of blood, to monitor levels of vancomycin in the bloodstream. The microneedle collects just a tiny bit of this fluid, less than a millionth of a millilitre, and a reaction occurs on the inside of the microneedle that researchers can detect using an optical sensor. This technique allows researchers to quickly and easily determine the concentration of vancomycin.
「研究者達は、血流中のバンコマイシンのレベルを監視するために、血の代わりに、皮膚の外層直下に存在する液体を使える事を発見しました。マイクロニードルは、ミリリットルの100万分の1に満たない、この液体のほんの極微量を採集し、研究者が光学センサーを使って検知できる反応が、マイクロニードルの内部で発生します。このテクニックは研究者が素早く、簡単に、バンコマイシンの濃度を測定する事を可能にします。」
ほとんど無いに等しい量の液体を採集することで、バンコマイシンの血中濃度を決定することが出来るようです。凄い発見ではないでしょうか。健康診断における無痛採血や、治療における無痛点滴のシステムが、将来的に開発される事を願わずにはいられません。治療が少しでも痛くないように、無痛医療をもっと真剣に発展させていく必要があります。いつまでも痛みを伴う治療を続けていたら、人類が進歩したなどとはとても言えません。