時代はグラフェンよりもボロフェン!?

グラフェンが脚光を浴びている中、ボロフェンがグラフェンよりもストレッチャブル・エレクトロニクスに適しているらしいことが分かったみたいです。まだ、研究は始まったばかりのようなので、当分はグラフェンの独壇場でしょうが、近い将来ボロフェンが主役の座に躍り出る可能性もなくなないのではないでしょうか。

フォスフォレン(リン)、ボロフェン(ホウ素)、グラフェン(炭素)の単原子層三兄弟というか、炭素三兄弟と共に今後が楽しみな兄弟達です。

スポンサーリンク

ボロフェンはボロくない

Long may you wave, borophene

When grown on silver, the two-dimensional form of boron, which is called borophene, takes on corrugations, helped by atomic vacancies in the lattice that make it more flexible. The metallic material may be suitable for use in stretchable, bendable electronics.

「銀上で成長させた時、ボロフェンと呼ばれる2次元形ホウ素は、それをより柔軟にしている格子中の原子空孔の助けで、波形を呈しました。その金属材料は伸縮可能で屈曲可能な電子機器に適しているかもしれません。」

ボロいどころか、ボロフェンが次世代装着可能デバイスの有望株になったようです。昔ボスボロットというボロロボットがいたのが思い出されます。

Though they’re touted as ideal for electronics, two-dimensional materials like graphene may be too flat and hard to stretch to serve in flexible, wearable devices. “Wavy” borophene might be better, according to Rice University scientists.

「それらは電子機器に理想的と謳われていますが、グラフェンのような2次元材料は、フレキシブルでウェアラブルなデバイスに使われるには、あまりにも扁平で硬過ぎます。とライス大学の科学者達が言ってます。」

ボロフェンは柔らかい

The Rice lab of theoretical physicist Boris Yakobson and experimental collaborators observed examples of naturally undulating, metallic borophene, an atom-thick layer of boron, and suggested that transferring it onto an elastic surface would preserve the material’s stretchability along with its useful electronic properties.

「ライスラボの理論物理学者と実験共働者は、原子薄層のホウ素である金属ボロフェンが自然に起伏している実例を観測し、それを弾性曲面へ移せば、それの有益な電子物性と一緒に材料の伸縮性も保てることを示唆しました。」

Highly conductive graphene has promise for flexible electronics, Yakobson said, but it is too stiff for devices that also need to stretch, compress or even twist. But borophene deposited on a silver substrate develops nanoscale corrugations. Weakly bound to the silver, it could be moved to a flexible surface for use.

「導電性の高いグラフェンはフレキシブルエレクトロニクスに期待されていますが、伸縮、圧縮、あるいは、捻りをも必要とするデバイスにはあまりにも硬すぎます。でも、銀基板に蒸着させたボロフェンはナノスケールの畝を作ります。銀と弱目に結合させて、柔軟性のある表面に移動させて使うことが可能です。」

Rice collaborated with experimentalists at Argonne National Laboratory and Northwestern University to study borophene, which has been made in small quantities. Under the microscope, borophene displays corrugations that demonstrate its wavy nature, meaning it can be highly stretched once removed from the substrate, or reattached to a soft one,

「ライスは、少量作られたボロフェンを研究するために、アルゴンヌ国立研究所とノースウェスタン大学の実験者達と協力しました。顕微鏡下で、ボロフェンは波形性を示し、いったん基板から取り外せば、かなり引き伸ばすことができ、あるいは、柔らかい基板上に再取り付けすることもできます。」

The Rice group builds computer simulations to analyze the properties of materials from the atoms up. Simulations by first author Zhuhua Zhang, a postdoctoral researcher in Yakobson’s group, showed that hexagonal vacancies in borophene help soften the material to facilitate its corrugated form.

「ライスグループは、原子から材料の性質を分析するためにコンピューターシミュレーションを構築しています。シミュレーションは、ボロフェン中の六角空孔が、それの波形を促進するために材料を柔らかくしていることを示しました。」

from the atoms upはfrom the bottom upに引っ掛けていると思われています。

ディラックコーン

“Borophene is metallic in its typical state, with strong electron-phonon coupling to support possible superconductivity, and a rich band structure that contains Dirac cones, as in graphene,”

「ボロフェンは、超伝導の可能性をサポートする強い電子・フォノン結合とグラフェンに見られるディラックコーンを含んだリッチなバンド構造を持ち、標準状態では金属性を示しています。」

コーンと言っても、ポップコーンのcorn(とうもろこし)ではありません。ディラックコーンのコーンは、cone(円錐)です。

高圧下における単一成分分子性結晶のディラック・コーンの生成

ディラックコーンとは、フェルミ準位近傍の特異点のみで接する線形なエネルギー分散を持つ特異な電子構造である。このような電子構造では、有効質量を定義できないため、高いキャリア速度を示すため、注目を集めている。これまで、グラフェン、トポロジカル絶縁体の表面状態、分子性導体(圧力下のα- (BEDT-TTF)I3)といった物質においてディラックコーンが確認されている。

そもそも、何故コーン(円錐)かというと、

高い電気伝導性を持った3次元グラフェンの開発に成功

ディラックコーンとは、理想的な2次元物質であるグラフェンの特異な電子状態を示す用語である。その電子状態は電子の運動量とエネルギーが線形の関係を持ち、図3(a)のような円錐型バンド構造を持っている。

だからだそうです。

ボロフェンと銀の関係

There is a hitch: Borophene needs the underlying structure to make it wavy. When grown on a featureless surface, its natural form resembles graphene, the flat, chicken-wire arrays of carbon atoms. Zhang said borophene is better seen as a triangular lattice with periodic arrays of hexagonal vacancies.

「問題があります。ボロフェンは、波状になるために基底構造が必要です。特徴のない表面で成長すると、自然形状は、扁平で炭素原子の金網配列のグラフェンに似ています。Zhangは、ボロフェンは六角空孔の周期的配列を伴う三角格子として見られるべきだと語った。」

hitchはヒッチハイクのヒッチです。There is a hitch. 問題が存在します。without a hitchで問題なく、滞りなく、この場合、ボロフェンを作るには銀基板が必要で、銀は高価なので問題だと言っているんじゃないかと。今回の研究でも少量のボロフェンが作られただけみたいな事が書いてあるので、作るのが大変(コスパの問題)なのかもしれません。

Borophene prefers to be flat because that’s where its energy is lowest, Yakobson said. But surprisingly, when grown on silver, borophene adopts its accordion-like form while silver reconstructs itself to match. The corrugation can be retained by “re-gluing” boron onto another substrate.

「ボロフェンは、それがエネルギーが最も低いので、扁平でいるのを好みます。しかし、驚くべきことに、銀の上で成長させると、ボロフェンは、銀が自身をマッチさせるために再構築している間に、アコーディオンのような形状を身に付けます。その波形構造は、他の基板上でボロンを再び接着することで保持できます。」

最初に銀基板上でボロフェンを成長させる必要があるみたいです。でないと、ボロフェンは波状構造ではなく、グラフェンのような扁平形状を好むようです。

“This wavy conformation so far seems unique due to the exceptional structural flexibility and particular interactions of borophene with silver, and may be initially triggered by a slight compression in the layer when a bit too many boron atoms get onto the surface,”

「この波形構造は、現在のところ、桁外れの構造的柔軟性とボロフェンと銀の特有の相互作用のおかげでユニークであるように見え、少し過剰にホウ素原子が表面に触れると層におけるわずかな圧縮によって最初に誘発されるのかもしれません。」

ボロフェンがグラフェン並みに注目される日が近付いている可能性があります。一刻も早くグラフェンやボロフェンを使ったパソコンが登場してもらいたいものです。飛躍的な性能向上がない限り、パソコン市場の活性化はないでしょう。ボロフェンを使ったコンピューターであるボロコンが登場するのも時間の問題なのかもしれません。ロボコンではなくボロコンです。グラフェンを使えばグラコンです。

スポンサーリンク

フォローする