2次元材料セレン化インジウムはグラフェンよりも有望!

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グラフェンと二次元材料への10年に及ぶ徹底した研究を受け、新しい半導体材料が、超高速エレクトロニクスの未来の可能性を示しています。セレン化インジウム(InSe)と名付けられた新しい半導体は、グラフェン同様に、たった原子数個分の厚さしかありません。今回の研究は、マンチェスター大学の研究者とノッティンガム大学の彼らの同僚等によって、今週Nature Nanotechnology誌上にて報告されました。

最高の性質を有しているにもかかわらず、グラフェンにはエネルギーギャップが存在しません。それは、通常の半導体というよりは、むしろ金属に近い振る舞いをし、トランジスタ型用途への可能性を妨害しています。

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グラフェン

New ultra-thin semiconductor could extend life of Moore’s Law

今回の新しい研究が、セレン化インジウム結晶が、ほぼグラフェンと同等の厚さの、ほんの原子数個分の厚さで製造可能なことを示しています。セレン化インジウムは、現代のエレクトロニクスにおいて、偏在的に利用されているシリコンよりも、良質な電子特性を有していることが分かっています。

重要なことは、グラフェンとは違い、ただし、シリコンと同じように、極薄セレン化インジウムは、大きなエネルギーギャップを持っていて、トランジスタの簡単なスイッチングができるので、超高速次世代電子機器を可能にしています。

グラフェンと、並外れたグラフェンの性質を補完する素晴らしい特徴を個別に持つ、他の新しい材料と組み合わせることが、刺激的な科学的な進歩をもたらし、今現在の我々の想像をはるかに越えたアプリケーションを生み出す可能性があります。

今回の研究論文の著書の一人で、グラフェンに関する研究に対するノーベル物理学賞の受賞者でもある、アンドレ・ガイム卿は、新しい発見が、未来のエレクトロニクスの発展に非常に大きな影響を与えるかもしれないと考えています。

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セレン化インジウム

“Ultra-thin InSe seems to offer the golden middle between silicon and graphene. Similar to graphene, InSe offers a naturally thin body, allowing scaling to the true nanometre dimensions. Similar to silicon, InSe is a very good semiconductor.”

「極薄セレン化インジウムは、シリコンとグラフェンの素晴らしい中間を提供してくれているように見えます。グラフェン同様、InSeは、元々薄く、実ナノメーターサイズまで縮小できます。シリコン同様、InSeは、非常に優秀な半導体です。」

golden middle between A and Bで、AとBのいいとこどりという意味です。グラフェン並に極薄で、シリコン並みに優秀な半導体という素晴らしい物質のようです。

The Manchester researchers had to overcome one major problem to create high-quality InSe devices. Being so thin, InSe is rapidly damaged by oxygen and moisture present in the atmosphere. To avoid such damage, the devices were prepared in an argon atmosphere using new technologies developed at the National Graphene Institute.

「マンチェスターの研究者は、高性能InSeデバイスを作るための一つの大きな問題を乗り越える必要がありました。非常に薄いために、InSeは、空気中に存在する酸素と湿気により急速に劣化していきます。そのような劣化を防ぐために、その装置は、国立グラフェン研究所(NGI)で開発された新しい技術を用い、アルゴン雰囲気中に準備されました。」

This allowed high-quality atomically-thin films of InSe for the first time. The electron mobility at room temperature was measured at 2,000 cm2/Vs, significantly higher than silicon. This value increases several times at lower temperatures.

「この事が、InSeの高品質原子薄膜を初めて可能にしています。室温での電子の移動度は、2000cm2/Vsを記録し、シリコンに比べてはるかに高い移動度を示しています。この値は、低温環境において、数倍に膨れ上がります。」

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実用化への道

Current experiments produced the material several micrometres in size, comparable to the cross-section of a human hair. The researchers believe that by following the methods now widely used to produce large-area graphene sheets, InSe could also soon be produced at a commercial level.

「最新の実験が、人の髪の毛の断面に相当する、サイズが数マイクロメートルの材料を生み出しました。研究者は、広い面積のグラフェンシートを製造するのに現在広く使われている方法に従うことで、InSeも、商業レベルですぐに生産可能になると考えています。」

 “The technology that the NGI has developed for separating atomic layers of materials into high-quality two-dimensional crystals offers great opportunities to create new material systems for optoelectronics applications. We are constantly looking for new layered materials to try.”

「NGIが、材料の原子層を高品質な2次元結晶に分離するために開発した技術が、光電子用途向けの新材料系を生み出すための、大きなチャンスを与えてくれています。我々は試験を目的とした、新しい層状材料を常に探し続けています。」

Ultra-thin InSe is one of a growing family of two-dimensional crystals that have a variety of useful properties depending on their structure, thickness and chemical composition.

Currently, research in graphene and related two-dimensional materials is the fastest growing field of materials science that bridges science and engineering.

「極薄InSeは、それらの構造、厚さ、化学組成によって決まる、多種多様な特性を持つ2次元結晶の増え続ける仲間の一つです。現在、グラフェンと同種の2次元材料における研究は、科学と工学を橋渡しする材料科学の最も急速に成長している分野です。」

2次元材料のメンバーがどんどん増え続けているみたいですが、一刻も早く、2次元材料を使ったCPUやGPUが誕生してくれる事を願わずにはいられません。

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