孤独感が人を自己中にし、身勝手さが人を孤独にする負のループ

10年以上にわたって行われた研究が、孤独感が身勝手さを増し、程度はそれよりは低いのですが、その身勝手さが同時に孤独感を増していることを示唆しています。シカゴ大学の研究者等によるこの発見が、そういった資質が、この2つの習性の間に正のフィードバック・ループを作り出していることを示しています。つまり、孤独感が増すと身勝手さが増し、その事が翻って孤独感をさらに増してしまうという、悪循環を形成してしまうことになります。

人は1人では生きられない:人は孤独過ぎると寂しさでおかしくなる
孤独感と社会からの孤立は、肥満よりも深刻な公衆衛生上の危険である可能性があり、その社会的インパクトは増大の一途をたどり、今後も増大し続けるだろうことを、第125回アメリカ心理学会年次大会においてプレゼンされた研究が示唆しています。人が孤独でいることは良くないし、社会からの孤立などはもってのほかです。何故なら、人はみな1人では生きていけないものだからです。
スポンサーリンク

孤独感が人をさらに孤独にする

Loneliness contributes to self-centeredness for sake of self-preservation

“If you get more self-centered, you run the risk of staying locked in to feeling socially isolated,” said John Cacioppo, the Tiffany and Margaret Blake Distinguished Service Professor in Psychology and director of the Center for Cognitive and Social Neuroscience.

”人は身勝手さを増せば、社会的孤立感に苛まれるリスクを負うことになります。”と、心理学教授で、認知・社会神経科学センター長のジョン・カシオッポ氏は言います。

スポンサーリンク

社会的疎外感は体に悪影響を与える

The researchers wrote that “targeting self-centeredness as part of an intervention to lessen loneliness may help break a positive feedback loop that maintains or worsens loneliness over time.” Their study is the first to test a prediction from the Cacioppos’ evolutionary theory that loneliness increases self-centeredness. Such research is important because, as many studies have shown, lonely people are more susceptible to a variety of physical and mental health problems as well as higher mortality rates than their non-lonely counterparts.

研究者達は、”ボッチ感を減らすための介入の一環として、身勝手さを標的にする事が長期にわたる疎外感を維持、もしくは、悪化させる正のフィードバック・ループを打ち破るのに役立つかもしれない。”と書いています。彼等の研究は、孤独感が身勝手さを増すというカシオッポ教授の進化論による予測を初めてテストしています。その種の研究は、多くの研究が示しているように、孤独感に苛まれる人々が、そうでない人達と比較した場合、多種多様な身体的・精神的問題の影響をより受けやすい理由から重要になっています。

スポンサーリンク

孤独感は一時的な不快感

Early psychological research treated loneliness as an anomalous or temporary feeling of distress that had no redeeming value or adaptive purpose. “None of that could be further from the truth,” Stephanie Cacioppo said.

過去の心理学的研究は、孤独感を補完的価値や適応目的がない、特異、もしくは、一時的な不快な感情として取り扱ってきました。”どれも全くもって真実とかけ離れています。”

couldn’t be further from the truth、nothing could be further from the truthで、有り得ないくらい事実と懸け離れているといった意味になります。

孤独、人が一人でいるのはまじで精神的にやばい
Psychological Science誌に掲載された新たな研究によると、人間は自分を気にかけてくれる近しい人の存在を知ることで、自分が社会的につながっているということを実感する手段として、物を擬人化する傾向に歯止めをかけることができるということです。本研究は、孤独を感じる人間が孤独でない人間に比べて、無生物を人間のように思い込んでしまう可能性が高いことを示す過去の知見を再現し、さらにその知見を広げています。
スポンサーリンク

人間は本来は身勝手な生き物

The finding that loneliness tends to increase self-centeredness fits the evolutionary interpretation of loneliness. From an evolutionary-biological viewpoint, people have to be concerned with their own interests. The pressures of modern society, however, are significantly different from those that prevailed when loneliness evolved in the human species, researchers found.

孤独感が自己中さを増す傾向にあるという今回の発見は、孤独感の進化的解釈と合致しています。進化生物学の見地に立てば、人間というものは、自分の利益だけに関心を持つ必要があります。現代社会の圧力は、しかしながら、孤独感が人類において発達した時に主流だったものとはかなり異なっていることを研究者たちは発見しています。

“Humans evolved to become such a powerful species in large part due to mutual aid and protection and the changes in the brain that proved adaptive in social interactions,” John Cacioppo said. “When we don’t have mutual aid and protection, we are more likely to become focused on our own interests and welfare. That is, we become more self-centered.”

”人間は、主に、相互扶助・相互保護と社会的相互作用における順応性が証明された脳内の変化のおかげで今のような支配的な種に進化することができています。人が相互扶助・相互保護を持たなければ、私利私欲を追求しやすくなり、つまり、より自己中になります。”

In modern society, becoming more self-centered protects lonely people in the short term but not the long term. That’s because the harmful effects of loneliness accrue over time to reduce a person’s health and well-being.

現代社会においては、より自己本位になることが短期的には孤独に苛まれる人達を保護してくれますが、長期的にはそうはいきません。その理由は、孤独がもたらす悪影響が長期にわたると、人の健康を損ない幸福を減らしてしまうためです。

“This evolutionarily adaptive response may have helped people survive in ancient times, but in contemporary society may well make it harder for people to get out of feelings of loneliness,” John Cacioppo said.

”この進化的適応反応は、古代においては、人々が生き延びる手助けをしたかもしれませんが、現代社会においては、恐らく、人々が孤独感から抜け出すのをより困難にしてしまっています。”

人からファブられると自らが他者をファブるようになる負のループ
自分よりも電話を優先された(ファブられた)人達が、自分達もスマホやSNSを優先するようになることをベイラー大学ハンカマービジネススクールによる新たな研究が明らかにしています。ファビング(連れ合いよりも携帯機器を優先する行為)が人間関係を台無しにし、鬱症状を引き起こす可能性がある彼等の過去の研究を足掛かりに、研究者達はファビングの被害者達が、自分達もネットの仮想現実社会に逃避して、他者をファビングするようになることで悪循環の環を意図することなく、ほぼ完成させてしまうことを見出しています。
スポンサーリンク

孤独感が人を反社会的にする

When humans are at their best, they provide mutual aid and protection, Stephanie Cacioppo added. “It isn’t that one individual is sacrificial to the other. It’s that together they do more than the sum of the parts. Loneliness undercuts that focus and really makes you focus on only your interests at the expense of others.”

人は自分が絶好調な時は相互扶助・相互保護を提供すると、ステファニー・カシオッポ氏は付け加えています。”それは、個人が他者のために犠牲になることではなく、お互い協力すれば、全体として大きな力を発揮するということです。孤独感(社会的疎外感)は、その焦点をぼかして他者を食い物にし、人を自分の私利私欲だけを追求するようにしてしまいます。”

身勝手さと疎外感は表裏一体の関係にあるようですが、例えば、この国では、ニートや引きこもりが一番孤独な存在であり、彼等の多くはそのあまりの自己中っぷりが故に、自分の家族からさえも疎まれてしまっていると言われています。それが真実なのかどうかは置いておくとして、人が孤独になると、社会が俺を無視するなら、俺も社会を無視するといった思考になってしまうようです。それが度を越すと、社会に対して復讐しようと考えるようになり、通り魔や無差別テロ等の悲劇を生み出してしまいます。

人が俺を疎外するなら、俺も自己中に生きて他者を疎外してやる、この悪循環をどこかで断ち切らないと悲劇的な結果をもたらすのは火を見るより明らかで、人に対して親切にすることが大切なのは言うまでもなく、ボッチ、お一人様、生涯独身、孤立社会、孤独死、引きこもりといった言葉が当り前のように使われている昨今、人が1人でいるのは良くないという聖書の言葉を改めて考え直してみる必要があるのかもしれません。

スポンサーリンク
スポンサーリンク