ブームを巻き起こすヒット商品不足が物が売れない原因

物が売れないのは消費者の責任なのか、企業の努力不足なのか、議論が別れるところですが、良いものは黙っていても売れるし、悪いものが売れないのは世の常です。世間ではとかく若者の~離れと、物が売れないのを消費者のせいにし勝ちですが、そもそも売れる物を作っているのかという問題があります。今の若者の嗜好に合った物を作らずに、過去の遺物を売りつけていたら売れるわけがありません。昔と今では人間の嗜好が大きく変わっているという大前提に立った、コペルニクス的発想の転換が強く求められています。戦後生まれの若者に、高価な着物を売っても売れるわけがないということです。

しかしながら、日本人の間でブームになっているからと言って、必ずしも海外受けするとは限りませんし、逆に、海外で受けているからと言って、必ずしも日本人受けするとも限りません。その国の文化や嗜好にあった物を作らないと物は売れません。たまごっちは世界的に大ヒットしましたが、プリクラは世界的には全く相手にされませんでした。留学中に日本人なのにたまごっち持ってないの?と言われたのが懐かしいです。日本人にしかウケないものもあるので、世界進出を考えている場合は、そこのところを考慮する必要があるでしょう。これは日本映画に特に言えることです。日本でしか受けない、もしくは、日本でさえも全く受けない映画を量産している今の日本映画界の未来はかなり暗いと言えます。

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昔は物が馬鹿高だった

昔は中古ソフトとかレンタルとかなかったので、ファミコンソフトにかなり金がかかっていました(80年代だけで50万円は軽く使っています)。パソコン(80年代に初めて買ったパソコンはプリンター込みで60万円)、ビデオ(80年代初期に初めて買ったビデオは25万円)、とくにビデオテープが1本6000円(たぶん160分テープ)とか有り得ないくらいの高額でした。コンピューターのゲームソフトも1万円ぐらいだったので、金がいくらあっても足りない時代だったことだけは確かです。子供の自分には辛い時代でもありました。親はもっと辛かったかもしれません。

今はさすがに50万円のパソコンを買おうとは思いません、あるいは、25万円のビデオデッキ(ブルーレイ)なんて有り得ないでしょう。25万円あれば、PS4、任天堂スイッチ、32インチ4kモニター、ブルーレイレコーダー、ノーパソ買ってお釣りが来ます。物がこれだけ安くなっても売れないのは、購入意欲をそそる魅力的な商品がないか、または、家が狭過ぎて置くスペースがないからかもしれません。パソコンにしてもビデオにしても、多少高くても、目新しくて、魅力的な商品だから買ったわけで、今はそういう商品が少なく、古い技術の使い回しにしか過ぎず、目新しさの欠片もありません。売れなくて当然です。

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創造力の欠如

50年代は3種の神器として、洗濯機、冷蔵庫、白黒テレビ、60年代がカラーテレビ、クーラー、カーのいわゆる3C、80年代は、ビデオデッキ、パソコン、ビデオカメラなど、当時数十万円していたものが、何人かの友達の家で結構頻繁に見掛けました。そういう目新しい技術が最近は全く出てきません。ビデオデッキが売れるようになったのは、ソフトの力に依る所がかなり大きいので、ハードを売ろうと思った場合は、ソフト作りにも力を入れる必要があります。これは、日本人が最も不得手とする分野だと言われています。

メガヒット商品を産み出す創造力の欠如が、物が売れない原因なのは一目瞭然です。車や家電は海外の受け売りで、独自性はありませんでしたが、モノマネしか出来ないイエローモンキーと揶揄されていた日本企業が、これらの耐久財を庶民でも買えるように低価格化したことが企業努力と言えるでしょう。今50万円出して買いたい家電があるかと聞かれた場合、ないと答える人がほとんどではないでしょうか。昔は、パソコン、ビジュアルオーディオ機器などに50万円出す人は結構いました。そう思わせる商品を作れないのが、物が売れなくなっている原因ではないのでしょうか。

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ヒット商品作り

iPhone等に代表されるスマホは空前のヒットになっていますが、スマートウォチやメガネ型ウェアラブルはあまりパッとしません。VRヘッドセットもどこまで売れるか見ものですが、そんなに売れないだろうと言われています。売れる物を作るのは本当に難しい作業ですが、3Dモニターの失敗から学ぶべきものがあるはずです。

必要ないものを作っても売れません。誰もが必要な物を作る必要があります。多少高い値段を出しても欲しいと思わせる目新しい商品を作る必要があります。それこそ、小学生が親にせがんで買ってもらいたい高額商品を作るべきです。当然、親自体が欲しいものであることも重要な要素になります。老若男女に受け入れられる高額でも買いたいと思わせる、そういう商品がここ数十年出てきていません。

30~50万円ぐらいの誰もが欲しくなる家電、コンピュータ関連機器は何なのか?それが人工知能にあると考えている人が多いようですが、万人に受け入れられる物を作れば、1台30万円でも世界で1億台売れれば30兆円です。これは1兆円企業の30年分の売上高です。そういう商品を作れる日本人が、今、求められています。

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新しいものとは何ななのか?

1億人の人間が30万円出しても欲しいものとは何なのか?超高性能パソコン(現在30万円するパソコンの10倍以上の性能)は、個人的には30万円出しても欲しいですが、それは無理だとしても、そういう飛躍的な技術の進歩か、または、アイデア勝負の画期的な商品を産み出すしかありません。フォード・モデルTのような怒髪天の商品が生み出されなければ、世界経済は低迷を続けるのではないでしょうか。

空飛ぶ車、自律走行車(自動運転車)、家事ロボット、介護ロボット、これらはある程度の値段でも飛ぶように売れるでしょうが、実用に耐えられる製品が出来上がるまでは、まだまだ先の話なので、今現在、数十万円で売れる画期的な商品が待ち望まれています。

ロボホン、ペッパーが世界で1億台売れるとは到底思えません。やはり、ビデオやパソコンみたいな、万人受けする新しいものを作る必要があります。私が12歳の時に親にネダって25万円のビデオと5万円分の録画テープを買ってもらった時は、花王愛の劇場でやっていた「わが子よ」を録画したかったからです。とにかくわが子よが好きで、テープが擦り切れるほど見まくりました。その後も再放送でやってた、あしたのジョー、デビルマン、ルパン三世なんかを録画していましたが、花王愛の劇場がメインでした。90年代の「天までとどけ」は伝説的な番組になっていますが、あーいう作品はもう作れないんでしょうね。

子供でさえも30万円出しても喉から手が出るほど欲しいものを作れれば、日本経済は良い方向に向かっていくような気がします。友達も、当時大ブームだったプロレスを録画したくてビデオを買ってたので、コンテンツが重要だとも言えます。

一番手っ取り早いのはブームを起こすことです、例えば、1970年代は、漫画「釣りキチ三平」が巻き起こした史上空前の釣りブームで、一本10万円近くするカーボンロッドやリールを持っていた小学生が、クラスに何人かいたほどです。私も小学生で高額なアブ社製のリールやカーボンロッドを持っていましたが、今はそういうブームが少ないのも、物が売れない原因にもなっています。ブームを巻き起こすようなヒット商品を生むか、あるいは、ブームに乗った商品を作るか、それが問題ですが、ブームを仕掛ける仕掛け人がいないのも問題で、いろんな意味で才能が枯渇しているんだなぁと思わざるを得ない今日此の頃です。

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