人工知能(深層学習)を駆使した株式投資手法が今後の主流になる

フリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルク(FAU)ビジネス経済学部の研究者達によって実施された研究が、アルゴリズムが人工知能を基礎にしているコンピュータプログラムが、収益率が高い投資決定をできることを証明しています。1992年から2015年までのS&P 500構成銘柄に適用した場合、人工知能による銘柄選択は、2桁の年間利益を生み出していて、最も高い収益は、金融不安の時期に作り出されています。

深層学習が未来を変える

Deep learning and stock trading

2016年3月、韓国の李世ドル、世界有数の碁対局者が、AlphaGo(アルファ碁)コンピュータプログラムに敗れました。その事は、その時点まで、そのアジアのボードゲームが、コンピューターにとってあまりにも複雑すぎると考えられていたので、人工知能の歴史における画期的な出来事でした。こういった成功の裏には、生体系をモデルにし、それらが、数百万あるデータポイントから関連性を独力で抽出できるように、ニューラルネットワーク(神経回路網)を真似た形に構築されたプログラムがあります。’人工ニューラルネットワークは、解答が明確な規則を使って明確に導き出せない問題に対して主に適用されています。’、とFAUの統計学・計量経済学部長のクリストファー・クラウス博士は説明しています。’画像認識や音声認識は、アップルのSiriなどのようなアプリケーションの典型的な分野になってはいますが、深層学習の関与度は、天気予報や経済発展の予測のような、他の分野でも増してきています。’

資本市場データの分析

The international team headed by Christopher Krauss — consisting of Xuan Anh Do (FAU) and Nicolas Huck (ICN Business School, France) — were the first researchers to apply a selection of state-of-the-art techniques of artificial intelligence research to a large-scale set of capital market data. ‘Equity markets exhibit complex, often non-linear dependencies,’ says Krauss. ‘However, when it comes to selecting stocks, established methods are mainly modelling simple relationships. For example, the momentum effect only focuses on a stock’s return over the past months and assumes a continuation of that performance in the months to come. We saw potential for improvements.’ To find out whether automated learning processes perform better than a naïve buy-and-hold strategy, researchers studied the S&P 500 Index, which consists of the 500 leading US stocks. For the period from 1992 to 2015, they generated predictions for each individual stock for every single trading day, leveraging deep learning, gradient boosting, and random forests.

クリストファー・クラウス博士が指揮する国際的なチーム(FAUのスアン・アン・ドー氏とフランスのICNビジネススクールのニコラス・ハック氏から成る)は、選りすぐった人工知能研究の最先端技術を、大規模キャピタルマーケットデータに適用した初めての研究者達でした。’株式市場は、複雑で、ほとんどの場合、非線形依存性を示しています。’と、クラウス博士は言いました。’しかし、株式銘柄選択となると、確立されている手法は、主に、単純な関連性をモデルにしています。例えば、モメンタム効果は、過去の月々に渡る株式銘柄のリターンに焦点を当てているだけで、今後数ヶ月においても、そのパフォーマンスが継続するという推測にしか過ぎません。我々は、改善の余地があると考えたわけです。’ 自動化した学習過程が、愚直な長期保有戦略よりも優れているかどうかを調査するために、研究者は、米主要企業の500銘柄で構成されているS&P500 Indexを学習しました。1992年~2015年の期間、彼らは、深層学習、勾配ブースティング、ランダムフォレストを駆使して、全取引日の各銘柄毎の予測を立てました。

機械学習でアウトパフォーム

Each of these methods was trained with approximately 180 million data points. In the course of this training, the models learned a complex function, describing the relationship between price-based features and a stock’s future performance. The results were astonishing: ‘Since the year 2000, we observed statistically and economically significant returns of more than 30% per annum. In the nineties, results were even higher, reflecting a time when our machine learning approaches had not yet been invented,’ adds Krauss. These results pose a serious challenge to the efficient-market hypothesis. Returns were particularly high during times of financial turmoil, for example the collapse of the dot-com bubble around the year 2000 or the global financial crisis in 2008/2009. Dr Krauss: ‘Our quantitative algorithms have turned out to be particularly effective at such times of high volatility, when emotions dominate the markets.’

こういった手法の一つ一つが、約180万のデータポイントを使って訓練されています。この訓練の間、モデルは、価格ベースの特徴と株式銘柄の将来のパフォーマンスとの相関関係を説明している複合関数を学習しています。結果は驚くべきものでした。’2000年以降、我々は、1年当たり、30%以上の統計的・経済的に大きな意義を持つリターンを観測しています。90年代においては、結果はさらに高い水準にあり、我々の機械学習アプローチがまだ発明されていない時代を反映しています。’と、クラウス氏は付け加えています。こういった結果が、効率的市場仮説に対して重大な挑戦をもたらしています。収益は、金融不安の時期、例えば、インターネットバブル崩壊(2000年前後)や、世界金融危機(2008~2009年)に特に高かったです。クラウス博士は、’我々の定量アルゴリズムは、感情が市場を左右する、そういった高いボラティリティ(市場が乱高下しまくり)の時に特に効果的であることが判明しています。’と、語った。

深層学習の可能性はかなり高い

クリストファー・クラウス氏は、しかし、注意を喚起していて、この事が、必ずしも資本市場取引の聖杯とは限らないと強く主張しています。’研究のより後の年においては、収益性は落ち込んでいて、時にはマイナスになることさえありました。我々は、この減少が、増大し続けるマシンパワーと機械学習の普及によって促進された、近代トレーディングにおける人工知能の影響力の上昇によってもたらされていると推測しています。’ しかしながら、研究者達は、深層学習が、それでもなお大きな可能性を秘めている事を認めています。’我々は、現在、はるかに規模が巨大なデータセットと、時間依存性識別に特化している、非常に多層なネットワーク・アーキテクチャを使った、かなり前途有望であるフォローアッププロジェクトに取り組んでいます。’と、クラウス氏は説明しています。’初期の成果が、既に、ここ数年のトレーディングにおいても、予想品質が大幅に向上していることを示しています。’

深層学習を究極まで駆使したアルゴ取引で、年100%のリターンが毎年見込めるようになった場合、例えば、100万から投資を始めた場合、7年後には億り人になっている計算になります。もちろん、日本のように、中央銀行と公的年金資金が市場価格操作しているような異常な株式市場では、こういった手法は通用しません。日本の市場で勝てるのは、インサイダー情報を持った人間や、他の不正な手段を使っている人間だけだと、一部の間で囁かれていますが、それは言い過ぎとしても、個人投資家が勝てないのは確かなようです。