リラクソンとかいうフォノンに代わる振動モード

スイス連邦工科大学ローザンヌ校とスイスの研究者チームが、熱が一部の結晶の中を伝わる方法を説明している熱伝導理論の分野へ、リラクソンと呼ばれる新しい振動モードを紹介しています。Physical Review Xに掲載されている彼等の研究論文で、特定2結晶の試験でいかにうまく機能するかを説明しています。

relaxon (リラクソン)という新しい振動モードが提唱されたみたいですが、リラックスに粒子を意味するon(例えば、photon, electron, boson, anyonなど)をくっつけた造語のようです。リラックスなのでくつろいでいそうです。

フォノン散乱

Researchers introduce relaxons to help describe heat flow through some crystals

For many years, physicists have used phonons to assist in describing the way heat moves through . Thermal conductivity occurs via two processes: scattering between phonons due to atomic vibrations and disruptions to the lattice. This method has proven to be quite accurate for predicting the way heat will be conducted through many crystals, but for some, it has not worked well at all. In this new effort, the researchers added a new vibrational mode, relaxons, to improve results for such crystals.

「何年もの間、物理学者達は、熱が結晶中を移動する方法を分かり易く説明するためにフォノンを使ってきました。熱伝導は、原子振動によるフォノン間散乱と格子の乱れの2つのプロセスを経て起こります。この手法は、熱が多様な結晶中を伝わる様態を予測するには非常に正確ですが、一部の結晶では、全くうまく働きません。今回の新しい試みで、研究者達は、そのような結晶の結果を向上するために、リラクソンという新しい振動様式を加えました。」

既存の方法は、一部の結晶においては、予測結果が悪いみたいなので、結果の改善のために、新しい振動モードを付け加えたみたいです。フォノン散乱と熱伝導率には密接な関係があるみたいですが、詳細は個人的によく分かりません。

リラクソン

Relaxons, they explain, come about from coordinate frame changes that are different than for phonons—they decay to an equilibrium population over a well-defined lifetime. The researchers tested their new model by applying it to two materials: graphene and silicon. In silicon, the researchers found results within 2 percent of those conducted using the standard phonon approach, demonstrating success.

「リラクソンは、彼等の説明だと、明確な寿命の間に平衡集団へ崩壊するフォノンと異なる座標系変化から生じています。研究者は、彼等の新しいモデルを、グラフェンとシリコンの2材料に当てはめてテストしました。シリコンで、研究者は、標準的なフォノン手法を使って導かれた数値の2%以内で結果を検知し、成功を収めています。」

シリコンだと従来の(古典的な)フォノンを用いたアプローチで計算可能らしく、さらにリラクソンを用いた新手法でも古典的手法とほぼ同じ結果が得られるということなので、古典的な計算方法がもはや必要なくなるのかもしれません。

With graphene, the researchers found different results—it read 8 times higher than that found using the standard phonon approach, which agreed with calculations performed prior to testing, indicating that it was a better approach. This suggests the new method offers a better means for making predictions of when creating objects using graphene and perhaps other crystals. Adding relaxons is, in a sense, offering a new way to envision the means by which heat is conducted through certain types of crystals.

「グラフェンでは、研究者は、標準的なフォノン法を使って求めたものより8倍大きい数値を示す、異なった結果を検出し、それはテスト前に行った計算と一致していて、それがよりよいアプローチであることを示しています。この事が、新しい方法が、グラフェンやたぶん他の結晶を使って物を作る時に、熱伝導率の予測を立てるための、より優れた方法を提供していることを証明しています。リラクソンを加えることは、ある意味で、熱がある種の結晶中を伝わる方法を心に描くための新しい方法を提供しています。」

グラフェンの場合は、古典的(フォノン)アプローチはもはや通用せず、リラクソンを加えた新しいアプローチでないと予測計算が不可能みたいです。2次元素材が、従来とは全く異なる格子構造を有しているせいかもしれません。

平均自由行程分光法

The addition of relaxons to the field of heat conduction, the team notes, has implications for future theoretical studies—it could be used, perhaps, in work related to the interpretation of hydrodynamic transport, offering a new means for making predictions. The new model is also likely to have an impact on experimental research as well, particularly in mean free path spectroscopy, a new field in which researchers are looking to isolate the impact of carriers with different mean free paths to conductivity.

「熱伝導の分野へリラクソンを足すことは、チームが言うには、将来の理論上の研究に影響を与えるみたいです。それは、恐らく、流体力学的輸送の解釈に関連している研究で使うことができ、予測を立てるための新しい方法を提供できます。また、その新しいモデルは、実験的研究、特に、研究者が、伝導性に対して異なった平均自由行路を持つ担体の影響を隔離することを目指す新しい分野である、平均自由行程分光法分野においても、同じ様に影響を与える可能性がありそうです。」

リラクソンという、フォノンに代わる、熱を伝える新たな振動モードを使うことで、比較的新しい2次元材料系のグラフェンに適用できるようなので、今後、こういった新材料系の伝導率予測に効率的に利用できるみたいです。新しい平均自由行路分光法の分野においても威力を発揮できるらしいので、かなり使えるリラクソンと言えます。