低コストで欠陥のないグラフェンが合成可能に!

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グラフェンは最も将来有望な新素材に1つだと言われています。しかし、世界中の研究者達が今もなお、欠陥のないグラフェンを低コストで作り出す方法を探しています。フリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルク(FAU)の化学者が、初めて、黒鉛から直接、無欠陥グラフェンを作るのに成功したそうです。彼等は彼等の発見を最近Nature Communications誌に発表しています。グラファイトからダイレクトに欠陥のないグラフェンを低コストで実現したのは、さすがにドイツの科学は世界一と言えます。

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グラフェンの凄さ

Low-cost and defect-free graphene

Graphene is two dimensional and consists of a single layer of carbon atoms. It is particularly good at conducting electricity and heat, transparent and flexible yet strong. Graphene’s unique properties make it suitable for use in a wide range of pioneering technologies, such as in transparent electrodes for flexible displays.

「グラフェンは2次元で炭素原子の単層で構成されています。それは特に電気と熱を伝導するのが得意で、透き通っていて、柔らかく、それでいて頑丈です。グラフェンのユニークな性質が、それをフレキシブルディスプレイ用の透過性電極分野などの幅広い先端技術での使用に適した物にしています。」

グラフェンの凄さが、それを先端技術には欠かせない存在にしているみたいです。

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生産が困難

However, the semi-conductor industry will only be able to use graphene successfully once properties such as the size, area and number of defects – which influence its conductivity – can be improved during synthesis.

「しかし、半導体産業は、伝導性に影響を与える、サイズ、面積、欠陥数などの性質を、合成の間に改善できなければ、グラフェンをうまく使うことができません。」

性質を改善できた時点で初めて使える = 性質を改善できなければ使えない。

生産中にグラフェンの性質の改善ができなければ使い物にならないみたいです。

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画期的な生産方法

With the help of the additive benzonitrile, they have found a way of producing defect-free graphene directly from a solution. Their method enables the graphene – which is of a higher quality than ever achieved before – to be cut without causing defects and also allows specific electronic properties to be set through the number of charge carriers. Furthermore, their technique is both low-cost and efficient.

「添加剤ベンゾニトリルの助けで、彼等は溶液からそのまま無欠陥グラフェンを産出する方法を発見しました。彼等の手法は、かつてないほどの高品質なグラフェンが、欠陥を引き起こすことなしにカットされるのを可能にしたり、特定の電子物性が電荷担体数に応じて設定される事も同様に可能にしています。さらに、彼等の技術は低価格で高効率の両方です。」

話があまりにも出来過ぎているような気もしますが、そう思ってしまうほどに、今回の発見が画期的だという証明にもなっているのではないでしょうか。

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グラフェン合成

A common way of synthesising graphene is through chemical exfoliation of graphite. In this process, metal ions are embedded in graphite, which is made of carbon, resulting in what is known as an intercalation compound. The individual layers of carbon – the graphene – are separated using solvents. The stabilised graphene then has to be separated from the solvent and reoxidised.

「グラフェン合成の一般的な方法は、グラファイトの化学的剥離によります。この過程で、金属イオンは、炭素でできているグラファイト中に埋め込まれ、層間化合物として知られている物を生み出します。炭素、グラファイトの個々の層は、溶剤を使って分離されています。安定させたグラフェンは次に、溶剤から分離・再酸化されなければなりません。

However, defects in the individual layers of carbon, such as hydration and oxidation of carbon atoms in the lattice, can occur during this process. FAU researchers have now found a solution to this problem. By adding the solvent benzonitrile, the graphene can be removed without any additional functional groups forming – and it remains defect-free.

「しかし、格子内の炭素原子の水酸化や酸化などの、炭素の個々の層における欠陥が、この過程の間に発生する可能性があります。FAUの研究者達は現在、この問題の解決策を見つけ出しています。溶剤ベンゾニトリルを添加することで、グラフェンを付加的な官能基を一切形成することなく取り出すことができ、しかもそれは無欠陥のままです。」

溶剤を添加することで追加の官能基なしで無欠陥グラフェンを分離できるようです。

‘Based on this discovery we can expect to see major advancements in terms of the applications of this type of graphene which is produced using wet chemical exfoliation. An example could be cutting defect-free graphene for semi-conductor or sensor technology.’

「この発見を基にして、我々は、湿式化学剥離法を使って生産されるこの種のグラフェンの利用に関する大きな進歩を見ることを期待できます。1つの例は、半導体かセンサー技術のために無欠陥グラフェンを切断可能なことです。」

無欠陥のままグラフェンを加工できることが、このグラフェンの強みのようです。

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追加のメリット

The method devised by FAU researchers has another advantage: the reduced benzonitrile molecule formed during the reaction turns red as long as it does not come into contact with oxygen or water. This change in colour allows the number of charge carriers in the system to be determined easily through absorption measurements. This could previously only be done by measuring voltage and means that graphene and battery researchers now have a new way of measuring the charge state.

「FAU研究者によって考案されたこの手法は、もう一つのメリットを有しています。反応の間に形成された還元したベンゾニトリル分子が酸素か水と触れ合わない限り赤に変化するということです。この色の変化は、システム中の電荷担体数を吸収量測定を通じて簡単に割り出すことを可能にします。これは今までは、電圧を測る事のみで可能で、グラフェンと電池の研究者たちは今、荷電状態を測定する新しい手段を持っている事を意味しています。」

溶剤の色変化を、グラフェンを用いた電池研究にも使えるみたいです。

無欠陥グラフェンを安価に作れるようになったという事で、今後、CNTトランジスタのようにシリコントランジスタを上回る高性能なグラフェントランジスタが登場するのはもはや時間の問題なのかもしれません。CNTトランジスタとグラフェントランジスタが半導体の新しい未来を切り開くことはほぼ確実だと言えるのではないでしょうか。

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