孤独感が人を自己中にし、身勝手さが人を孤独にする負のループ

10年以上にわたって行われた研究が、孤独感が、身勝手さを増し、程度はそれよりは低いのですが、身勝手さが、同時に孤独感を増していることを示唆してます。シカゴ大学の研究者たちによる発見が、そういった資質が、二つの習性間の正のフィードバック・ループを作り出していることを示しています。つまり、孤独感が増すと、身勝手さが増し、その事が翻って、孤独感をさらに増してしまうということになります。

孤独感が人を孤独にする

Loneliness contributes to self-centeredness for sake of self-preservation

“If you get more self-centered, you run the risk of staying locked in to feeling socially isolated,” said John Cacioppo, the Tiffany and Margaret Blake Distinguished Service Professor in Psychology and director of the Center for Cognitive and Social Neuroscience.

”人は身勝手さを増せば、社会的孤立感に苛まれるリスクを負うことになります。”と、心理学教授で、認知・社会神経科学センター長のジョン・カシオッポ氏は言いました。

社会的疎外感は体に悪影響

The researchers wrote that “targeting self-centeredness as part of an intervention to lessen loneliness may help break a positive feedback loop that maintains or worsens loneliness over time.” Their study is the first to test a prediction from the Cacioppos’ evolutionary theory that loneliness increases self-centeredness. Such research is important because, as many studies have shown, lonely people are more susceptible to a variety of physical and mental health problems as well as higher mortality rates than their non-lonely counterparts.

研究者達は、”ボッチ感を減らすための介入の一環として、身勝手さを標的にする事が、長期にわたる疎外感を維持、もしくは、悪化させる正のフィードバック・ループを打ち破るのに役立つかもしれません。”と、書いています。彼等の研究は、孤独感が身勝手さを増すという、カシオッポ教授の進化論による予測を初めてテストしています。その種の研究は、多くの研究が示しているように、孤独感に苛まれる人々が、そうでない人達と比較した場合、多種多様な身体的・精神的問題の影響をより受けやすい理由から重要になっています。

孤独感は一時的な不快感

Early psychological research treated loneliness as an anomalous or temporary feeling of distress that had no redeeming value or adaptive purpose. “None of that could be further from the truth,” Stephanie Cacioppo said.

過去の心理学的研究は、孤独感を、補完的価値や適応目的がない、特異、あるいは、一時的な不快な感情として取り扱ってきました。”全くもって真実とかけ離れています。”

人間は本来は身勝手な生き物

The finding that loneliness tends to increase self-centeredness fits the evolutionary interpretation of loneliness. From an evolutionary-biological viewpoint, people have to be concerned with their own interests. The pressures of modern society, however, are significantly different from those that prevailed when loneliness evolved in the human species, researchers found.

孤独感が自己中さを増す傾向にあるという発見は、孤独感の進化的解釈と合致します。進化生物学の見地に立てば、人間というものは、自分の利益だけを追求する必要があります。現代社会の圧力は、しかしながら、孤独感が人類において進化した時に主流だったものとは、かなり異なっていることを、研究者たちは発見しています。

“Humans evolved to become such a powerful species in large part due to mutual aid and protection and the changes in the brain that proved adaptive in social interactions,” John Cacioppo said. “When we don’t have mutual aid and protection, we are more likely to become focused on our own interests and welfare. That is, we become more self-centered.”

”人間は、主に、相互扶助・相互保護と、社会的相互作用の適応性が証明された脳内の変化の理由によって、今のような支配的な種に進化することができています。人が相互扶助・相互保護を持たなければ、私利私欲を追求しやすくなり、つまり、より自己中になります。”

In modern society, becoming more self-centered protects lonely people in the short term but not the long term. That’s because the harmful effects of loneliness accrue over time to reduce a person’s health and well-being.

現代社会においては、より自己本位になることが、短期的には、孤独に苛まれる人達を保護してくれますが、長期的にはそうはいきません。その理由は、孤独がもたらす悪影響が、長期にわたると、人の健康と幸福を減じさせてしまうためです。

“This evolutionarily adaptive response may have helped people survive in ancient times, but in contemporary society may well make it harder for people to get out of feelings of loneliness,” John Cacioppo said.

”この進化的適応反応は、古代には、人々が生き延びる手助けをしたかもしれませんが、現代社会においては、恐らく、人々が孤独感から抜け出すのをより困難にしてしまっています。”

孤独感が人を反社会的にする

When humans are at their best, they provide mutual aid and protection, Stephanie Cacioppo added. “It isn’t that one individual is sacrificial to the other. It’s that together they do more than the sum of the parts. Loneliness undercuts that focus and really makes you focus on only your interests at the expense of others.”

人が絶好調だと、相互扶助・相互保護を提供すると、ステファニー・カシオッポ氏は付け加えました。”それは、個人が、他者のために犠牲になることではなく、お互い協力すれば、全体として大きな力を発揮するということです。孤独感(社会的疎外感)は、その焦点をぼかし、他者を食い物にして、人を自分の私利私欲だけを追求するようにしてしまいます。”

身勝手さと疎外感は表裏一体の関係にあるようですが、例えば、この国では、ニートや引きこもりが、一番孤独な存在であろうと思われますが、彼等の多くは、そのあまりの自己中っぷりが故に、自分の家族からさえも疎まれてしまっていると言われています。それが真実なのかどうかは置いておくとして、人が孤独になると、社会が俺を無視するなら、俺も社会を無視するといった思考になってしまうようです。それが度を越すと、社会に対して復讐しようと考えるようになり、通り魔や無差別テロ等の悲劇を産んでしまいます。

人が俺を疎外するなら、俺も自己中に生きて他者を疎外してやる、この悪循環をどこかで断ち切らないと、悲劇的な結果をもたらすのは火を見るよりも明らかで、人に対して親切にすることが大切なのは言うまでもなく、ボッチ、お一人様、生涯独身、孤立社会、孤独死、引きこもりといった言葉が、当り前のように使われている昨今、人が1人でいるのは良くないという聖書の言葉を、改めて考え直してみる必要があるのかもしれません。そう思う今日この頃です。