4重鎖DNAが癌のターゲット療法に役立つ!?

ケンブリッジ大学の研究者が、ヒト細胞のゲノム内部の4重鎖DNAのある場所を特定し、それが新しい癌のターゲット療法のカギを握っているかもしれないことを提唱しています。彼等は4重螺旋構造が特に癌遺伝子を制御するDNAの部位に多い事を発見し、遺伝子のオンオフ切替に関わっている可能性を示唆しています。

Nature Genetics誌で発表された今回の研究成果によると、がん診断等への応用が可能なような感じで、今後のがん治療に新たな一石を投じそうです。

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グアニン四重鎖

Quadruple helix form of DNA may aid in the development of targeted cancer therapies

Most of us are familiar with the double helix structure of DNA, but there is also a version of the molecule which has a quadruple helix structure. These structures are often referred to as G-quadruplexes, as they form in the regions of DNA that are rich in the building block guanine, usually abbreviated to ‘G’. These structures were first found to exist in human cells by the same team behind the current research, but at the time it was not exactly clear where these structures were found in the genome, and what their role was, although it was suspected that they had a link with certain cancer genes.

「ほとんどの人は2重らせん構造のDNAには馴染みがありますが、4重らせん構造を持つ異形分子が同様に存在します。このような構造は、それらが通常Gと省略されるグアニンが豊富な構築ブロックのDNA領域で形成するので、しばしばグアニン四重鎖と呼ばれます。こうした構造は、現行の研究に関わっている同じチームによって、ヒト細胞に存在することが最初に発見されたのですが、その時点では、この構造が存在するゲノムの場所や役割は、特定の癌細胞との関連が疑われていましたが、必ずしも明らかではありませんでした。」

4重らせん構造のDNAの存在は全く知りませんでした。無知を恥じています。

今までは仮説の段階

“There have been a number of different connections made between these structures and cancer, but these have been largely hypothetical,”

「グアニン四重鎖とがんの間には多くの関係があれこれ指摘されてはいましたが、これらのほとんどが仮説に基づいたものでした。」

グアニン四重鎖と癌の関連性は今まではあくまでも仮説の話であったようです。

もはや仮説ではない?

“But what we’ve found is that even in non-cancer cells, these structures seem to come and go in a way that’s linked to genes being switched on or off.”

「しかし我々が発見した事は、この構造が、非癌細胞においてでさえも、遺伝子のオンオフ切り替えにリンクしている形で見え隠れしているように見えることです。」

Starting with a pre-cancerous human cell line, the researchers used small molecules to change the state of the cells in order to observe where the G-quadruplexes might appear. They detected approximately 10,000 G-quadruplexes, primarily in regions of DNA associated with switching genes on or off, and particularly in genes associated with cancer.

「ヒト細胞系の前がん状態で、研究者はグアニン4重鎖がどこに出現するかを観察するために細胞の状態を変える小さい分子を使いました。彼等は、主に遺伝子のスイッチのオンオフと関係しているDNAの領域で、特に、がんと関連がある遺伝子において、約1万ものグアニン4重鎖を検出しました。」

やはりグアニン4重鎖ががんと何らかの関係があるようです。

“What we observed is that the presence of G-quadruplexes goes hand in hand with the output of the associated gene,”

「我々が観測した事は、グアニン4重鎖の存在が、関連遺伝子の生産と密接に関係しあっているということなのです。」

This suggests that G-quadruplexes may play a similar role to epigenetic marks: small chemical modifications which affect how the DNA sequence is interpreted and control how certain genes are switched on or off.

「この事が、グアニン4重鎖が、DNA配列の解釈方法に影響し、特定遺伝子のスイッチ切り替え方法を制御している小規模化学修飾であるエピジェネティックマークによく似た役割を果たしているかもしれないことを示唆しています。」

グアニン4重鎖はエピジェネティックマークは似た機能を有しているそうです。

ターゲット療法

The results also suggest that G-quadruplexes hold potential as a molecular target for early cancer diagnosis and treatment, in particular for so-called small molecule treatments which target cancer cells, instead of traditional treatments which hit all cells.

「研究結果が、グアニン四重鎖が、特に全ての細胞を攻撃する従来の治療法の代わりに、癌細胞だけを標的にする小分子治療と呼ばれる、早期がん診断や治療のための、分子標的としての可能性を持っていることを示しています。」

他の細胞を傷付けずに癌細胞だけを攻撃する治療法が期待できるようです。

“We found that G-quadruplexes appear in regions of the genome where proteins such as transcription factors control cell fate and function,”

「我々は、グアニン四重鎖が、転写因子などのタンパク質が細胞の運命と機能を制御しているゲノムの領域に出現することを発見しました。」

“The finding that these structures may help regulate the way that information is encoded and decoded in the genome will change the way we think this process works.”

「グアニン四重鎖がゲノムにおいて、情報を符号化・復号化する方法を規制する手助けをしている可能性の発見は、このプロセスがどのように機能しているかの、我々の考え方を変えるでしょう。」

グアニン四重鎖が、ゲノム情報のエンコード・デコードに関わっているかもしれなという可能性と、特に癌関連の遺伝子に多く発現するという事実が、それを今後の癌のターゲット療法開発の大きなカギにしていることだけは確かなようです。まだまだ研究の初期段階なので何とも言えませんが、将来性はあるように思えます。

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