ネトウヨとサヨ、政治理念は何故変え難いのか?

右翼、左翼、中道と言われているように、政治信条は個人によって全く違います。この違いはどこから生じるのでしょうか?もちろん、親の影響が大きいのですが、それだけではなく、個人的な経験によって政治的なポジションが決まるとも言われています。例えば移民受け入れの場合、ウヨは反対で、サヨは賛成と、非常に分かりやすいです。

今年の出生数が100万人割れすると予想されています。この数字は、73年の第2次ベビーブーム時の209万人の半分以下で、統計を取り始めた1899年以降で初めてだということです。もはや移民を受け入れる以外に出生数が増えることも、人口が増えることもないだろうと言われています。歪な人口ピラミッドを支えるには、生産人口を増やすしかないとも言われ、そうするには移民の受け入れしか道がないという意見もあります。

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政治理念は変え難い

Hard-wired: The brain’s circuitry for political belief

USC率いる研究が、アメリカ政治でますます真実であるように思えることを裏付けています。人々は、反対根拠を提示されると、彼等の政治信条がより意固地になるという事です。USC(南カリフォルニア大学)のBrain and Creativity Institute(脳・創造性研究所)の神経科学者は、機能MRI研究の研究結果が、特に、人々が、選挙の間、フェイクや信憑性のある政治ニュース記事に、どのように反応するのかに関係しているように見える事を発見していると言っています。”政治信条は、どちらも自己アイデンティティの一部で、自分が属する社会サークルにとって重要な点で、宗教信条に似ています。”と、筆頭著者でUSC Dornsife College of Letters, Arts and Sciences 脳・創造性研究所の心理学研究助教授ジョナス・カプラン氏は言いました。”別の見解を認めることは、自分自身のもう一つのバージョン(もう一人の自分の存在)を認めなければならなくなります。”

ある人が、信念に固執している時、どの脳のネットワークが反応を示しているのかを決定するために、USC の神経科学者達は、反証を提供された時に人々が、非政治的・政治的論点に関して、彼等の心を変えるかどうか、どのくらい変えるのかを比較しました。

非政治理念は変えやすい

彼等は、人々が、例えば、”アルバート・アインシュタインは20世紀で最も偉大な物理学者でした”のようなノンポリ声明において、彼等の信念度合いを考えるように尋ねられた場合、よりフレキシブルなことを発見しました。しかし、例えば、アメリカは軍事費を削減すべきかどうかといった、自身の政治理念の再考ということになると、彼等は、意見を変えません。”私は、人々が、アインシュタイン博士が偉大な物理学者だったという事を疑っている事に驚かされましたが、この研究は、人間が自身の信念の柔軟性を維持している特定の領域が存在する事を明らかにしました。”とカプラン氏は語りました。

今回の研究は、12月23日のネイチャー誌のScientific Reportsに掲載されました。

扁桃体と島皮質の活動

今回の研究は、自身の信念を変える事に最も抵抗した人々が、へんとう体(脳の中心近くにあるアーモンドの対形状をした領域)と島皮質が、自身の信念を簡単にホイホイ変えてしまう傾向にある人達と比べた場合、より活発である事を明らかにしています。

脳内システム、デフォルトモードネットワークが、個人の政治理念が試された時に活発になるみたいです。”こういった脳の領域は、自分が誰なのかについて考える事や、ある種の反すう思考、物思いに耽る深い思考とつながりがあります。”とカプラン氏は言った。

insular cortex = 島皮質(とうひしつ)、amygdalae (amygdalaの複数形) = 扁桃体 (へんとうたい)、Default Mode Network = デフォルトモードネットワーク

こういった脳のエリアは、感情や意思決定に重要で、それが、自分の政治信念を脅かされた時に、激しく反応することに関わっているかもしれないみたいです。扁桃体は特に、脅威や不安に関わっている事が知られていて、島皮質は、体からの感覚を処理し、刺激の情動的特徴を検出するのに重要のようです。その事が、人が脅威や不安を感じたり、感情的になったりした場合、心を変え難くなるという考えと一致しているとのことです。

“We should acknowledge that emotion plays a role in cognition and in how we decide what is true and what is not true,” Kaplan said. “We should not expect to be dispassionate computers. We are biological organisms.”

「”我々は、感情が、認知や何が真実で何が真実でないかを判断する方法に影響を与えている事を認める必要があります。”とカプラン氏は言った。”私達は、感情に左右されないコンピュータになる事を期待すべきではありません。私達は生物学的生命体です。”」

政治信条や宗教信条はなかなか変え難いみたいです。意見をコロコロ変えるのも問題がありますが、主義主張に固執し過ぎるのも、それと同じくらい問題があります。人間は真実に目を向ける、耳を傾ける必要があります。それにはまず何が真実かを見抜く眼力が必要なわけですが、それはやはり勉強をするしかありません。言外の意味を汲んだり、見えない真実を探り出すには、ある程度の経験と知識が必要だからです。人間は学習しないと人間にはなれないので、より人間らしくあるためには生涯学習が重要だという事です。

日本という国が猛烈な勢いで衰退していっている時に、それを異常な金融緩和や借金で粉飾して、あたかも衰退していないように取り繕う行為は、本当に改革が必要なのに、改革する必要がないと人々に錯覚を起こさせてしまっています。少子化に対する意識改革ができなかった事が、人間の政治理念や社会通念がいかに変え難いかを如実に物語ってしまっています。政治が誰のもので、国が発展するには何が必要で、何が最優先されるべきかといった議論が、日本の可塑性を失った政治脳では、議論の対象にもなりませんでした。日本だけの問題ではありませんが、ただ、アメリカは、今までと同じ事を繰り返すのを止める決意をし、新しい政治を目指す決断を下しました。それは、アメリカが政治的に説得可能だったことを意味し、日本に同じことが起こるかと言えば、まず無理でしょう。