窒素ドープグラフェン量子ドットを電極触媒に

ライス大学の科学者たちによると、グラフェン量子ドットが、廃棄された二酸化炭素を、大気に放出したり、地中に埋めたりするのではなく、貴重な燃料にリサイクルするための簡単な方法を提供してくれるかもしれないとの事です。窒素ドープグラフェン量子ドット(NGQDs)は、ライス大学の材料科学者率いる研究チームによると、二酸化炭素から複雑な炭化水素を作り出すための高効率な電解触媒らしいです。電極触媒作用を用いて、彼の研究室は、二酸化炭素の少量のエチレンとエタノールへの変換を実証しています。

今回の研究は、今週号のNature Communications誌で詳述されています。

窒素ドープグラフェン量子ドット

Carbon dots dash toward ‘green’ recycling role

Though they don’t entirely understand the mechanism, the researchers found NGQDs worked nearly as efficiently as copper, which is also being tested as a catalyst to reduce carbon dioxide into liquid fuels and chemicals. And NGQDs keep their catalytic activity for a long time, they reported.

「そのメカニズムの全てを理解しているというわけではないのですが、当該研究者達は、NGQDsが、二酸化炭素を液体燃料や化学物質に還元する触媒として同様にテストされている、銅とほぼ同等の高い効率で働くことを見つけ出しています。そして、NGQDsが長期間触媒作用を持続しておけることを、彼等は報告しています。」

“It is surprising because people have tried all different kinds of catalysts. And there are only a few real choices such as copper,” Ajayan said. “I think what we found is fundamentally interesting, because it provides an efficient pathway to screen new types of catalysts to convert carbon dioxide to higher-value products.”

「”人々が、ありとあらゆる触媒を試していることを考えると、その結果は驚きです。そして、銅などの現実的な選択はほんのわずかしか存在しません。”と、アジャヤン氏は語りました。”私は、我々が発見したことが、二酸化炭素をより付加価値が高い製品に変換するための新しいタイプの触媒を選り分けるための効率の良い道筋を提供してくれているので、基本的に興味深いと思っています。”」

Those problems are hardly a secret. Atmospheric carbon dioxide rose above 400 parts per million earlier this year, the highest it’s been in at least 800,000 years, as measured through ice-core analysis.

「その問題は、とても秘密と言えたもんではありません。大気中の二酸化炭素は、今年前半に400PPMよりも上に上昇していて、アイスコア分析を介した測定によると、少なくとも、80万年で最も高い値になっています。」ガガーン、まじかよ!っていう感じです。

今の大気二酸化炭素濃度が80万年で最高とか、本当かよって言いたくなります。どうしてこうなったと言うしかありません。これは本当にもうダメかもしれません。

”もし私達が、排出された二酸化炭素のかなりの部分を変換できれば、気候変動に関係している、大気中二酸化炭素濃度の水準上昇を抑制できるかもしれません。”と、イリノイ大学の共著者ポール・クニス氏は言った。

二酸化炭素削減は人類存続のための喫緊の問題だと、一部の間で言われています。

実験室試験において、NGQDsは、二酸化炭素を最大で90%まで削減できて、45%をエチレンかアルコールのどちらか一方に変換でき、銅電解触媒と比べても、何の遜色もないことが証明されています。

つまり、100%の二酸化炭素を、45%をアルコールに、45%をエチレンに変換可能で、合わせて90%削減できるということなのでしょう。と解釈してみました。

窒素原子ドープ

Graphene quantum dots are atom-thick sheets of carbon atoms that have been split into particles about a nanometer thick and just a few nanometers wide. The addition of nitrogen atoms to the dots enables varying chemical reactions when an electric current is applied and a feedstock like carbon dioxide is introduced.

「グラフェン量子ドットは、約1ナノメートル厚でほんの数ナノメートル幅の粒子に分割された炭素原子の原子厚シートです。そのドットに窒素原子を添加することで、電流が印加され2酸化炭素のような原料が取り込まれると、各種の化学反応を可能にします。」

”カーボンは一般的には触媒ではありません。”と、アジャヤン氏は言いました。”私達の疑問の1つが、このドーピングが何故そんなに効果的なのかということです。窒素が六方晶グラファイトの格子に挿入されると、それが取れる複数個の位置が存在しています。窒素がどこに落ち着くかに依存している、これらの場所の一つ一つが、異なる触媒作用を持っています。なので、それはパズルであり、人々は、過去5年から10年の間、触媒であるドープされた欠陥のある炭素に関する多くの研究論文を書いてきていますが、そのパズルは現実にはまだ解かれてはいません。”

窒素原子がが黒鉛格子にドープされる場合、窒素がどの場所に挿入されるかによって、触媒作用が違ってくるようです。その違いが、エチレンを産出するか、アルコールを産出するかの違いなんでしょう。もしかすると、他の物質も産出できるのかもしれません。

“Our findings suggest that the pyridinic nitrogen (a basic organic compound) sitting at the edge of graphene quantum dots leads the catalytic conversion of carbon dioxide to hydrocarbons,” said Rice postdoctoral researcher Jingjie Wu, co-lead author of the paper. “The next task is further increasing nitrogen concentration to help increase the yield of hydrocarbons.”

「”我々の研究結果は、ピリジン性窒素(塩基性有機化合物)が、グラフェン量子ドットの縁にあると、炭化水素への二酸化炭素の触媒転換をもたらす事を示唆しています。”と、今回の論文の共筆頭著者のライス大学のポスドク研究員が語った。”次の課題は、炭化水素の生産増加を促進するために、窒素濃度をさらに上昇することです。”」

電極触媒作用の未来

アジャヤン氏は、電極触媒作用は、今のところ、実験室規模では効果的なのですが、産業界は、燃料や化学物質を生産するために拡張性のある熱触媒作用を利用していることを指摘しました。”そういう訳で、企業は、恐らく、すぐにはそれを、大規模生産に利用しないでしょう。しかし、電極触媒作用は、実験室で簡単に実行することが可能で、そして、我々は、それが、新しい触媒の開発に有効活用できることを証明しました。”

グラフェン量子ドットにピリジン型の窒素をドープすると、二酸化炭素を炭化水素に変換可能で、炭素窒素の組み合わせが色々役立つようです。ただ、この電極触媒作用は、熱触媒作用に比べると、スケーラブルという点でかなり劣るらしく、産業用途には、今のところは向いていないみたいです。とは言っても、実験室で簡単に実現可能だという事を考えると、今後研究が進んでいけば、スケーラブルな触媒作用を実現できるかもしれません。