ピロリ菌は水素を使って胃癌を引き起こす!

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全人口の半分の人間の胃の中で暮らしているごくありふれた細菌が、胃腸管内に存在している水素を巧みに使い、至って健全な細胞中に癌を引き起こす毒を注入していることが、ジョージア大学の研究者を中心とした近刊の研究論文により明らかにされました。その細菌の水素依存は、年間70万人もの犠牲者を出している胃癌と戦うための、新たな治療法や予防法となり得る道を提示しています。

ピロリ菌が胃癌を引き起こしているらしいのですが、全てのピロリ菌が胃癌を引き起こす訳ではないので、何とも不思議としか言えません。

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病原蛋白質CagA

Research on common bacterium opens door to fighting gastric cancer

Previous studies solidified the relationship between stomach ulcers and cancer and certain strains of Helicobacter pylori, a stomach-dwelling bacterium that causes 90 percent of all gastric cancers. Earlier research also found a link between a toxin known as CagA, or cytotoxin-associated gene A, and cancer formation, but the new study exposes how the bacterium uses hydrogen as an energy source to inject CagA into cells, resulting in gastric cancer,

「過去の研究が、胃潰瘍やガンと、全胃がんの9割の原因である胃に棲息している、特定のヘリコバクター・ピロリ菌株との関係を確実なものにしています。また、初期の研究が、キャグA、あるいは、細胞毒関連遺伝子Aとして知られている毒と癌形成の因果関係を見つけ出していますが、新しい研究は、その細菌がエネルギー源に水素を利用してキャグAを細胞内に注入し癌を引き起こす仕組みを解明しています。」

水素をエネルギー源にするということは、水素水とかどうなんでしょうかね。ピロリ菌を活性化させて、癌を発症しやすくするということはないのか心配ですが、そこのところの研究が、今後必要なような気がします。

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腸内フローラ

“There are many known microbes in the human gut that produce hydrogen and others that use hydrogen. The implications of the study are that if we can alter a person’s microflora, the bacterial makeup of their gut, we can put bacteria in there that don’t produce hydrogen or put in an extra dose of harmless bacteria that use hydrogen,” Maier said. “If we can do that, there will be less hydrogen for H. pylori to use, which will essentially starve this bacteria out and result in less cancer.”

「”人間の腸内には、多くの既知の水素生産菌群や水素利用菌群が存在しています。その研究の含みは、もし腸の細菌構成である腸内細菌叢を変えられれば、水素を生産しない、あるいは、水素を使う無害のバクテリアを余分に腸内に送り込めます。”とマイヤーは言った。”もしそれが可能なら、ピロリ菌が使う水素を枯渇させて、基本的に細菌を兵糧攻めすることで、がんを減らせるようになります。”」

Changing the microbial makeup of a person’s gut sounds complicated, but scientists are already exploring ways to do so through the use of probiotics, antibiotics, nutritional regimes and even fecal transplants.

「ヒトの腸内細菌相を変えることは複雑に聞こえますが、科学者は、善玉菌、抗生物質、栄養療法、さらには糞便移植を用いてそれを達成する方法を探求中です。」

糞便移植とか良く考えついたと感心させられます。腸内フローラ対策ががん予防には必須と言えるのかもしれません。健康維持にオリゴ糖とヨーグルトを食べましょう!みたいな感じになるんですかね。

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発がん性ピロリ菌株

Although many people carry the H. pylori bacterium, it can take decades for the infection to develop into cancer, providing an opening for aggressive preventive measures in people who have a high risk of developing tumors, said lead author Ge Wang, a senior research scientist in the Department of Microbiology. The presence of H. pylori strains with both CagA and high hydrogen-utilizing activity within patients can potentially serve as biomarkers for predicting future cancer development.

「多くの人々はピロリ菌を持っていますが、その感染が癌を発症させるまで数十年の時間的猶予があるので、腫瘍発育のリスクが高い人達に積極的な予防措置を講ずるための間隙を提供してくれています。患者体内のキャグAと活発な水素利用活動を備え持つピロリ菌株の存在が、将来のガン発症予測のための生物指標になります。」

五分五分の確率で、さらに発がん株のピロリ菌を有している人がどれくらい存在するのかが気になります。ロシアンルーレットみたいです。

An earlier study led by Maier, “Molecular Hydrogen as an Energy Source for Helicobacter pylori,” published by the American Association for the Advancement of Science in 2002, showed that the presence of hydrogen in the gastric chamber was important for bacterial growth, but it wasn’t until the current study that researchers learned of the strong cancer connection: The bacterium harnesses the energy from , via an enzyme known as hydrogenase, to severely disrupt host cell function, leading to cancer.

「2002年に米国科学振興協会(AAAS)によって刊行されたマイヤー主導の過去の研究、”ヘリコバクター・ピロリ菌のエネルギー源としての分子水素”が、胃室における水素の存在が菌増殖に重要なことを明かにしましたが、研究者は、最近の研究までは、癌との強い関連性を知りませんでした。つまり、その細菌は、宿主細胞機能を著しく乱してがんを引き起こすのに、ヒドロゲナーゼという酵素を通じて、水素ガスエネルギーを利用しています。」

しかし、ピロリンは何で宿主を始末しようとするのかイミフです。自分で自分の首を絞める行為だし、何十年も人様に寄生し続けて、恩を仇で返すような仕打ちは腑に落ちません。もちろん全てのピロリががんを引き起こす悪玉菌ではないようなので、一概には言えませんが、何か宿主に気に入らないことがあって、あるいは、ある物質に触発されて不本意にがんを引き起こしてしまうのかは分かりませんが、納得がいきません。

“If hydrogen is in the gastric mucosa, of course a bacterium will use it,” Maier said. “It’s an excellent energy source for many bacteria out in nature. But we didn’t realize that pathogens like H. pylori could have access to it inside an animal in a way that enables the bacterium to inject this toxin into a host cell and damage it.”

「もし水素が胃粘膜にあれば、もちろん、バクテリアはそれを使います。”それは、自然の中で生きる多くの細菌の格好のエネルギー源になります。しかし我々は、ピロリ菌のような病原菌が、この毒を宿主細胞に注入するために、動物内で水素を入手できたはずなのに、その事に気付きませんでした。”」

水素が癌を引き起こすとか、普通は思い付きません。

Not all strains of the bacteria cause cancer, but those with CagA are known carcinogens. Using human-derived gastric cells, Wang analyzed the hydrogenase activity in the cells that were infected with different strains—both cancer causing and non-carcinogenic—of H. pylori. He found more activity in the cancer-causing strains.

「全ての細菌株ががんの原因になるわけではありませんが、キャグAを持つ株は、発がん性が知られています。ヒト胃細胞を使って、ワンは、発がん性、非発がん性双方のさまざまなピロリ菌株に感染した細胞におけるヒドロゲナーゼ活性を分析しました。彼は、発がん性株において、より多くの活性を確認しました。」

ヒドロゲナーゼがピロリ菌由来の胃癌に強い関連性を持っていることは明らかなようで、水素が胃癌を促進する可能性があるとも言えます。

After using genetic engineering to knock out the DNA fragment containing the hydrogenase-inducing genes, which prevented those strains from deriving energy from hydrogen, he found that the strain he created could no longer move the cancer-causing toxin into the gastric cells. Collaborators at Vanderbilt University took Wang’s in vitro model and adapted it to test the theory in gerbils, which confirmed the UGA researchers’ findings.

「それらピロリ菌株が水素からエネルギーを取り出すことを抑制した、ヒドロゲナーゼ誘導遺伝子を含むDNA断片を不活性化するために遺伝子工学を使用後、彼は、自身が作り出した株が発がん性毒をもはや胃細胞へ移転できないことを発見しました。バンダービルト大学の研究協力者達は、王の生体外モデルを持ち帰って、その説をテストするためにアレチネズミでそれを適応させ、ジョージア大学研究者の発見を立証しました。」

どうやら、ヒドロゲナーゼ誘導遺伝子をノックアウトされたピロリ菌株は、発がん性を喪失するようなので、今後ピロリ菌が癌を引き起こすことを完全に封じ込めることができるようになるのではないでしょうか。期待が持てます。

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