社会現象化する大ブームは何故起こらなくなったのか?

その買うを、もっとハッピーに。|ハピタス

ブームに乗れとよく言われる一方で、そもそもブームは乗るものではなく、作るものだとも言われています。ブームの仕掛け人(火付け役)という言葉をよく耳にしますが、それはあくまでもプチブームとかマイブームの話で、社会全体を巻き込むブーム(ムーブメント)はそうそう簡単には作れません。いったんブームを起こせれば、その経済効果は相当なものがあります。

一昔前に、スーパーカーブームがありましたが、サーキットの狼という漫画がブームを作り出したと言われています。当時はスーパーカー消しゴム、カード、シズラー銀、洋服、キーホルダー、ハンカチ、タオル、筆記用具、シール等のブームに乗った商品が作られ、さらに、スーパーカーを撮影するためのカメラやフィルムも相当売れたはずです。私も、スーパーカーを見に行ったり、ラジコンカー、プラモ、ミニカー等を買ったり、スーパーカー関連商品を色々買いましたが、周りの人間も相当金を使っていました。ブームによって経済が潤う好例だとも言えます。こういった社会的な大ブームが、日本経済のカンフル剤になる可能性があります。

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釣りブーム

子供の頃の釣りブームも凄いものがありました。近所の住人たちは休日になると釣りに行っていたし、近所にも釣り堀やら、釣具屋やらがあって、重宝していました。我が家は釣り関連で相当な額のお金を使っていると思われますが、その中には、宿泊費、交通費、釣り船、食事代なんかも含んでいます。エサ代、釣具代、入漁券代なんかも結構かかります。釣り関連書籍やグッズも相当買ったし、中学の頃、友達と1週間の釣り行脚に出掛けた事もありました。

釣りブームは漫画の釣りキチ三平の影響が大きいと言われていますがその通りです。釣りキチ三平を見て近所の空き地で遠投したり、フライフィッシングに挑戦したり、毛針の自作のために高い器具を買ったり、ルアーやワームを買い漁ったり、雷魚や鮎を釣りに小学生同士で遠出したり、高額なカーボンロッド、ヘラ浮き、ABU社のリールを買ったりもしました。

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プロレスブーム

力道山の頃からプロレスはかなり流行ってはいましたが、70年代~80年代に起こった、一大プロレスブームは、タイガーマスク、キン肉マン、スーパースター列伝とか、やはり漫画が相当影響を与えていました。それ以前から、アントニオ猪木の異種格闘技戦、ジャンボ鶴田の試練の十番勝負、金曜10時!うわさのチャンネル!!(ザ・デストロイヤー)等、そこそこ流行ってはいました。70年代は、女子プロレスのマッハ文朱やビューティ・ペアの人気が凄かったのを覚えています。個人的に、プロレスに興味を持ったのは、1・2の三四郎を読んでからで、この漫画を見て、小学生ながらにプロテイン、バーベル、ダンベルを買ったり、あるいは、リングにかけろ(リンかけ)を見て、パワーアンクル、パワーリスト、アポロエクササイザーとか買いましたが、当時はちょっとブームになると、周囲の人間達が、その漫画に出て来るトレーニング器具をやたら買い漁る傾向が顕著でしたが、ほとんど使われる事なく放置されていました。

力道山時代のプロレスブームも相当凄かったみたいですが、その後のタイガーマスクやダイナマイトキッド時代の人気も凄かったです。私個人は、アブドーラ・ザ・ブッチャー、スタン・ハンセン、ブルーザー・ブロディ、ザ・ファンクスなどが好きで、わざわざ、蔵前国技館や後楽園ホール、近所の市民体育館などに試合を見に行きましたが、田園コロシアムには、何故か行きませんでした。お気に入りのレスラー(タイガー・ジェット・シンやアンドレ・ザ・ジャイアント、ハルク・ホーガン)の勇姿を、試合会場で撮影するために、かなり高価な望遠レンズを買いましたが、プロレスに飽きてからは、それを使うことはありませんでした。当時の多くの子供達が、プロレス関連に相当お金を使っていることは言うまでもなく、ブームは人々に無駄なお金を使わせる事ができるので、経済の活性化には欠かせない存在であると言えます。

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漫画・アニメブーム

漫画ブームの中でも、スポ根マンガ(嗚呼!!花の応援団、おれは直角、俺は鉄平、俺の空、六三四の剣、タッチ、空手バカ一代、タイガーマスク、あしたのジョー、巨人の星、エースをねらえ!、プレイボール、キャプテン、キャプテン翼、侍ジャイアンツ、アパッチ野球軍、熱笑!! 花沢高校)、忍者マンガ(カムイ伝、サスケ、ワタリ、伊賀の影丸、忍者ハットリくん、忍者あわて丸(ピュンピュン丸)、さるとびエッちゃん)、ギャグ漫画(男おいどん、浮浪雲、ジャングル黒べえ、いなかっぺ大将、Dr.スランプ、マカロニほうれん荘、らんぽう、がきデカ、おじゃまユーレイくん、パタリロ、べにまろ、ど根性ガエル、オバケのQ太郎、ルパン三世、天才バカボン、まことちゃん、じゃりン子チエ、パーマン、ドラえもん、キテレツ大百科、うる星やつら、みゆき)、魔法マンガ(魔法使いサリー、ひみつのアッコちゃん)、ホラー漫画(悪魔の招待状等のいばら美喜作品、オロチ、恐怖、漂流教室、恐怖新聞、魔太郎がくる!!、毒虫小僧等の日野日出志漫画、ゲゲゲの鬼太郎、エコエコアザラク)、他にも、永井豪先生の、ドロロンえん魔くん、マジンガーZ、キューティーハニー、デビルマンや、猫目小僧、バビル2世、イナズマン、サイボーグ009、釣りバカ日誌、リボンの騎士、ブラックジャック、こち亀、おやこ刑事、めぞん一刻、750ライダー、ゲームセンターあらし、てんとう虫の歌などあり、漫画で人気が出てアニメ化、実写映画化、ドラマ化された作品は腐るほどあります。アニメ番組だけを見た場合、花の子ルンルンや魔女っ子メグちゃんに代表される東映魔女っ子シリーズや、実質的にアルプスの少女ハイジから始まる世界名作劇場、まんが日本昔ばなし、悲惨な話がやたらと多かった、まんが世界昔ばなし、岡まゆみが懐しい、まんがはじめて物語、ポールのミラクル大作戦、けろっこデメタン、みつばちマーヤの冒険、みなしごハッチ、樫の木モック、未来少年コナン、ニルスのふしぎな旅、名犬ジョリィ、星の子チョビン、ジムボタン等かなり人気を博していました。所謂、漫画・アニメの超黄金時代と言われているやつです。

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ブームの火付け役はメディア

美味しんぼがグルメブームを作ったと言っても決して過言ではありませんし、かつての空前の温泉ブームを作ったのが、土曜ワイド劇場の、古谷一行と木の実ナナの出演していたシリーズ物だったことはあまりにも有名な話ですが、ドラマもブームの火付け役になり得ます。一大トレンディーブームを巻き起こしたのが、月9のトレンディドラマだったので、当たり前とも言えますが、今考えると、このトレンディブームが日本をダメにした可能性があります。ブームもある意味考えもので、ブームに乗るのと、ブームに乗せられるのとでは大違いで、前者はそれで金儲けをして、後者はそれで金と時間の両方を同時に失うだけなので、その差はかなり大きいと言えます。大きなブームが起きないという事は、ブームに乗せられる日本人が減ったとも言えるわけで、阿波踊りの、踊る阿呆に見る阿呆の、見る阿呆が増える一方で、同じ阿呆なら踊らにゃ損々の、踊る阿呆が減ったという事になります。その原因を作り出したのが、バブルの申し子の、トレンディブーム(W浅野が有名)だった可能性があるとも言われています。

70年代は、漫画ブームから派生して、色々なブームが作られていた感じですが、ブームを作り出す漫画が減ったことや、漫画やアニメ自体がオワコン(あるいはテレビや雑誌がオワコン)と言われている事もあり、もはや漫画やアニメ、ドラマに社会的なブームを巻き起こすパワーはないのかもしれません。インターネットのgoing viral(SNSやブログ等のネット情報を起点にしたプチトレンドやマイブームの形成)には、社会全体を巻き込む、一大ブームの火付け役になるだけのパワーはあるはずなのですが、今のところ、そういった事は起こっていません。

70年代~バブル崩壊までは、漫画やアニメ・ドラマに影響された社会を巻き込むブームを頻繁に作り出す事で、相当な経済効果を産み出していました。ブームによって、身の回りの日用品から耐久財、果てはレジャーに至るまで、ありとあらゆる物やサービスが売れまくる、そういうブームは今は起こり得ないような気もします。ブームを起こすにも、社会的なパワーが必要なので、若者が減り続ける現状においては、年寄りパワーに期待するしかありません。

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ブームよ再び

インベーダーブーム、ゲーセンブーム、ファミコンブーム、スーパーマリオブーム、ドラクエブーム、FFブーム、プレステブーム、DSブーム等の、一大ゲームブームは別として、ゲーム系のプチブームはこれまでに無数に起きていますが、持続力のあるインパクトの強いブームはここ10年起きていません。ポケモンGoは、ブームがあまりにも短すぎました。

2015年の日本人の平均年齢が46歳だそうです。1985年が35歳らしいので、30年で11歳平均年齢が上がっています。ここまで平均年齢が上がると、ゲーム、漫画、アニメやドラマによるブームは、かなり起こり難くなってしまっているので、今後は、東京オリンピックにあやかったブームを作り出すのが手っ取り早いかもしれません。過去のオリンピックの時のような、健康ブームが期待されてもいます。強力なAI機能を搭載した、多機能ウェアラブル健康デバイスが、2020年までに開発されれば、こういった商品が、大ブームを引き起こす可能性があり、AI、ウェアラブル、健康、この3つが、今後のキーワードになりそうです。

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