フィンランドのアールト大学の研究者が、可視光周波数で動作し、所謂ダーク格子モードを使ったプラズモンナノレーザーを初めて開発しました。今回開発されたレーザーは、長さスケールで、人の髪の毛よりも1000倍細いようです。そういった微小次元に捕捉された光の寿命は非常に短く、光波は数十回か数百回だけしか上下に小刻み動けません。
今回の研究結果は、超小型かつ超高速なレーザーなどのオンチップコヒーレント光源用の新しい可能性を切り開いてくれているみたいです。
銀ナノ粒子が鏡代わり
Researchers create a tiny laser using nanoparticles
この研究のレーザーオペレーションは、周期的配列にアレンジされた銀ナノ粒子をベースにしています。レージングシグナルのフィードバックが、普通の鏡によって提供されている従来のレーザーとは対照的に、このナノレーザーは、銀ナノ粒子間の放射結合を利用しています。このわずか100ナノメーターサイズの粒子が、微小アンテナの役目を果たしています。高輝度レーザー光を生み出すために、粒子間の距離は、配列の全粒子が同時に放射するように、レージング波長と合わされています。有機蛍光分子が、レージングに必要な入射エネルギーを提供するのに使われています。
暗黒からの光
このレージングテク達成における大きな課題は、光が、そういった小寸で使い物になるのに十分長く存在しない可能性があるということです。研究者は、この潜在的な問題を回避するスマートな、ダークモードでレージングを生み出す方法を見つけ出しました。
“A dark mode can be intuitively understood by considering regular antennas: A single antenna, when driven by a current, radiates strongly, whereas two antennas—if driven by opposite currents and positioned very close to each other—radiate very little,” explains Academy Professor Päivi Törmä. “A dark mode in a nanoparticle array induces similar opposite-phase currents in each nanoparticle, but now with visible light frequencies.”
「”ダークモードは、標準アンテナを考えることで直感的に理解できます。電流によって駆動されると、単一アンテナは、強力に放射する一方で、2本のアンテナが、逆方向の電流によって駆動され、互いに密接に置かれた場合、ほとんど放射しません。”とアカデミー教授 Päivi Törmäは言っています。”ナノ粒子アレイのダークモードは、それぞれのナノ粒子がよく似た逆相電流を発生させますが、今は可視光周波数を伴います。”」
“Dark modes are attractive for applications where low power consumption is needed. But without any tricks, dark mode lasing would be quite useless, because the light is essentially trapped at the nanoparticle array and cannot leave,”
「ダークモードは、低消費電力が要求されるアプリケーションにとっては魅力的なのですが、何のトリックもないと、ダークモードレージングは、光が基本的にナノ粒子アレイに閉じ込められて出てこれないので、全く使い物になりません。」
小サイズのアレイ利用することで、我々は、光のエスケープルート(逃げ道)を見つけ出しました。アレイのエッジへ向かって、ナノ粒子は、ますます、外界(外部の世界)に向けて放射する通常アンテナのように振る舞い始めます。
研究チームは、national OtaNano research infrastructure にある、ナノファブリケーション施設とクリーンルームを使いました。
今回の研究成果は、Nature Communications誌に掲載されています。
ダークモードレージングは、銀ナノ粒子アレイはその内部は光の逃げ道がないので暗黒ですが、エッジ方向へ向かうに連れて、通常アンテナのように振る舞うので、エッジから光を放出し、暗黒から光が放射されているように見えるからダークモードレージングと言われているような気がします。そんな気がするだけです。