超抗原に対する粘膜関連インバリアントT細胞の致命的な過剰免疫反応

通常は、人に危害を加える病原菌の攻撃を払い除けている免疫細胞の小規模集団が、特定の感染症に対峙している間、事もあろうに、本来は守るべき対象であるはずの宿主(人間)に襲い掛かる可能性があることが、6月20日に、オープンアクセスジャーナルであるPLOS Biology誌に掲載された新しい研究が明らかにしています。

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粘膜関連インバリアントT細胞

Bacterial superantigens turn our immune cells to the dark side

The researchers led by Dr. Mansour Haeryfar at Western University’s Schulich School of Medicine & Dentistry, Canada, in collaboration with researchers from France, Australia and the United States, found for the first time that these immune cells, called mucosa-associated invariant T (MAIT) cells, can mount a rapid and robust inflammatory response that may contribute to severe organ damage or even death due to infections that lead to toxic shock syndrome.

カナダにあるウェスタンオンタリオ大学シューリック医歯学部のMansour Haeryfar博士率いる研究グループが、フランス、オーストラリア、アメリカの研究者達と共同で、粘膜関連インバリアントT(MAIT)細胞と呼ばれている、こういった免疫細胞が、毒素性ショック症候群を引き起こす感染症に起因した、重篤な臓器損傷や、最悪の場合、致命的損傷を与えかねない、急激かつ頑強な炎症反応を開始する可能性があることを、今回初めて発見しています。

毒素性ショック症候群

Toxic shock syndrome is a life-threatening inflammatory response brought on by exposure to bacterial superantigens, which are toxins harbored and secreted by certain common bacteria, namely Staphylococcus (“staph”) and Streptococcus (“strep”) bacteria. Counterintuitively, it is not the bacteria or its toxins that make toxic shock fatal, but rather the overzealous inflammatory response triggered and perpetuated by the immune system.

毒素性ショック症候群は、特定の一般細菌、すなわち、ブドウ球菌とレンサ球菌によって分泌隠匿されている毒素である、細菌性スーパー抗原に暴露されることによって引き起こされる、直ちに命に関わる炎症反応です。直感に反し、毒素ショックを致命的にしているのは、細菌やその毒素ではなく、免疫系によってトリガー・維持され続ける、行き過ぎた炎症反応です。

免疫抑制も致命的

Researchers used both animal models and human cells to demonstrate the hyper-responsiveness of MAIT cells to systemic exposure to bacterial superantigens. The team also demonstrated that as MAIT cells responded to superantigens, they also began to develop signs of exhaustion and failure to participate in antimicrobial host defense. This exhaustion may lead to immunosuppression, which can also have fatal consequences due to increased susceptibility to secondary, opportunistic infections.

研究者たちは、細菌性スーパー抗原への全身曝露に対する、MAIT細胞の過反応性を検証するために、動物モデルとヒト細胞の両方を使っています。チームは、MAIT細胞が、超抗原に反応する時に、疲労のサインを示し始め、抗菌宿主防衛に参加しなくなる事も明かしています。この極度の疲労が、二次的・日和見感染に対する脆弱性を増すことによって、致命的な結末をもたらすこともできる、免疫抑制を引き起こす可能性があります。

MAIT細胞は病原菌

“In this context, MAIT cells are actually disease-causing as opposed to protective,” said Haeryfar. “We have shown that MAIT cells are the most powerful source of an inflammatory mediator called interferon-γ, thus likely contributing to morbidity associated with toxic shock syndrome and similar superantigen-mediated illnesses.”

”この状況においては、MAIT細胞は、実際のところ、保護的どころではなく、疾患を引き起こしています。我々は、MAIT細胞が、インターフェロン-γと呼ばれる、炎症性メディエータの最も強力なソースになっていることを明らかにし、従って、毒素性ショック症候群や、似たようなスーパー抗原介在疾患に関連した罹患率に寄与している可能性が高いと思われます。”

”我々の発見に基づいて、我々は、粘膜関連インバリアントT細胞を標的にする、タイムリーで効果的な治療が、制御不能な炎症を防ぐと同時に、免疫抑制を緩和することによって、患者達のためになり得るだろうことを提示しています。”

スーパー抗原に対する過剰免疫反応で、守るべき宿主を葬ってしまうとか、あまりにもひどい話ですが、ある意味、安楽死と言える側面もあるのかもしれません。

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