腫瘍抑制因子P53のもう1つの邪悪な発がん性側面

遺伝子p53は、最も一般的な癌の変異遺伝子で、DNAダメージがないか細胞を監視して、破壊用に損傷細胞をマークすることがP53の仕事なので、変異DNAを持ったガン細胞は、p53が自分達を機能不全にする前に、p53を無効化する必要があります。しかし、p53には別の邪悪な側面が存在します。無傷、あるいは、野生種のp53が腫瘍抑制因子な一方で、変異p53は、それ自身が腫瘍遺伝子になることができ、がんの進行を駆り立てます。コロラド大学がんセンターによる新しい研究が、アメリカ癌学会(AACR)年次総会2017で、他の遺伝子、Mdm2と、今回初めてMdm4が、この突然変異p53を抑制することを明らかにするために、この突然変異した腫瘍形成性のp53遺伝子の邪悪な側面に焦点を当てています。

Mdm2とMdm4がp53を牽制

AACR study sheds light on dark side of tumor suppressor gene, p53

“Because p53 is the most frequently mutated gene in cancer, it has a tremendous impact on tumorigenesis. Anything that regulates the p53 pathway has an importance in tumor development – and potentially for therapy,” says senior author Tamara Terzian, PhD, investigator at the CU Cancer Center and assistant professor at the Gates Center for Regenerative Medicine on the University of Colorado Anschutz Medical Campus.

”p53は、最も頻繁に癌に変異する遺伝子で、腫瘍形成に途方もない影響を与えています。p53経路を制御する物全てが腫瘍成長には重要で、もしかすると、治療に対しても重要性を有している可能性があります。”と、コロラド大学癌センターの研究員で、コロラド大学アンシュッツ医学部キャンパスのゲーツ再生医療センターの助教授でもある、本研究の上席著者タマラ・テルジアン博士が言っています。

In healthy cells, Mdm2 and Mdm4 keep p53 at low levels; studies have shown that nixing these proteins results in a spike in p53 and the destruction of the cell. Commonly, DNA damage – either oncogenic mutations or other non-cancer stressors – results in high p53 and cell death. And, also commonly, cancer evades this blockade by mutating p53, keeping its levels artificially low despite high DNA damage.

健康的な細胞においては、Mdm2とMdm4が、p53を低いレベルに保っています。いくつかの研究が、この蛋白質を無効化することが、p53の急上昇と細胞破壊をもたらすことを明らかにしています。一般的に、DNA損傷(発癌突然変異か他の非癌ストレッサーに関係なく)は、高いレベルのp53と細胞死を引き起こします。また、一般的に、がんは、この妨害を、p53を突然変異させることで回避し、高いDNA損傷にもかかわらず、p53水準を人工的に低く抑えています。

p53の邪悪な側面

しかし、p53にはもう1つ別のストーリー展開が存在します。このもう1つの話では、癌がp53を突然変異させて、変異型p53を、自己増殖を促進するために直に利用し、今度は、癌が、この変異型p53を増やしたく、そして今、医者達は、健康なp53が、発がん性DNAに呼応して急増するのを望む代わりに、突然変異型p53が消えてなくなることを望んでいます。

“When you take out either of these two genes, Mdm2 or Mdm4, mutated p53 is elevated and mice die earlier of mutant-p53-driven cancers,” Terzian says. However, Terzian’s study also shows cooperation between 2 and 4. “When you knock down either, you boost the level of mutant p53, and when you take them both out, it kind of goes through the roof,” she says.

”Mdm2とMdm4、この2つの遺伝子のどちらか1つを取り除いた場合、変異型p53が、急上昇して、ネズミは、突然変異p53によって引き起こされた癌が原因で早世します。”と、テルジアン博士は言っています。しかし、テルジアン氏の研究は、Mdm2と4間の協力も同時に明らかにしています。”2か4のどちらかをノックダウンした場合、変異型p53の水準をブーストし、両方共にノックダウンすると、いわば、天井知らずでどんどん上昇していきます。”

がんによって引き起こされた突然変異型p53を、例えば、多くの細胞が、変異型と野生型のp53の両方を保有しているので、野生型を活性化するか、変異型を激減させるか、変異型を野生型に変換するかによって、元の健康的ながん破壊型p53に、強制的に戻すことを試みる新しい治療法が、現在、臨床試験中ですと、テルジアン博士は言っています。

変異型p53タンパク質

”我々は、何がp53を制御し、何がそのターゲット遺伝子なのかの両方を知りたい”と、博士は語ります。”変異型p53について言えば、全く同じ変異型について話しているのではなく、複数の突然変異型が存在していて、各変異型が、それ自身の蛋白質を作り出し、各々が、それぞれの意志を持っています。自然型は、単に1つの形に過ぎず、変異タンパク質は、無限の可能性を有しています。こういった可能性について疑問を呈する事が、視野を広げてくれます。”

視野はますますはっきりしてきていて、原型p53は、ガン細胞を破壊し、変異型p53は、癌を引き起こします。両タイプが、Mdm2とMdm4によって抑制されます。今後の課題は、適切な時間に正しい患者に対して、こういったタンパク質から伝播している、一連のシグナリングにおいて、こういったタンパク質、あるいは、他の因子を制御することができるかです。

”変異型p53タンパク質が調節される仕組みを理解することで、我々は、腫瘍を治療するための効果的な治療方針を開発する可能性を増すことができます。”と、博士は言っています。

腫瘍抑制因子の善玉タンパク質の、p53が、ガン細胞によって突然変異させられ、変異型p53に突然変異させられるのは、非常に皮肉な話です。ガン細胞の特異性を、今一度、改めて痛感させられますが、変異型p53を使って自らを増殖させた後は、当然、増えたガン細胞は、p53をさらに変異させたくなるのは当然で、変異型p53が増殖すれば、当然ガン細胞も増殖し、逆もまた同じで、相乗効果でガン細胞と変異型p53が異常増殖し、人体に対して、破局的な結果をもたらします。Mdm2とMdm4は、正常なp53と変異型p53の両方を抑制するので、変異型だけを抑制する方法を考え出せれば、有効ながん治療の開発につながります。変異タンパク質が、無限に存在することを考えると、選択的制御は至難な業であるように思えます。