オメガ3脂肪酸のDHAが血液脳関門の健全性を維持している

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食品化合物として、その健康効果が大きく喧伝されているオメガ3脂肪酸は、現在、血液感染性の細菌や毒素、他の病原菌から中枢神経系を保護する、血液脳関門の健全性を維持するのに極めて重要な役割を果たしているようにも見えることを、Neuron誌に掲載されたハーバード・メディカル・スクールによる新しい研究が明らかにしています。

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トランスサイトーシス

Unlocking the barrier | EurekAlert! Science News

a team led by Chenghua Gu, associate professor of neurobiology at Harvard Medical School, describes the first molecular explanation for how the barrier remains closed by suppressing transcytosis–a process for transporting molecules across cells in vesicles, or small bubbles. They found that the formation of these vesicles is inhibited by the lipid composition of blood vessel cells in the central nervous system, which involves a balance between omega-3 fatty acids and other lipids maintained by the lipid transport protein Mfsd2a.

ハーバード大学医学大学院神経生物学教授Chenghua Gu氏率いるチームが、関門が、トランスサイトーシス(小胞、あるいは小泡中の分子を細胞を介して輸送するためのプロセス)を抑制することによって、閉じたままになっている仕組みの、分子的解釈を初めて説明しています。彼らは、こういった小胞の形成が、オメガ3脂肪酸と脂質輸送タンパク質Mfsd2aによって維持されている、他の脂質の間のバランスに影響を与えている、中枢神経系の血管細胞の脂質組成によって抑制されていることを発見しています。

血液脳関門は、中枢神経系が傷つかないように保護している、非常に重要な進化メカニズムである一方で、脳に治療薬剤を送達するための、非常に大きな障害にもなっています。

Mfsd2aの活性を阻害する事が、脳腫瘍、脳卒中、アルツハイマー病などの一連の疾患を治療するために、この障害を乗り越えて、脳に薬剤を届けるための方策になるかもしれません。

”今回の研究は、低トランスサイトーシスが、血液脳関門の不浸透性を確保するために、如何にして、中枢神経系血管において達成されているのかを説明している、明確な分子機序を初めて示しています。”とグー氏は言いました。”その関門が、どのようにして調節されているのかについて、我々が知らない多くのことが未だに存在しています。その機序の深い理解が、安全で効果的に脳に薬物を送る事を目的に、我々がそれを利用する事を可能にします。”

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血液脳関門

The blood-brain barrier is composed of a network of endothelial cells that line blood vessels in the central nervous system. These cells are connected by tight junctions that prevent most molecules from passing between them, including many drugs that target brain diseases. In a 2014 study published in Nature, Gu and colleagues discovered that a gene and the protein it encodes, Mfsd2a, inhibits transcytosis and is critical for maintaining the blood-brain barrier. Mice that lacked Mfsd2a, which is found only in endothelial cells in the central nervous system, had higher rates of vesicle formation and leaky barriers, despite having normal tight junctions.

血液脳関門は、中枢神経系の血管の内側を覆う内皮細胞の網状組織でできています。これらの細胞は、脳疾患を標的にした多くの薬剤を含むほとんどの分子が、それらの間を通過するのを防いでいる、密着接合によって結合されています。2014年にネイチャー誌に掲載された研究の中で、グー氏と同僚等は、遺伝子とそれをエンコードしているタンパク質のMfsd2aが、トランスサイトーシスを抑制し、血液脳関門を維持するために、決定的に重要であることを発見しています。中枢神経系の内皮細胞だけに含まれるMfsd2aが欠如したネズミは、正常な密着結合を有しているにもかかわらず、高い小胞形成率と漏れやすい関門を持っていました。

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輸送タンパクMfsd2

Mfsd2は、魚油やナッツに含まれるオメガ3脂肪酸のDHAを含む脂質を、細胞膜内部へ移動している輸送タンパク質です。関門に対するこの機能の重要性をテストするために、チームは、単一アミノ酸置換が、DHAを輸送するためのそれの能力を抑止している、Mfsd2aの突然変異型を作り出し、彼らは、このネズミ達に蛍光染料を注入し、Mfsd2aが完全に欠如しているネズミに見られる、漏れやすい血液脳関門、高小胞形成率、トランスサイトーシスを観察しました。

遮断性がなくMfsd2aを発現しない肺毛細血管の内皮細胞に対する、脳毛細血管の内皮細胞の脂質組成の比較が、脳内皮細胞が、約2~5倍高い水準のDHA含有脂質がある事を示しました。

Additional experiments revealed that Mfsd2a suppresses transcytosis by inhibiting the formation of caveolae–a type of vesicle that forms when a small segment of the cell membrane pinches in on itself. As expected, mice with normal Cav-1, a protein required for caveolae formation, and that lacked Mfsd2a exhibited higher transcytosis and leaky barriers. Mice that lacked both Mfsd2a and Cav-1, however, had low transcytosis and impermeable blood-brain barriers.

追加の実験が、Mfsd2aが、細胞膜の微小部分が、自身をピンチインすると形成する小胞の一種である、カベオラの形成を阻害することで、トランスサイトーシスを抑制していることを明らかにしています。予想通り、正常なCav-1(カベオラ形成に必須の蛋白質)を持ち、Mfsd2aが欠如したネズミは、高いトランスサイトーシスと漏れやすい関門を示す一方、Mfsd2aとCav-1の両方が欠如したネズミは、低トランスサイトーシスと不透過性血液脳関門を示しました。

”我々は、DHAを細胞膜に組み込む事で、Mfsd2aが、根本的にその細胞膜の組成を変えて、それを、これら特定タイプのカベオラの形成に不向きにすると考えています。”と、アンドレオン氏は言いました。”我々は、数十年前に血液脳関門細胞の低小胞形成率とトランスサイトーシスを観測していますが、細胞機構がこの現象を説明するのは今回が初めてです。”

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カベオラ介在トランスサイトーシス

By revealing the role of Mfsd2a and how it controls transcytosis in the central nervous system, Gu and her colleagues hope to shed light on new strategies to open the barrier and allow drugs to enter and remain in the brain. They are currently testing the efficacy of an antibody that potentially can temporarily block the function of Msfd2a, and whether caveolae-mediated transcytosis can be leveraged to shuttle therapeutics across the barrier.

Mfsd2aの役割と、それが、中枢神経系のトランスサイトーシスを制御する仕組みを明らかにすることで、グー氏と彼女の同僚たちは、その関門を開いて、薬物が脳内に進入して留まることを可能にするための、新しい方法の考案につながることを期待しています。彼らは、Msfd2aの機能を一時的に抑制できる可能性を持った抗体の有効性と、カベオラ介在トランスサイトーシスが、関門越しに治療薬をシャトルするために利用可能かどうかを、現在テスト中です。

”脳疾患に対して効果的な薬剤の多くは、血液脳関門を通るのに悪戦苦闘していて、Mfsd2aを阻害することが、トランスサイトーシスを増やして、ベータアミロイドの抗体や、選択的に腫瘍細胞を攻撃する化学物質などの薬剤を脳に送るのを可能にする、付加的な戦略になるかもしれません。もし、関門越えの方法を発見できれば、その効果は絶大な物になります。”

DHAが血液脳関門を盤石にしている一方で、Mfsd2aの阻害が、その関門を開いて、脳に必要な薬剤を送達するための新手法として利用できるかもしれないようです。

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