心の貧困化:NHK女子高生貧困問題に見る日本の病巣

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NHKの貧困問題に登場した女子高校生が未だに話題になっていますが、この問題から日本という国がいかに病んだ国なのかがよく分かります。国が病んでいるというよりは、一部の人間達が病んでいるわけですが、そういう人間達の声が大きいだけに、国全体が病んでしまっているのが、今の日本の悲しい現状と言えます。木を見て森を見ずというか、物の本質が見抜けないというか、愉快犯で騒いでいるだけなのかは分かりませんが、日本人の稚拙さと陰湿をまざまざと見せつけてくれたネット炎上だったとも言えます。

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何で高校生なのか?

貧困の子供を扱うなら、少なくとも義務教育までにしておくべきだったし、子供食堂の小学生に取材でもしていた方が無難だったことは言うまでもありません。NHKが何を以って今回取材した高校生を貧困と定義したのかは分かりませんが、少なくとももっと貧困の子供は今の日本にはいくらでもいるわけで、今回のお粗末な一件は、高給取りばかりのNHK関係者達(外注の可能性もありますが)のあまりにも稚拙な貧困に対する考え方が招いた悲劇であったとも言えてしまうのです。つまり、平均年収が2000万円近いNHK職員たちにとっては、世帯収入が3分の1以下の世帯は貧困に見えてしまうのだろうという事です。

もちろん、法的には高校生も子供ですが、貧困問題の深刻さを国民に叩き込みたいなら、それこそ貧困と薄給に喘ぐ小さい子供を持つ母親を対象にするべきでした。こんな小さい子供に貧困を味合わせていいのか!と声高に叫ぶべきで、生活保護を受けられずに薄給で重労働を強いられる母親に焦点を当てた方が、子供の貧困の深刻さがひしひしと伝わってくるはずです。それこそ日本の深い闇を抉り出すことが可能だし、こういう人達の犠牲の上に、のほほんと惰眠を貪って生きている日本人が多いという事を思い知らせるべきだったのです。

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何故高校生は叩かれたのか

何でも叩きたいのがネット民なのは承知ですが、何故高校生が叩かれたのかは、全く意味不明です。貧困で進学できない可哀想な高校生で終わりでいいじゃんという感じですが、あたかもこの国には子供の貧困など存在しないと言わんばかりの叩きっぷりには閉口させられました。貧困なんて騒いでも所詮はこの程度、貧困ビジネスで儲けている奴らが貧困問題を煽っているだけ、貧困は自己責任等のメチャクチャな発言にはさすがに辟易させられました。

この国には子供の貧困は確実に存在しているし、それは子供の責任では決してありません。親の責任ではあるかもしれませんが、子供に対して、「親の責任だから諦めろ」とは誰も言えないはずです。それでは人間とは言えないし、獣と何ら変わりありません。もし人間ならエンパシーを持てと言いたいです。優しくなければ人間ではないからです。貧しいながらも健気に生きている高校生を叩くとか言語道断です。あまりにも酷すぎます。

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日本人の心の醜さ

(ごく一部の)日本人の心の醜悪さをまざまざと見せつてくれた今回のNHKやらせ疑惑騒動ではありましたが、この国の貧困化(1億総貧困化)が深刻なのは、貧困予備軍が、貧困は対岸の火事と思い込んでいるところにあります。今は異常な金融緩和と1000兆円を超える借金で何とか急場を凌いでいますが、異常な行動をとり続け、無茶な借金をし続ければ、やがては破綻がやって来ます。その猛烈な反動で、一億総貧困化が一気に達成されるはずです。絶対的な富裕層や強力な政治的なコネでもない限り、誰でも貧困に陥る可能性があることを、8割の国民達は、常に肝に命じておく必要があります。

日本がここまで落ちぶれたのは、ある意味日本人の心が貧し過ぎるからでもあります。心の貧しい卑しい人間が多いから、職場はブラック化し、人手不足が深刻になり、あるいは、心の病が蔓延し、働いたら負けな環境が若者から労働意欲を奪い去り、社会がすっかり閉塞してしまい、その結果として経済が20数年間も停滞してしまっているのです。

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日本人の心の貧しさ

心の貧しい日本人が増えたとは、最近よく耳にする言葉で、昔ばーちゃんから、どんなに貧しくても心までは貧しくなるなと、厳しく言い聞かせられていた自分は、ボロは着てても心は錦状態なので、良い服着てても心は貧しい日本人を見ていると、非常に悲しくなってきます。少なくとも、上に立つ人間達の心が豊かだったら、この国はもっと良い国になるし、国民がもっとエンパシーを持って人に親切になる事ができれば、日本は良い方向へ向かうはずです。日本人には一刻も早く人間性を取り戻してもらいたいものです。

経済的に余裕があっても心が貧しければ、それは人として間違った生き方です。例えば、シンドラーのリストを見て、人助けとお金とどちらが大事か?と聞かれれば、ほとんどの人が人を助ける方が大事だと答えるでしょう。しかし、実際はほとんどの人がお金を選択しています。それが人間の悲しさでもあり、限界でもあります。

お金で人を心から感動させることはできません。人間の優しさ、思いやり、親切心だけが、人を心の底から感動させることができるのです。今回の騒動が我々に教えてくれることがあるとすれば、それは、例え経済的に貧しくても、心まで貧しくなるなということだったのではないでしょうか。日本人には、ボロは着てても心は錦が似合っています。

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