セントラルフロリダ大学(UCF)の研究チームが、史上最も効率の良い量子カスケードレーザー(QCL)を開発したそうです。しかも、製造が簡単らしいので、今後色々な分野で応用されることが期待されているっぽいです。
QCLは、米粒よりも小さい微小でありながら、山椒のように相当なパンチがあります。従来型のレーザーと比べ、QCLは、より高出力で、広範囲の赤外線波長に同調可能です。それらは、邪魔くさくて維持費が馬鹿高の馬鹿でかい冷却システムを必要とすることなしで、室温で利用可能なので、用途の幅が相当広がります。
山椒は、Japanese pepper (日本の胡椒)と言われていて、小粒でもぴりりと辛いです。文脈とは全く関係ないですが、今回開発されたQLCは室温で動作可能で、米粒より小さいみたいなので、色々な物に組み込めるのではないでしょうか。
高効率量子カスケードレーザー
UCF scientist creates most efficient quantum cascade laser ever
But because they’re difficult and costly to produce, QCLs aren’t used much outside the Department of Defense.
A University of Central Florida team led by Assistant Professor Arkadiy Lyakh has developed a simpler process for creating such lasers, with comparable performance and better efficiency. The results were published recently in the scientific journal Applied Physics Letters.
「しかし、QCLは製造が困難な上に製造コストが嵩むので、国防総省を除けばあまり使われてはいません。准教授Arkadiy Lyakh率いるセントラルフロリダ大学チームは、そこそこの性能で高効率を実現している上記のレーザーを作るための簡単な工程を開発しました。研究結果は最近科学専門誌Applied Physics Lettersに荊妻されました。」
“The previous record was achieved using a design that’s a little exotic, that’s somewhat difficult to reproduce in real life,” Lyakh said. “We improved on that record, but what’s really important is that we did it in such a way that it’s easier to transition this technology to production. From a practical standpoint, it’s an important result.”
「”過去の記録は、実世界での再現が若干困難な、少しエキゾチックなデザインを使って達成しています。”とLyakhは言った。”我々はその記録を伸ばしましたが、本当に重要なのは、我々がこの技術を生産へ簡単に移行できるようにそれを実現したということなのです。実用上の見地から、それは重要な成果です。”」
この手の基礎研究は、ほとんどが立ち枯れしたり、机上の空論で終わったりします。酷い時になると論文が捏造だったり、おぼちゃん(小保方晴子女史)のSTAPみたいな例もあるので、眉唾のものも相当ある可能性があります。しかし、今回は既に量産体制に入れるような口ぶりなので相当自身がありそうです。
スマホに内蔵可能
That could lead to greater usage in spectroscopy, such as using the infrared lasers as remote sensors to detect gases and toxins in the atmosphere. Lyakh, who has joint appointments with UCF’s NanoScience Technology Center and the College of Optics and Photonics, envisions portable health devices. For instance, a small QCL-embedded device could be plugged into a smartphone and used to diagnose health problems by simply analyzing one’s exhaled breath.
「それは、例えば、赤外線レーザーを、大気中のガスや有害物質を検知するためのリモートセンサーとして使用するなどの、分光法の分野で大きな利用につながる可能性があります。UCFのナノ科学技術センターとオプティクス&フォトニクス学部で兼任中のLyakhは、携帯用健康機器を心に描いています。例えば、QCLを組み込んだ小さな装置は、スマートフォンにつなげることができ、人の吐く息を単純に分析するだけで、健康上の問題を診断するのに使われることもできるかもしれません。」
スマホで空気中の毒物検出や、人間の息の成分分析など、本当かよという気もしますが、こういうことが可能になれば、将来的には、例えば、部屋の空気の成分分析や、おならで大腸がん診断とか、ゲップや息で胃癌や肺がんを、スマホや携帯デバイスを使って簡単に検出できるようになるかもしれません。
安価で簡単に製造可能
“But for a handheld device, it has to be as efficient as possible so it doesn’t drain your battery and it won’t generate a lot of heat,” Lyakh said.
The method that previously produced the highest efficiency called for the QCL atop a substrate made up of more than 1,000 layers, each one barely thicker than a single atom. Each layer was composed of one of five different materials, making production challenging.
The new method developed at UCF uses only two different materials – a simpler design from a production standpoint.
「”とは言っても、携帯端末に関しては、著しく電池を消耗したり、大量の熱を発しないようにするために、可能な限り省電力である必要があります。”とLyakhは語った。過去に最も高効率を生み出した方法は、各層がほぼ単原子厚の1000層以上で構成されている基板の上にQCLを必要としました。それぞれの層が、5種類の材料のうちの1つで出来ていて、製造を非常に厄介なものにしていました。UCFで開発された新しい方法は、たったの2種類の材料しか使っていないので、製造上の観点から単純設計だと言えます。」
5種類の材料から2種類に減ったのは大きいし、何層重ねるのかは分かりませんが、1000層を超えることはないのでしょう。しかもその材料がエキゾチックな素材だったらしいので、なおさら生産を困難にしていたようです。