トレハロースの超意外な効能:免疫機能を超高めて動脈硬化を治癒

研究者達は、病気(特に癌)治療に人体の持つ免疫機構を最大限に活用する方法を、かなり長い間探し求めてきました。やっと今になって、彼等は、ヒトの免疫機構が、アテローム性動脈硬化症や、潜在的に、脂肪肝や2型糖尿病を含む他の代謝性疾患を治療するように、きっかけを与えることが可能であるかもしれないことを見い出しています。

トレハロースの超意外な効能

Type of sugar may treat atherosclerosis, mouse study shows

Studying mice, researchers at Washington University School of Medicine in St. Louis have shown that a natural sugar called trehalose revs up the immune system’s cellular housekeeping abilities. These souped-up housecleaners then are able to reduce atherosclerotic plaque that has built up inside arteries. Such plaques are a hallmark of cardiovascular disease and lead to an increased risk of heart attack.

ネズミを使った研究で、セントルイス・ワシントン大学医学部の研究者たちは、トレハロースと呼ばれる天然糖が、免疫系の持つ細胞ハウスキーピング能を活性化させることを見つけ出しています。こうした機能強化された必殺掃除人たちは、その後、動脈内に蓄積された動脈硬化性プラークを減らせるようになります。そういったプラークは、循環器疾患のホールマークであり、心臓発作のリスクを高めます。本研究は、Nature Communications誌に掲載中です。

貪食細胞マクロファージ

“We are interested in enhancing the ability of these immune cells, called macrophages, to degrade cellular garbage — making them super-macrophages,” said senior author Babak Razani, MD, PhD, an assistant professor of medicine.

”私達は、細胞のゴミを分解するために、マクロファージと呼ばれる、こういった免疫細胞の能力を高める事に関心を持っています。”と、内科学助教授ババク・ラザニ博士は言いました。

マクロファージは、変形タンパク質、過剰な脂肪適、機能不全に陥ったオルガネラ(細胞内部の特殊構造)を含む、多種多様な細胞廃棄物を掃除する責任を負っている免疫細胞です。

アテローム性動脈硬化

“In atherosclerosis, macrophages try to fix damage to the artery by cleaning up the area, but they get overwhelmed by the inflammatory nature of the plaques,” Razani explained. “Their housekeeping process gets gummed up. So their friends rush in to try to clean up the bigger mess and also become part of the problem. A soup starts building up — dying cells, more lipids. The plaque grows and grows.”

”アテローム性動脈硬化で、マクロファージは、プラーク蓄積部位を掃除することで、動脈の損傷を治癒しようと試みますが、プラークの炎症性によって圧倒されてしまいます。”と、ラザニ博士は説明しました。”彼等の清掃工程は台無しになり、なので、友達たちが、巨大化していく廃棄物を処理しようと急遽駆け付け、このことが問題をさらに大きくします。事態は、瀕死の細胞と脂肪の蓄積で悪化を辿り、プラークは、どんどん積み重なっていきます。”

トレハロースの経口投与、構造が似た他の糖の注射だと、効果が消えてしまいました。

トレハロースは天然糖

Found in plants and insects, trehalose is a natural sugar that consists of two glucose molecules bound together. It is approved by the Food and Drug Administration for human consumption and often is used as an ingredient in pharmaceuticals. Past work by many research groups has shown trehalose triggers an important cellular process called autophagy, or self-eating. But just how it boosts autophagy has been unknown.

植物や昆虫に見られるトレハロースは、互いに結合し2個のグルコース(ブドウ糖)分子で構成される天然糖です。それは、食用として米食品医薬品局によって認可されていて、医薬品の1成分として頻繁に使われています。多くの研究グループによる過去の研究が、トレハロースがオートファジー(自食作用)と呼ばれる重要な細胞過程を引き起こす事を明かしています。しかしながら、それが、どのようにして自己貪食を促進しているのかについては不明のままです。

トレハロースがオートファジーを活性化

In this study, Razani and his colleagues show that trehalose operates by activating a molecule called TFEB. Activated TFEB goes into the nucleus of macrophages and binds to DNA. That binding turns on specific genes, setting off a chain of events that results in the assembly of additional housekeeping machinery — more of the organelles that function as garbage collectors and incinerators.

本研究の中で、ラザニ氏と彼の同僚達は、トレハロースが、TFEBと呼ばれる分子を活性化することで機能している事を明らかにしています。活性化されたTFEBは、マクロファージの核の中に入り込んでDNAに結合します。その結合が、特別な遺伝子をオンにし、付加的ハウスキーピング機構(ゴミ収集者や焼却炉として機能する細胞小器官のようなもの)の組み立てにつながる一連のイベントを引き起こします。

ネズミを使った実験では、今のところはトレハロース注射でしか効果がないようです。最終的に人において、経口投与でも効果的な薬を開発することを目指しているようです。