カーボンナノチューブに閉じ込められた水がやば過ぎ!

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水が海水位で華氏212度か摂氏100度の温度で沸騰し始めるのは周知の事実です。科学者は、水を狭い空間に閉じ込めると、沸点と氷点が若干変化する、たいてい、約10℃かそこら下がる事を長い間観測していますが、MITのチームが、全く予期せぬ一連の変化を、カーボンナノチューブ(CNT)において発見しています。CNTはとにかく狭く、内径は水分子数個分程度しかありません。CNTに閉じ込められた水は、通常は沸騰する高い温度でさえ、固く凍ることが可能になるみたいです。まじかよ!って感じです。

その発見は、ナノメートルの狭い空間内に監禁されると、よく知られた物質でさえも、自身の振る舞いを一変させる事ができる仕組みを明らかにしています。また、今回の研究成果は、室温で安定を維持する間、氷の独特な電気的・熱的性質を利用する、実質的に氷が詰まったワイヤーのような、新しいアプリケーションをもたらす可能性があります。

今回の研究結果は、Nature Nanotechnology誌上にて報告されています。

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相挙動の劇的変化

”液体をナノキャビティに押し込めると、相挙動を歪める事ができます。”とストラノ氏は言い、物質がいつどのように固体・液体、気体に変わるかについて言及しています。そういった効果は予測されていましたが、その莫大な変化の程度と変化の方向(凝固点を下げるのではなく上げた)は、完全に予想外でした。チームのテストの一つで、水は105℃かそれ以上の温度で凝固しています。(正確な温度を決めるのは難しいですが、105℃は今回のテストでは最小値で、実際の温度は151℃に達していたかもしれません。)

水の振る舞い方は、微小なCNT(ストロー形の構造で、炭素原子だけでできた、直径数ナノメートルしかない)内部で、そのチューブの正確な直径によって決定的に変わる事が分かっています。ストラノ氏は、”実際のところ、CNTは考え得る中で最も小さなパイプです。”と言っています。実験では、そのナノチューブは、各々の開口部に貯水池を持ち、その両端の開口部は開いたままの状態でした。

直径にして、1.05ナノメートルと1.06ナノメートルのナノチューブ間の違いが、明白な氷点において、数十度の違いをもたらす事を、研究者は発見しました。そのような極端な違いは完全に想定外でした。ストラノ氏は、”本当に小さくなると常識が通用しなくなります。それは本当に未知の空間であると言えます。”と語っています。

水や他の液体が、狭い空間に閉じ込められた時、どのように振る舞うかを理解するための初期の試みにおいて、”実際に矛盾と言える結果を示す、いくつかのシミュレーションが存在していました。”と彼は言った。その理由の一部は、多くのチームが、彼らのCNTの正確な大きさを高精度で測る事ができず、そんなに小さな違いが、そんなに違った結果を生み出すことに気が付くことができなかったからです。

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チューブ内の水

実際のところ、水がこんな小さなチューブに入ること自体がそもそも驚きで、ストラノ氏が言うには、ナノチューブは疎水性、もしくは撥水性だと考えられているので、水分子はなかなかチューブの中には入れないはずとの事です。水がチューブの中にすんなりと入り込める事が、依然としてちょっとした謎のままになっている、と彼は言っています。

ストラノ氏と彼のチームは、ナノチューブ内部の水の動きを探知可能な、振動分光法と呼ばれる技術を利用している、高感度結像システムを使ったことにより、今回初めて、そのチューブ内の水の挙動を詳細に計測することができたのです。

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氷と呼べない!?

チームは、チューブ内の水の存在だけではなく、それの相も検出可能です。彼は、”我々は、それが気体か液体かを区別でき、それが剛性相にあるかどうか言い当てる事ができます。”と言っています。水が確実に固相状態にあるにもかかわらず、チームは、その用語が、この閉じ込め空間に確実に存在することがまだ証明できない特定の結晶構造を意味している理由から、それを氷と呼ぶのを控えています。”それは必ずしも氷だとは限りませんが、氷に似た相ではあります。”とストラノ氏は言っています。

この個体水は、通常の水の沸騰点をはるかに上回るまで融けないので、室温条件下では永久に完璧に不変のままのはずです。その事が、それを潜在的に、さまざまな実現可能なアプリケーションのための実用的な材料にしていると、彼は言います。例えば、それは、水が一般的な導電材に比べて、少なくとも10倍簡単に陽子を伝導するので、陽子用で知られる最高の担体である、アイスワイヤー(氷線)を作ることを可能にするはずです。”この事が、我々に、常温で非常に安定した水ワイヤーを与えてくれます。”と彼は言う。

水ワイヤーというのが凄いですが、カーボンナノチューブ水ワイヤー(氷ワイヤーとは呼べないので)は、ド素人目に見ても、燃料電池にもってこいの素材のように思えます。なので、早く家庭用の安価な燃料電池を作って、東京電力の呪縛から解放してもらいたいものです。将来的には、今のプロパンガス屋みたいに、家庭用燃料電池のための水素の補給をする商売が成り立つのではないでしょうか。と適当に言っておきます。

参照サイトResearchers discover astonishing behavior of water confined in carbon nanotubes

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